Lancetに掲載されたSpainのコホート論文についてのファクトチェック
関係の無い話も沢山載っていますので、記事内をSpainで検索し、見つかった部分の前後のみを和訳することとしました。
【PolitiFactのファクトチェック記事内の該当部分の和訳】
査読付き医学雑誌《The Lancet》で2021年2月に発表された、スペインのカタルーニャ地方で314人の被害者から身近な人にCOVIDが広がることを調査した研究も届きました。
「マスクの使用を報告した個人において、感染リスクが減少したという証拠は見つからなかった」と、この研究は結論付けています。
カタルーニャの研究の著者らは、自分たちの発見が「他の場所で見つかったエビデンスと食い違っている」ことを認め、その理由はよく分からないと述べています。
彼らは、自分達の研究には「いくつかの制約」があることに言及しています。
上記論文内をLimitationで検索し、見つかった部分の前後のみを和訳することとしました。
【上記論文内の該当部分の和訳】
この研究にはいくつかの制約があります。
(1)無症状の人が指標事例として登録されなかったため、あらゆるタイプの感染連鎖を完全に特徴付ける能力に影響がありました。
(2)マスクの使用を報告している人において、感染リスクが減少しているという証拠は見つかりませんでした。
この知見は、他で報告されている証拠と一致しますが8、我々は、マスクの種類(外科用とFFP2)、その他の個人防護具(PPE)の使用やその他の感染対策に関する詳細なデータを有していないため、感染リスクに対するPPEの効果について明確に推測する能力が制限されています。
マスクの使用は、恐らく曝露の種類と相関しており、それが更に関連を混乱させる可能性がありますが、未調整の分析(表3)でも曝露の種類を除いた多変量モデル(データ未提示)でもマスク使用とリスクの関連性は認められませんでした。
(3)連続検査に基づくPCR検査が陽性になるまでの時間ではなく、症状発現までの時間(後に感染が確認された場合)が使用されました。
しかしながら、この研究の前向きな性格、対面式面接による正確な曝露の確認、曝露した接触者の積極的・消極的な集中的モニタリングにより、正確な潜伏期間の算出は実現可能でした。
我々は14日間にわたって参加者を追跡調査したため、14日以上の潜伏期間は見落とされていたかもしれません。
各クラスター内では、伝播の方向性について完全に確信することは出来ませんが、登録前の2週間にCOVID-19様症状がないことを含む我々の登録基準は、症例から接触者への伝播と一致しています。
また、研究クラスター外の人物から感染した可能性も排除出来ませんが、国のガイドラインに従って、接触者は全て指標例との接触後に隔離されたため、他からの感染の可能性は低くなりました。
指標となる症例から検体を採取することが出来たのは、症状発現から中央値で4日後であり、接触者の最初の検体は曝露から平均5日後に採取されました。これは、ピークウイルス量との関連性を検出する能力に制約を与える可能性があります。
しかしながら、感染リスクと症状発現までの時間との関連において、明確な用量効果を示すことが出来ました。
(4)我々の研究集団は、研究サンプルが抽出された臨床試験を反映しているため、女性参加者や合併症が少なく、主に軽度から中等度の感染を持つ参加者に偏っています。
他の集団における感染のリスクについては、追加のデータが必要です。