COVID-19 mRNAワクチンのスパイク・プロテインが、男性の精子と入れ替わることを動画による説明で立証出来たのでしょうか?いいえ、そんなことはありません: その主張を裏付ける科学的根拠はありません。スパイク・プロテインは、コロナウイルスの表面に見られる無害なタンパク質です。それは、COVID-19ワクチンが狙う免疫反応の標的です。Pfizer-BioNTech社やModerna社が開発したmRNAワクチンは、体内の細胞にスパイクタンパク質の小片を生成するように指示し、次に体がCOVID-19ウイルス上のスパイク・プロテインに遭遇した際に免疫系を刺激して防御反応を起こさせるという仕組みです。
この主張は、2023年2月20日に公開されたRumbleの投稿(アーカイブはこちら)に、「Arne Burkhardt博士が精子がスパイク・プロテインによってほぼ完全に置き換えられたことを確認」というタイトルで掲載されています。この主張は、Instagramの投稿(⇦削除済)にも掲載されました。2つ目の投稿の説明文には次のように書かれています:
執筆時のRumbleでの投稿は以下のような感じでした:
同じ見出しを共有するこの投稿は、記事執筆時点のInstagramでは次のような状態でした:
映像の様子
この動画では、ドイツの病理学者である故Arne Burkhardtが、2:19のクリップで、以下のように主張している、日付のない発表を収録しています:
この動画では、クリップで提供された情報や見出しで主張されたことについて、ほとんど文脈が示されていません。
Google検索で見つけた非公式な証言によりますと、Burkhardt は 2023 年 6 月 2 日に亡くなっています。
国立アレルギー・感染症研究所、国立衛生研究所
米国立衛生研究所アレルギー感染症研究所のJohn Beigel博士は、Lead Storiesに対し、2023年6月5日付の電子メールで、スパイク・プロテインは心配する必要はないと述べています:
2022年11月1日のNebraska Medicineの記事には、スパイク・プロテインは寿命が短いと書かれています:
Pfizer社
6月6日にLead Storiesに届いた電子メールで、Pfizer社グローバルメディアリレーションズのKeanna Ghazvini氏は、次のような同社の声明を発表しています:
米国CDC
米国CDCのScott Pauley報道官は、6月5日にLead Storiesに送った電子メールで、この主張に対する公衆衛生機関の回答を発表しました。それには次のように書かれています:
COVID-19ワクチンに関わる不妊症の主張に関する以前の記事で、CDCの予防接種安全対策室のJohn Su博士は、懸念すべき理由は見つからなかったと述べています。2022年6月21日、Lead Storiesへの電子メールで、彼は次のように述べています:
適格であれば、生後6カ月以上の人全員にCOVID-19ワクチンを、5歳以上の人全員にCOVID-19ブースター接種をCDCは推奨しています。
クリーブランド・クリニック
記事の主張に対する回答を求められたクリーブランド・クリニックの広報・メディア担当ディレクター、Andrea Pacetti氏は、2023年6月5日付のLead Storiesへの電子メールで、同医療センターからの声明を提供しました。そこには次のように書かれていました:
ワクチンに関する主張に関するLead Storiesのファクトチェックについては、こちらをご覧下さい。
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Arne Burkhardtに関する主張に関するLead Storiesのファクトチェックは、こちらをご覧下さい。
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