ポリオはギラン・バレー症候群に改称されておらず、COVID-19のワクチンの副作用でもありません。
ポリオウイルスは、ギラン・バレー症候群(GBS)と名前を変えたことは一度もなく、COVID-19ワクチンの副作用でもありません。ポリオウイルス感染症はGBSを引き起こす可能性があるが、発生は稀であると、ある専門家はロイター通信に語っており、別の2人の専門家は更に踏み込んで、GBSの原因にはならないとしています。
あるFacebookユーザーは、その投稿が160回以上やりとりされ(こちら)、次のように書いています:「英国でここ40年来起きていないポリオが発生しました。主要メディアが伝えていないのは、ポリオがギラン・バレー症候群に改名されたことです。GBSは、ドラムロール......ご存知の通り、副作用として報告されているのです!」
投稿の最後に直接COVID-19ワクチンを明記しているわけではありませんが、Facebook上の同様のアップロードではそうなっています(こちら、こちら、こちら)。
関連する投稿はこちらとこちらにあり、いずれも「ポリオがギランバレーと名前を変えた・・・」と書かれているこのpdf文書(bit.ly/3PofxGx)のGoogleリストが含まれています。
しかしながら、3人の専門家はロイターに対し、GBSはポリオの名称変更ではなく、後者はCOVID-19のワクチン接種による副作用では「絶対にない」と述べています。
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の疫学者Kathleen O'Reilly博士は、ロイターに対し、ポリオは「ギラン・バレー症候群(GBS)のような臨床症状が報告される場合に用いられる用語で、ポリオウイルスが原因物質である」と電子メールで述べています。
ギラン・バレーの症状は、ウイルスや細菌に感染した後、数日から数週間以内に見られるのが最も一般的で、神経やその保護膜を攻撃する免疫系反応によって引き起こされると考えられています。
メルクマニュアル(こちら)によりますと、「弛緩性」筋力低下が最も一般的な症状です。この症候群は通常一時的なもので、約8週間続くのが一般的です。
GBSは、急性弛緩性麻痺などの他の症候群とともに、「常に、病気になった人の症状を表すのに使われてきたが、しばしば症候群と呼ばれる、すなわち、症状には複数の原因があり、一部は病原性、一部は非病原性」と説明されました。
「このことは医学文献によく書かれており、これは約100年間変わっていません。」
O'Reilly博士は更に、「『ポリオ』と『ギラン・バレー症候群』という言葉を同じように、或いは同義語として使うことは間違っています。」と補足しました。
「GBSは症候群、つまり病気の説明です。そして、その原因を特定するのは、患者を治療する医師です。その原因は、ポリオウイルス感染、ワクチン接種、もしくはGBSの原因となりうる他の何百ものもののうちの1つである可能性があります。」
専門家の間では、ポリオウイルス感染はGBSの原因にはならない、或いは極めて稀であるとの見解で一致しています。
一方、インペリアル・カレッジ・ロンドンのNicholas Grassly教授(感染症・ワクチン疫学)は、ロイターに対し、「ポリオウィルスはGBSを引き起こさない」と結論付けました。
リーズ大学のNicola Stonehouse教授(分子ウイルス学)も同意見で、次のような意見を述べています:「ポリオがGBSを引き起こすという話は聞いたことがありません。」
Stonehouse教授はまた、ポリオはCOVID-19ワクチンの副作用では「絶対にない」とロイターに語りましたが、両者の症状は「ある程度似ているため、ここに混乱が生じる可能性がある」のだそうです。
最後に、Facebookの投稿のうち4つにlink-toされているpdfファイル(bit.ly/3PofxGx)には、「社会サービス法改正(No Jab, No Pay)法案2015」についてオーストラリア国会に送付された書簡が掲載されています。
署名のない手紙の内容は、オーストラリア国会の立場を表すものではありません。
【評定】#誤り
ポリオはCOVID-19ワクチン接種の副作用ではなく、ギラン・バレー症候群と改称されたこともありません。
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