"covid"のスペルを逆さまにした"divoc"にヘブライ語で「悪霊による憑依」なんて意味はありません。
"covid" を逆から綴った "divoc" は、ヘブライ語で「悪霊の憑依」を意味するのでしょうか?いいえ、それは違います。そもそも、"divoc"なんて単語はヘブライ語にはありません、と2人の専門家がLead Storiesに語ってくれました。ヘブライ語には人に憑依する悪霊を意味する単語が存在しますが、その単語は "dybbuk "であり、 " covid "を逆から綴ったものではありません。
この主張は、2024年1月22日にInstagramに投稿されました(アーカイブはこちら)。書き出しは次のようなものでした:
"covid"を逆から書くと"divoc"だ。"divoc"とはヘブライ語で「悪霊の憑依」という意味だ。
執筆時のInstagram上での投稿は以下のようなものでした:

「これは全くのゴミです」と、プリンストン大学比較文学准教授のLital Levy氏(アーカイブはこちら)は2024年1月23日、電子メールでLead Storiesに語ってくれました。Levy氏の専門は比較文学で、「ヘブライ語、アラビア語、英語圏の文学と文化を、個別に、あるいは組み合わせて網羅している」のだそうです。彼女は、ヘブライ語に「悪霊を意味する」単語があるが、スペルを逆にした「covid」との関連はないと説明してくれました:
dybbukという単語が存在し、これはd-b/v-kという三語根に由来し、人に憑依する悪霊を意味します。COVIDを逆から綴るとDIVOCとなり、それが偶然にもdybbukとぼんやりとした類似性を持っていたとしても、それには何の意味もありません。
聖書ヘブライ語の専門家であるフロリダ大学のGalia Hatav准教授(言語学)はLead Storiesに対し、2024年1月23日に電子メールで、"divoc"という単語は「悪霊による憑依」を意味するヘブライ語ではないと述べてくれました:
「悪霊の憑依」を意味するヘブライ語の子音は、あなたが提案した単語と同じですが、同じ[母音]ではありません: Dibuk
ブリタニカのウェブサイトでは、"dybbuk "という単語の意味を説明してくれています(アーカイブはこちら):
ユダヤの民間伝承では、Dybbukとは実体のない人間の霊のことでであり、過去の罪のために、生きている人間の肉体に宿るまで落ち着きなく彷徨うものです。
米国CDCのウェブサイト(アーカイブはこちら)によりますと、"covid"という言葉は、2019年の新型コロナウイルスの流行が始まった後の2020年に、世界保健機関(WHO)によって作られた造語です:
2020年2月11日、WHOは、中国の武漢で最初に確認された2019年の新型コロナウイルス感染症の正式名称を発表しました。この疾病の新しい名称は"coronavirus disease 2019"であり、略称はCOVID-19です。COVID-19の "CO "は "corona"、"VI "は "virus"、"D "は "disease "を意味しています。以前は、"2019 novel coronavirus"または"2019-nCoV"と呼ばれていました。
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