ワクチン接種がCOVID-19の変異を早める原因にはなることはありません。

#DQN 主張】

過剰なワクチン接種により、(COVID-19)ウイルスの変異が早くなり、我々が撃退出来ない可能性のあるスーパーウイルスが発生する。

【概要説明】

  • ウィスコンシン大学マディソン校のAjay Sethi准教授は、「COVID-19ウイルスは、ワクチンによる免疫だけでなく、あらゆる種類の免疫を回避して生き続けようとする」と述べました。

  • 更に、ワクチンを接種することで、ウイルスに感染するリスクを減らすことが出来ます。そして、もし感染しても、ワクチン接種をしていない人よりも病気の経過が短くなることがデータで示されています。

  • そうなれば、ウイルスの突然変異を早めるのではなく、抑制することが出来ます。

【レビュー】

ウィスコンシン州の共和党が支配する上院は、COVID-19の先行感染を免疫として数える法案を提出し、同州のパンデミック対応を巡る党派的な争いが今後も続くことを予感させるものでした。

この法案は2022年2月15日に可決されましたが、民主党のTony Evers知事の机の上に届けば、拒否権が発動されることはほぼ確実です。

しかし、この法案の審議では、パンデミックを終息させる方法について、Evers知事と立法府の共和党議員との間に深い溝があることが浮き彫りにされました。

その議論には、Mary Felzkowski上院議員(イルマ州選出)のCOVID-19ワクチン接種に関する誤った情報も含まれていました。

「過剰なワクチン接種はウイルスの突然変異を早め、我々が撃退できないスーパーウイルスを引き起こす」とFelzkowski議員は議場で上院議員に語りました。

彼女は的外れです。

そのことについて噛み砕いてお話します。

ワクチンはCOVID-19の変異を早める原因にはなりません

Felzkowski氏の事務所は、彼女の主張の裏付けとなる証拠を求める要請に応じませんでした。

いずれにせよ、この主張は不正確です、とウィスコンシン大学マディソン校医学・公衆衛生学部人口健康科学准教授のAjay Sethi氏が述べてくれました。

Sethi氏は電子メールで、ウイルスは常に突然変異を起こし、自らの生存を保証し、人々の免疫力を回避しようとする、と語りましたーそしてその免疫力がワクチンによるものであれ、過去の感染によるものであれ、或いはその両方であれ関係ありません。言い換えれば、人々がワクチンを接種したからといって、ウイルスの突然変異が早くなるわけではないのです。

Politifact Nationalは、フランスのウイルス学者がワクチン接種がウイルスの変種を作り出していると述べた昨年5月の同様の主張が誤りであると評定しました。

このファクトチェックでは、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の免疫・感染症学科長であるSarah Fortune博士が、Sethi氏と同じ結論を出しています。

「人々が病気になってCOVID-19に感染し、ウイルスがその免疫選択から逃れようとするか、人々がワクチンを接種してもウイルスがその免疫選択から逃れようとするかのどちらかです」とFortune博士は言いました。「ワクチン接種を避けることは、ウイルスの進化を制限することにはならないのです。

実際、ワクチン接種はウイルスの突然変異を遅らせる役割を担っています。

新しい感染が起こるたびに、ウイルスは再び変異の機会を得ることになります。ワクチン接種を受けた人がCOVID-19に感染する可能性はありますが、予防接種を受けることでその可能性が低くなることが研究で明らかになっています。例えば、ウィスコンシン州保健サービス局のデータによりますと、2021年12月、ワクチン未接種の人は、ワクチン接種者の3倍の割合でウイルス検査で陽性になっています。

また、ワクチン接種者がウイルスに感染した場合、ワクチン未接種者よりも病気の経過が短く、時間が短縮されるため、ウイルスがさらに拡散し、変異する機会が増えるとSethi氏は述べています。

Felzkowskiが主張する「スーパー・ウイルス」については、あらゆる形の免疫を回避出来る変種が発生する可能性はあります。しかし、先に説明したように、それはワクチン接種によって引き起こされるものではなく、ウイルスが集団で自由に拡散することによって引き起こされるものです。

「次の懸念すべき変種が、ワクチンによる免疫、過去の感染による免疫、モノクローナル抗体による治療を回避するとしたら、それは社会がウイルスの拡散、進化、変異を続けさせ、新しい変種を生み出したからです」と、Sethi氏は述べています。

【評定】

Felzkowski氏は、「過剰なワクチン接種」はCOVID-19ウイルスの変異を早め、人間が撃退出来ない可能性のあるウイルスを生み出すと指摘しました。

しかし、州や国の専門家は、このウイルスはワクチンによる免疫だけでなく、生き続けるためにあらゆる形の免疫を回避しようとしているという点で一致しています。現実には、ワクチンを接種した人は感染しにくく、回復も早い傾向があるので、ウイルスの変異を遅らせる役割を果たすことが出来ます。

我々は彼女の主張を「誤り」と評価します。

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