COVID-19ワクチンにメチル水銀は含まれていません。

【主張】

  • COVID-19ワクチンにはメチル水銀が含まれており、これが「川崎病のような」病気を引き起こしている。

【評定:デマです】

  • COVID-19用mRNAワクチンにはメチル水銀は含まれていません。

【レビュー】

AAP FACTCHECKInstagramの投稿によりますと、mRNAワクチンに含まれるメチル水銀が「川崎病のような」病気を引き起こしている、ということです。

これはデマです。専門家はAAP FactCheckに対し、COVID-19ワクチンにはメチル水銀は含まれておらず、またそれに関わらず、川崎病とワクチン接種との間に確立された関連性を示すエビデンスは存在しないと述べています。

この投稿には、「mRNA生物兵器の脂質ナノ粒子にメチル水銀が含まれていることは、悪いことだと分かっていた」、「COVID-19に関連する新たな『川崎病のような』疾患は、別個の症候群であるようだ」、「つまり川崎病は、COVID-19という生物兵器の吸入よりもメチル水銀を多く含む脂質ナノ粒子のmRNAワクチンの接種に関連しているということだ」、と書かれています。

ネット上の主張とは裏腹に、COVID-19ワクチンにはメチル水銀は含まれておりません。

川崎病は、主に5歳未満の子供が罹る稀な病気で、血管に炎症が起こり、発疹や発熱が現れます。

AAP FactCheckは、COVID-19ワクチンの成分が秘密であるという主張を以前にも論破しています

企業は法律上、医薬品やワクチンの全成分を治療用品管理局(TGA)のウェブサイトで公表する義務があります。

シドニー工科大学で公衆衛生学の上級講師を務めるJane Frawley氏は、2022年、AAP FactCheckに対し、TGAには、提出された各ワクチンの徹底的かつ独立したレビューを含む、新ワクチンの厳格な評価プロセスが存在します、と語っています。

「TGAは、Pfizer社のCOVID-19ワクチン(全成分を含む)が、オーストラリアで使用するために必要な高い安全性、有効性、品質基準を満たしていると判断しました」とFrawley博士は述べています。

Mater Health Services社の感染症担当ディレクターであるPaul Griffin氏によりますと、Pfizer社Moderna社のmRNAワクチンの全成分リストにはメチル水銀は含まれていないとのことです。

「これらのワクチンには、いくつかの珍しい成分や隠された成分が含まれていると主張する多くの投稿がありましたが、これらは真実ではありません」と、同教授は述べています。

グリフィン教授はAAP FactCheckに対し、COVID-19ワクチンに水銀を含む化合物であるチメロサールやエチル水銀が含まれているという主張も誤りであると語っています。

「チメロサールやエチル水銀は、インフルエンザワクチンの複数回接種用バイアルに含まれる細菌の増殖を防ぐために使用されてきました」、「COVID-19ワクチンには含まれていませんが、チメロサールが使用されているワクチンでも、極微量であれば安全です」、と教授は語っています。

マスク等のCOVID-19対策が川崎病の発症率を下げたと考えられています。

川崎病の原因は不明ですが、感染症が引き金となって発症する可能性が高く、2017年までの25年間を対象とした研究によって、症例が徐々に増加していることが明らかになりました。

Griffin 教授によりますと、パンデミック時にはイギリス、フランス、イタリアといった多くの地域で川崎病の症例が増加したとのことです。

しかしながら、米国での研究では、マスクや学校閉鎖といったパンデミック対策により、川崎病の発症率が28%低下したことが示されており、川崎病の原因が呼吸器系にある可能性が高いことが示唆されています。

Griffin 教授によれば、この稀な病気がCOVID-19ワクチンによって引き起こされたことを示す証拠は殆どないとのことです。

「COVID-19感染後の川崎病は多くの情報源から報告されていますが、COVID-19ワクチン接種後の川崎病の可能性についての報告は極少数です」と彼は述べています。

しかしながら、仮に関連性の可能性があったとしても、「ウイルスそのものによるものよりは遥かに少ないでしょう」と彼は付け加えています。

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