ロバートヤングが2億円の賞金を出すと言い張っている話について

日本語字幕の貼ってある動画しか見つけきれていないので、オリジナル動画の在処をご存知な方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

デマ拡散に協力してしまうので、動画は貼りませんが、日本語字幕付きの動画の在処には以下の説明文が書かれています。

Dr.Robert Young has been preaching this fakery of virology for many years. Now he offers 1.5 million pound for the identification of purified isolates of CoViD or HIV through Koch's or River's postulates.

日本語字幕付けの人はまさかここまで手を入れたりしていないとは思いますので、これはRobert O. Young本人の発言として話しますが、まずは歴史のお話をします。

Kochの原則:1890年

初めてのウイルスの発見:1892年

Riverの原則:1937年

→笑っちゃうでしょ?Kochの原則は、ウイルスが発見される前に制定された『病原菌特定に関する原則』ですから、当然ウイルスでは当てはまらないことがあり説明が付きません

例えば、COVID-19には感染したけど無症状な人が決して少なくない数居ますが、Kochの原則ではその人達は感染していないことになります。

また、Riverの原則は謂わばKochの原則のウイルス対応拡張版ですけど、戦前に制定された原則ですよ。ウイルス学が70年以上何の進歩もしていないことなんてないよね?存在証明はいくらでも他の方法があるんじゃねえの?あんたは長年にわたってウイルス学のいい加減さを語っていたんだから、そこいらのウイルス学者よりずっと専門家なんでしょ?自称だけどwww。

ーー2021/11/04追記ーー>

まず、コッホの原則は以下のようになります。

画像1

(https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=62241?pno=2&site=nliより引用)

またそのウイルス対応拡張版であるRiverの原則は以下のようになります。

画像2

(https://www.slideshare.net/doctorrao/diagnosis-of-viral-infections-basicsの4ページ目を参照の事)

Kochの原則の3番目(またはRiverの原則の4番目)では病気の再現性が100%であることが要求されますが、皆さんご存知のように、新型コロナでは『感染しているのに無症状』の方が少なくない数いらっしゃいます。

→ロバートヤングはこの方々をどう取り扱うのでしょう?『無症状ならば感染していないんだ』と主張し続けているならばまだ分かりますが、あれだけ荒唐無稽なことをわめき散らかす割には、主張しているのを聞いたことがありませんよねwww。

→つまり、『感染しているのに無症状』の存在は肯定しておきながら、100%の再現性を求めるというあたおかなw宣言をしているのですwww。多分本人は気付いていないと思いますよwww。

Kochの原則(そこには書いてありませんがRiverの原則も)など無しでウイルスの存在証明は出来るよ。』については、以下のReutersのファクトチェックで解説されています。

【和訳】タイトル:ウイルスの存在証明には、コッホの原則が満たされる必要はない。

自称ウイルスについてよく知っているオイラなロバート君にはこの程度のことも分からなかったんですねえwww。

SARS-CoV-2がCOVID-19を引き起こすことを研究者が証明していないとする記事は、古い原則を用い、不完全な事実を提示して論じている。この記事では、研究者が(微生物が病気を引き起こすことを示す19世紀に提示されたレオリジナルの)Kochの原則を、本来理解されていた通りに満たしていないことに焦点を当てている。

→『ウイルスという概念の無かった時代の判定基準を用いてウイルスを判定するなんて変わり者がウイルスに詳しい人の中に居るんですか?』って話ですwww。

Kochの原則は1890年に発表されました(こちらこちら)。細菌説がまだ議論されていた時代で、ウイルスが発見される前でしたが、コッホの原則は当初書かれていた通りには適用されません。コッホ自身、この定説には例外があることを認識しておりこちら)、多くの病気の原因となる微生物については定説が成立していません。ウイルスが病気を引き起こすことを確認する現代の基準は、COVID-19で実証されています。

<Kochの原則>
この記事(ここ)では、「Kochの原則は、ウイルスを科学的に検出するための決定的な基準である」とした上で、これらの仮定を原文のまま列挙しています。

第1原則:『微生物は、同じ症状の病気のすべての症例で検出されなければならないが、健康な人では検出されない。』

この原則は、Kochの時代ですら、病気の原因となる微生物の無症状の保菌者が発見されたことで陳腐化し、Kochはこの仮定を修正したり放棄したりするようになったここここここ)。

第2原則:『微生物は病気の個体から純粋な培養物に移すことができる(隔離)。』

これは一般的には、その微生物が無菌の増殖培地のようなもので増殖できることを意味すると理解されています。細菌を含む多くの病気を媒介する微生物は、未だにこのように培養することが出来ませんが(ここここ)、病気の原因として確立されています。ウイルスは自己増殖出来ないので、Kochが考えていたような「純粋培養」としては全く育てることが出来ませんが、ウイルスが病気を引き起こすことはよく知られています(ここここここ)。第3及び第4原則は、病気の純粋培養が出来なければ、書かれている通りには成立しません。

