プーチンが戦争を終結させたというビデオは本物ではなく、「ディープフェイク」です。

【和訳】
ロシアのプーチン大統領は2022年3月16日、ウクライナに侵攻したロシアが降伏したと発表したのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。信頼出来る独立機関や公式の情報源は、ロシア大統領がそのような発言をしたと報告していません。このビデオは、プーチンの以前の演説のビデオを、所謂「ディープフェイク」技術を使って改変し、プーチンがその言葉を発しているように見せているものです。国務省の報道官は、ロシアが戦争を抑制する兆候はないとLead Storiesに語りました。現在、反プーチンの抗議活動で服役中の野党指導者Alexei Navalnyの側近は、自身のツイッターアカウントで戦争終結について何も報告していません。

プーチンの映像は、2022年3月16日付のTwitterメッセージ(アーカイブはこちら)として投稿され、その冒頭には(英語に翻訳すると以下のような)メッセージがありました。「ロシア連邦の大統領はロシアの降伏を発表した」と。続けてこう書かれていました。:

ロシア兵よ、武器を捨てて生きているうちに家に帰れ!

https://twitter.com/sternenko/status/1504090918994993160

本稿執筆時点のTwitterでは、以下のような投稿がありました。:

国務省報道官は2022年3月16日付の電子メールで、Lead Storiesに「現場の事実はこれを裏付けない」と述べました。「今日、我々は、Mariupolでのロシア軍による忌まわしい行動の追加報告を整理している所です。彼らは、数百人の民間人を集中治療病院に強制的に入れ、患者やスタッフと共に、彼らを撃つと脅し、一方でウクライナ兵に発砲し続けたというものです。」

報道官は、国際機関がMariupolに人道的援助を届けることが出来ないと述べ、援助封鎖を 「クレムリンの人命軽視の最新の例 」と呼びました。報道官は更に、「我々はプーチン大統領とその支援者の責任を追及している。」と述べました。

このツイートが公開された2022年3月16日、ウラジーミル・プーチンはそのようなテレビ演説はしていません。

米国、ウクライナ、ロシアのいずれの国営メディアもこの出来事について触れていません。

クレムリンの公式サイトには、3月16日にプーチンがアルメニアのNikol Pashinyan首相と会談し、また、「ロシア連邦における社会経済の安定と住民の保護を確保するための措置に関する 」法令に署名したと書かれています。

2022年3月16日に公開されたロシア大統領との映像は、Novo-Ogarevoで「地域の社会経済的支援の方策」に専念したビデオ会議の録画のみです。

Lead Storiesは、Googleの逆画像検索を使って、このディープフェイクを作成するために使用されたソースを見つけました:プーチンが2022年2月21日に行なったテレビ演説で、ウクライナに対する戦争の根拠を綴ったものです。

ディープフェイク映像の最初の数秒間、プーチンの左手はテーブルの上にあり、指を合わせています。これはreuters.comに掲載された2月21日の演説の一コマに相当し、比較のためにその画像を右に、ディープフェイクの画像を左に示します。両者は、顔を除いて細部まで同じに見えますが、dディープフェイク版では、プーチンの操作されたビデオに置き換えられています。

(Source: Lead Stories montage, left - video screenshot from Twitter.com; right - video screenshot of Putin's February 21 speech from Reuters.com taken Wed, Mar 16, 19:59:34 2022 UTC)


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