「世界で最もワクチンを接種した国」が、COVID-19の「最悪の死亡率」だったのでしょうか?ワクチンは命を救うことが出来なかったのでしょうか?いいえ、それは事実ではありません: これらの主張は、現在の科学的証拠に裏付けられていません。COVID-19ワクチンは、ウイルスによる重症化、入院、死亡を減少させる効果があることが、数多くの研究で示されています。ワクチンは、人命を救い、世界的なパンデミックの影響を軽減する上で重要な役割を果たしました。
この主張は、2023年5月27日に「『これらのワクチンは誰も救わなかった!』『世界で最もワクチンを接種した国は、最悪の死亡率だった!』ーPierre Kory博士ー」というタイトルでFacebook上に公開された動画です。動画内の見出しにも似たようなことが書かれています:
執筆時のFacebookの投稿は以下のような感じでした:
Pierre Kory博士について
Pierre Kory博士は、Frontiers in Pharmacologyの記事でCOVID-19ウイルスに関する根拠のない主張が引用された反ワクチン団体、Front Line COVID-19 Critical Care Alliance(FLCCC)に所属する医師です。KoryはFLCCCの創設メンバーです。
➡ここまでで読む価値無しとしてもいいんですけどねw。
動画
大幅に編集された91秒の映像は、2023年3月7日、ウィスコンシン州の7年生から12年生の生徒への予防接種に関する公聴会で、Koryが証言したものです。映像の右上には、公聴会とその開催時刻を示すグラフィックが表示されています。映像は、Koryが次のように話すところから始まります:
ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターの上級研究員で、ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院の非常勤助教授であるAmesh Adalja博士は、2023年5月31日、Lead Storiesにメールで、この主張に対する回答を提供しました。彼は次のように述べています:
ジョンズ・ホプキンス大学医学校は、コロナウイルス資料センターを運営し、世界のCOVID-19の統計データをまとめています。下のグラフは、20カ国を2つのCOVID-19のカテゴリーに分類したものです。左側は、少なくとも1回COVID-19ワクチンを接種した人口の割合が高い国のランキングです。右側は、最も影響を受けた国の中で最も死亡率の高い国のランキングです。
Lead Storiesでは、最もワクチン接種が進んでいる国と最もワクチン接種が進んでいない国の両方のグラフに登場する国は、カナダ、チリ、ペルー、ポルトガルの4カ国だけでした。
COVID-19ワクチンの影響
2022年6月23日、医学雑誌The Lancetに掲載された研究によると、COVID-19ワクチンが、ウイルスによる世界的な死亡者数の減少に大きな役割を果たしたことが示唆されました。そこには、「COVID-19ワクチン接種は、パンデミックの経過を大幅に変え、世界的に数千万人の命を救いました」と書かれています。この研究では、次のように付け加えています:
2022年12月13日にCommonwealth Fundが発表した別の研究は、同様の結果を見せていますが、米国に限定されたものです。 そこには次のように書かれています:
米国CDC
2023年5月31日付の電子メールで、米国CDCの上級広報専門家であるBelsie González氏は、2022年12月20日に発表された研究が、ワクチン接種の利点を示していると述べました。彼女はLead Storiesに次のように語っています(強調は彼女によります):
CDCのウェブサイトによりますと、2020年12月14日から2023年3月1日までに、米国では6億7200万回以上のCOVID-19ワクチンが投与されました。Our World in Dataによりますと、2023年5月31日の時点で、世界中で130億回以上投与されています。
ワクチン関連の主張に対するLead Storiesのファクトチェックについては、こちらをご覧下さい。