ウイルスは自己増殖出来ないから純粋培養出来ないって、医学部の学部生(いや、二次試験で生物をとる人なら大学受験生)でも知っている話ですよねえwww。自称ウイルスに詳しいロバート君は何故知らないのでしょう?www

第3原則::『以前は健康だった人が、純粋培養された微生物に感染した後、その微生物が最初に発生したものと同じ症状を示す。』

人間に意図的に病気を感染させることは歴史的に行われてきましたが、倫理的な問題から稀にしか行われていません。しかし、英国の臨床試験倫理委員会は先月、健康な若いボランティアが安全に管理された環境でSARS-CoV-2ウイルスに暴露されるCOVID-19チャレンジ研究を承認しました(こちら)。

殆どの場合、第3原則を満たすために用いられる個体は動物であることが多い。このため、人間に特有の病気では、この原則、ひいては第4原則を満たすことが出来ませんこちら)。

第4原則:『微生物は、感染した人や病気になった人から、純粋な培養物に戻すことができる。』

オリジナルのKochの原則ではありませんが(こちら)、これは基本的に、異なるソースを使った第2原則の繰り返しです。

記事はさらにこう続けています。『教科書(例えば、White/Fenner.Medical Virology, 1986, p.9)や、Luc MontagnierやDominic Dwyerのような一流のウイルス研究者からは、粒子洗浄、すなわち、1898年にノーベル賞受賞者のMarie Curieが何トンものピッチブレンドから抽出して100mgの塩化ラジウムを精製したように、ある物体をその物体ではない全ての物から分離することが、ウイルスの存在を証明するための不可欠な前提条件であると指摘されています。 』Medical Virologyの教科書はオンラインで見ることができる(ここ)。9ページ目が欠落しているように見えるが、その後のKochの原則への言及(238-244ページ)は、これらの定説の限界を認識しており、病気の因果関係を立証するためにこれらの定説が満たされなければならないことを示唆していない。この本では 『疫学者を支援する上で中心的に重要な2つの手段は、免疫学的調査と、核酸プローブまたはポリメラーゼ連鎖反応を用いた腫瘍細胞におけるウイルスゲノムの存在の証明である』としています。

<単離>
記事によると、COVID-19の原因となるウイルスを分離する方法は、『ウイルスを精製 』していないため、カウントされないとのことです。

オークランド大学分子医学・病理学部門のSiouxsie Wiles准教授は、この主張に対して次のように述べています。「ウイルスは複製するための宿主細胞を必要とする」ので、ウイルスのサンプルには必ず他の遺伝物質が混じっているこちらこちら)が、これはウイルスの研究や遺伝子配列の決定を妨げるものではない。因果関係を立証するためには粒子を分離しなければならないという主張を裏付けるために記事が参照しているLuc Montagnier氏は、ウイルスを分離する際に精製が必要であるという指摘を明確に否定しています(こちら)。

ウイルスに詳しい人が『単離しなければ―』なんて言い出すのはおかしいだろってことねwww。

<COVID-19の検出>
ウイルス研究は、Kochの死後数十年を経て開発された遺伝子技術によって大きく変貌しました(www.pnas.org/content/106/1/6こちらこちら)。これらの技術は、COVID-19の同定にも用いられている(こちらこちらこちら)。

病気を引き起こすウイルスを決定するための更新された基準が、今でもKochの原則と呼ばれることがあるこちら)。これらには、動物を疑わしいウイルスに感染させたり(こちらこちら)、ウイルスを細胞で培養したり(こちら)することが含まれるが、これらはKochが理解したであろう「純粋培養」とはみなされず(こちら)、他の微生物を除去しても前述の精製基準を満たすことはない(こちら)。

→プロの間では、Riverの原則ないしはもっとウイルス対応強化版な修正解釈を加えた物もKochの原則と呼ぶことがあるけど、その場合にオリジナルのKochの原則の一覧表出すようでは、お話にならないってことねwww。

【評定】 デマです。
(この文献の著者はオリジナルのKochの原則を引用しているので)Kochの原則は、Koch自身が理解されていたように、ある微生物が病気を引き起こすことを立証する(ための物であり、COVID-19というウイルスの存在証明とは関係ないから)証明する必要はない。

SARS-CoV-2がCOVID-19を引き起こすことは、Kochの原則をモデルにした基準や、Kochの死後数十年も経つまで開発されなかった遺伝子技術など、現代の基準でも証明されている。

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