米国FDAがDTaPワクチンの副作用として乳児突然死を挙げている事実はありません。
確定された副作用と、ワクチン接種後に報告されたがワクチンによるものとは確定されていない副作用とを混同したネット上の主張に反して、米国FDAは、INFANRIX DTaPワクチンの副作用として乳幼児突然死症候群(SIDS)を挙げていないことが判明しました。
「SIDS(乳幼児突然死)がワクチンと関係がないのなら、何故DTaPワクチンの添付文書に副作用として記載されているのだろうか?」というスライドがInstagramに投稿され、6,000以上の「いいね!」がついています。
2枚目のスライドには、FDAが承認したINFANRIX DTaP(ジフテリア、破傷風、百日咳)ワクチン(通常、生後6カ月から6歳までの乳幼児と小児に接種される予防接種)の添付文書に記載された文章が示されており、ワクチン発売後にメーカーに報告された事象や状態がリストアップされています。
このリストは、FDAのウェブサイトにある添付文書の11ページでも見ることが出来ると共に、その前には解説も記載されています。そこには、臨床研究で記録された副作用と、ワクチンによるものであることが証明されていない自主的に報告された事象との対比が描かれています。「INFANRIXの臨床試験における報告に加えて、INFANRIXの承認後の使用中に以下の副作用が確認されています。これらの副反応は不確かな母集団から自発的に報告されたものであるため、その頻度を確実に推定したり、ワクチン接種との因果関係を立証したりすることは不可能な場合があります」
FDAの広報担当者は、SIDSとDTaPワクチンに関するワクチン有害事象報告システム(VAERS)への報告は承知しているが、報告数は「これらのワクチンを接種した多数の乳児に比して非常に少ない」ものであり、「これらの報告に関連した安全性の懸念があるとは判断していない」と電子メールで述べています。
自発的な報告によってSIDSのような有害事象が添付文書に記載されたとしても、その有害事象がワクチンによって引き起こされたことを意味するものではありません、と広報担当者は述べています。「VAERSは、ワクチン接種後のあらゆる有害事象について、それが偶然のものであれ、本当にワクチンによって引き起こされたものであれ、データを収集していることに注意することが重要です」
VAERSへの有害事象の報告は、ワクチンがその事象を引き起こしたという文書ではありません、と広報担当者は付け加えています。
添付文書にはTDaPワクチンの既知の副作用が4-11ページに記載されており、疼痛、発赤、腫脹、発熱、眠気、易刺激性、食欲不振などが含まれています。
INFANRIXの製造元であるグラクソ・スミスクライン社からのコメントは得られておりません。
【評定:誤解を招く記述です】
FDAが承認したDTaPワクチンに関する医薬品情報には、副作用として乳幼児突然死症候群(SIDS)は記載されておりません。