マスクが空気感染を防ぐ仕組みについて

より抜粋して、まとめてみようと思います。ご利用下さい。

【マスクが空気感染を防ぐ仕組み】

SARS-CoV-2等のウイルスは、咳や会話、くしゃみ、呼吸の際に飛び散る小さな飛沫によって空気中に伝播します。

この飛沫は、その大きさと空気中の移動の仕方によって以下の2つのグループに分類されます:
(1)大飛沫
(2)エアロゾル

(1)大飛沫

  • CDCのウェブサイトによりますと、直径が5マイクロメートル以上のものを「大飛沫」と呼んでいます。

  • その大きさと重さから、数秒から数分で地上に落下します。

  • そのため、短距離でしか感染しません。

➡適切なソーシャルディスタンスを確保しておけば大飛沫の話は忘れていいです。

(2)エアロゾル

  • 一方、直径が5マイクロメートル(100万分の1メートル)以下の小さな液滴は、数分から数時間、空中に浮遊していることがあります。

  • このような液滴は液滴核と呼ばれ、エアロゾルと呼ばれる空気中の小さな雲を形成しています。

➡以下ではこのエアロゾルに重点を置いてお話します。

マスクの孔のサイズ

  • 2021年6月に発表された研究によりますと、X線トモグラフィー分析による再使用型フェイスマスク、サージカルマスク、N95マスクの平均孔径は、各々47、33、30マイクロメートルであることが分かりました[1]。

  • これは、フェイスマスクはより小さな粒子の通過を防げないということでしょうか?そうではありません。

➡マスクの孔ってウイルスのサイズに比してかなりデカいけど、それでも有効である理由を以下で示します。

マスクの役割

  • 粒子が通過する際に速度を低下させ、布の繊維による遮断を容易にすることで、殆どの小さな呼吸器系飛沫の空気中への放出を防止します[2]。

  • 粒子が小さく、動きが遅い程、マスクを通過する際に布製の繊維に捕まる可能性が高くなります。

  • これは、空気中の小さな粒子が周囲の気体分子と衝突するためで、空気中の粒子は直線的に移動するのではなく、ランダムにジグザグに移動することになります。

➡このような挙動は、ブラウン運動または拡散と呼ばれています[3]。

アリゾナ州立大学分子科学部

Pierre Herckes教授によるブラウン運動の説明:

  • 微小な粒子は、真っ直ぐに進むだけでなく、ブラウン運動をしてランダムに飛び回っています。

  • マスクは双方向に想像以上に多くの物を捕らえます。

  • マスクは、飛沫に含まれる多くのウイルス粒子が周囲の空気に拡散するのを防止し保護します。

➡マスクは、たとえ粒子サイズが布地の細孔より小さくても、殆どの空気中の粒子をろ過することが出来ることが様々な研究によって示されています。

  • 医療用フェイスマスクは、人が呼吸、会話、咳をする際に放出する最小の呼吸器系飛沫の殆どを捕捉することが出来ます。

  • サージカルマスクとKN95マスクを用いた研究では、直径0.3~0.5マイクロメートルの呼吸器飛沫の放出率を74~90%減少させることが出来ました[4]。

  • 自家製のマスクでも、空気中のエアロゾルをろ過する効果があることが証明されています。

➡別の研究では、綿、ガーゼ、フランネル等、よく使われる異なる布を何枚か重ねて作った自家製マスクは、直径0.3マイクロメートル以下の粒子を最大80%ろ過出来ることが分かっています[5]。

Bridleの実験でメガネが曇る理由➡「結露

  • 空気中にある水蒸気が、冷たい面に触れると液体になる現象です。

  • 呼吸で排出される空気には、気体である水蒸気が含まれています

  • 気体の分子は、マスクのフィルターサイズの何倍も小さいので、マスクで防ぐことは出来ません。

  • 因みに、水の分子の直径は約0.00028マイクロメートルです。

  • 冷たいガラスの表面に触れると、水蒸気は凝縮して水滴になります。

  • これが室温になるまでガラスに残り、再び蒸発します。

➡ビデオで5層のサージカルマスクを呼吸器が通過した証拠として紹介されているものは、マスクを通過した熱風に過ぎません。マスクが正しく装着されていないと、メガネが曇るのもこの現象のせいです。

【COVID-19感染防止にフェイスマスクを使用することを支持する現在のエビデンス】

Liz Wheelerの別のビデオ

  • COVID-19やその他のインフルエンザ様呼吸器疾患の感染に関連して、顔面マスクの使用に関連する利益がないことを示した様々な研究を引用して、マスクの有効性に疑問を呈しています。

  • Wheelerが引用した資料の殆どは、COVID-19感染に関する当時存在した証拠に基づいているため、後に更新されたか、著者が重大な限界を認めたものでした。(=CommentaryとかPerspectiveと言われる類の論文でした)

  • 詳細な訳は省略しますが、知見が増えるにつれ、上記更新でマスク必須派に変わった物ばかりです。

  • その他ゴチャゴチャ難癖をつけていましたけど、的外れな話ばかりで、結局マスク不要であることを立証出来ませんでした。

  • この人の主張を真面目に訳さなかったのは、以下のような主張を見たからです。『CDCはマスクを推奨するのならばその科学的根拠としてランダム化試験やらなあかん』と書いていたからです。人体実験と言われずにそれがやれますかと。『お前馬鹿だろ?』案件だからねwww。

非営利の医療研究機関Cochraneが2020年11月に発表したレビュー[8]

  • (訳しませんが)マスク不要➡マスク必須派へ変わりました。

【結論】

  • フェイスマスクは、ウイルス粒子を運ぶ小さな空気中の粒子を、たとえその粒子がマスク生地の孔径より小さくても、ろ過することが出来るという十分な科学的根拠があります。

  • Bridleが示したメガネの曇りは、熱風がマスクを通過したためであり、呼吸器系の飛沫によるものではありません。

  • 様々な公衆衛生機関が一般市民にマスクを着用するよう推奨していることことが効果を裏付けています。

【参考文献】


2022/07/27 08:54追記➡
【参考となるPDFを見つけました。是非ご覧下さい】

https://www.hpci-office.jp/invite2/documents2/ws_cae_210312_iida.pdf


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