反ワクチンポスターが「日本ファイザー緊急事態」を誤解させる投稿で出回っています。
【和訳】
ソーシャルメディアに、日本がPfizer-BioNTech社製のCOVID-19ワクチンの副作用を受けて非常事態を宣言したとする中国語の投稿があります。この主張は誤りです。日本はコロナウイルスの蔓延を抑えるために国土の大部分を「準緊急事態」下に置いており、ワクチンの副作用が原因ではありません。更に、ソーシャルメディアの投稿には、ウイルスに関する一連のデマが含まれた日本のポスターが掲載されています。
2022年1月27日に投稿された簡体字中国語のツイートには、「日本では目覚める人が増えている」と書かれています。
→ #寝ぼけているDQN の呟きでも見たんでしょうか?www
このツイートには、日本語のポスターの写真が掲載されており、中国語のテキストが重ねられて、次のように書かれています。:「日本はワクチンの副作用で非常事態を宣言し、ファイザーに賠償を求めたり、ファイザーを大虐殺で訴えたりしている。日本の病院は、予防接種を受けないようにと、通知を出した。」
Twitter、Facebook、そしてTrump氏の元科学顧問が2021年7月に立ち上げたプラットフォーム「Gettr」でも同様のSNS投稿が流れました。
しかしながら、この主張はデマです。
日本の「非常事態宣言」
日本は2022年2月8日現在、47都道府県のうち東京都を含む35都道府県を準緊急事態に位置付けています。
完全な非常事態よりも厳しくないこの措置は、在宅勤務や大人数での外食を避けるなどの予防策を奨励するものです。
岸田文雄首相は1月、この規制はオミクロンを原因とする感染症の急増に対処することが目的だと述べました。
日本政府のウェブサイトの情報ページには、この措置は「COVID-19の蔓延を防ぐため」に取られたと書かれており、Pfizer-BioNTech社製のワクチンやワクチンの副作用については触れられていません。
AFP東京支局の記者によると、2022年2月8日現在、日本のどの地域でも非常事態宣言は発令されていません。
ワクチンに関する「深刻な問題を含むデマ」主張
更に、「3回目の接種はやめよう」と題された日本のポスターでは、COVID-19やワクチンについて誤った主張が相次いでいます。
「オミクロン変異種は感染力が強いので、患者数はどんどん増えていきます。しかし、ACE受容体には結合しない(血栓症を起こさない)ので、心配はいりません。重症化することは非常に稀なので、風邪と同じです。」とポスターには書かれています。
「特に子供の場合、予防接種を受けると、免疫機能や発達に何年も悪影響を及ぼすことがあります。ワクチンは過去の亜種を予防する効果はありませんが、オミクロンには全く効かないので、ワクチン接種を受けることは単なる在庫処分になってしまいます。」
呼吸器専門家で香港医師会の伝染病諮問委員会の前委員長であるLeung Chi-chiu博士は、ポスターの主張は「深刻な誤り」であると述べました。
「オミクロンはACE受容体に結合し、特にワクチン未接種者の間で他の亜種と同様に重篤な疾患や合併症を引き起こす可能性があります。」と、2022年2月10日にAFPに語っています。
「ワクチンの安全性は、COVID-19ワクチンの導入以来、世界中で注意深くモニターされています。入手可能なデータから、現在使用されているCOVID-19ワクチンが、子供の免疫機能や発達に悪影響を与えるという証拠はありません。」
香港大学微生物学部の臨床助教授、Siddharth Sridhar博士は、COVID-19ワクチンが子供たちの長期的な免疫機能や発達に害を与えるという「証拠は全くありません。」と述べました。
2022年2月7日、AFPに対し、「ワクチンは、オミクロンに罹るのを完全に防ぐことは出来なくても、重度のオミクロン感染を防ぐのに非常によく効きます。」と語ってくれました。
AFPは以前、mRNAワクチンが子供に害を及ぼすというデマを否定しています。
ポスターの最後の行には、「Dr. Keiji Shimizu」と日本の福井市にある彼の医療クリニックが記載されています。
日本の新聞「中日新聞」は2012年、同名の医師が同じクリニックでインフルエンザワクチンの反対運動をしていると報じました。