インドネシア対日本W杯予選の見出しにロナウド氏のインタビューがあるような偽の副題が追加されていました。

インドネシアがワールドカップ予選で日本との対戦を控える中、サッカーのスーパースター、クリスティアーノ・ロナウド氏の古い動画がSNSの投稿で再浮上し、彼が東南アジアの群島に観戦に行くことを発表する様子を映したものだと偽っています。ネット上で数十万回の再生回数を記録したこの動画には、ポルトガル人選手が2018年のチャンピオンズリーグ決勝のリバプール戦について話している様子が映っています。

「クリスティアーノ・ロナウドがGBKスタジアムに直接やってきた」、「インドネシア対日本の試合を生観戦」、というインドネシア語のテキストがSnackVideoの記事に重ねて表示されていました。

Gelora Bung Karno(GBK)スタジアムは、インドネシアの首都ジャカルタで開催されるワールドカップ予選の試合会場になっています。

映像では、ロナウド氏がインドネシア語の字幕と共に英語で話している様子が映し出されています: 「そうだよ。11月15日のインドネシア対日本を生観戦するために、僕はインドネシアに飛ぶ。この試合を見ることは僕にとって正しい決断なんだ。これは僕が待ち望んでいた試合だからね」

映像の後半では、ロナウド氏が空港を歩く姿が映っています。

2024年12月4日に取得されたデマ投稿のスクリーンショット

同様の動画は、11月15日に開催されるインドネシアのワールドカップ予選、日本戦を前にTikTokで数十万ビューを集めていました

日本はインドネシアを4-0で打ちのめし、2026年ワールドカップ予選でのリードを広げ、8大会連続の出場権獲得に近づいています。

スポーツ界のレジェンドであるロナウド氏(39)は、イスラム教徒が多いインドネシアでは定期的にデマの対象となっており、以前には彼がイスラム教に改宗したとか、パレスチナ人と連帯するためにイスラエル大統領との握手を拒否した等というデマが流れたこともありました。

多くのSNSユーザーは、ロナウド氏が日本戦を観戦するためにインドネシアに飛ぶと発表した動画だと信じているような様子でした。

「凄い、ロナウドが来る。CR7、代表チームをサポートしてくれて有難う」とコメントするユーザーもいました。

「ロナウドさん、ようこそ」、別のユーザーはそう書き込んでいました。

チャンピオンズリーグでのインタビュー動画です。

ロシアの検索エンジンYandexで逆画像検索した結果、イギリスとアイルランドのスポーツチャンネルTNT Sportsが2018年5月25日に投稿した動画のオリジナルが見つかりました(アーカイブリンク)。

動画のタイトルは次の通り:「クリスティアーノ・ロナウド:モハメド・サラーは素晴らしいが、僕には敵わない」

ロナウド氏がリヴァプールとのチャンピオンズリーグ決勝を前に、特にリヴァプールのウイングのモハメド・サラー氏について自身の考えを語っている内容となっています。

「彼は左でプレーし、僕は右でプレーする。僕は背が高く、彼は少し背が低い。僕は頭を使ってプレーするんだ。僕たちは全然違うんだ」

ロナウド氏がインドネシアについて言及することは一切ありませんでした。

以下は、偽の投稿(左)とTNT Sportsが掲載した動画(右)との比較です:

デマ投稿のスクリーンショット(左)とTNT Sportsによる映像(右

一方、ロナウド氏が空港を歩く映像は2018年のものです。

Googleで画像を逆検索した結果、英紙The Daily Mailが2018年7月1日に投稿したYouTube動画にこのクリップが掲載されていることが判明しました(アーカイブリンク)。

動画の説明によりますと、2018年ロシア・ワールドカップで敗退した後、ポルトガルに里帰りしたロナウド氏が「意気消沈」している様子が映っているとのことです。

以下は、偽の投稿(左)と Daily Mail がアップロードした動画(右)との比較です:

デマ投稿(左)とDaily Mailの動画(右)とのスクリーンショット比較

AFP通信は、ロナウド氏がモスクワ郊外のZhukovsky空港で撮影した同様の写真を掲載していました。

AFP通信は、ロナウド氏が15日の日本戦観戦のためにインドネシアを訪れたという信憑性のある報道を発見することが出来ませんでした。

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