健康分野の専門家曰く、「朝に牛乳を飲んでも害はありません」

Facebookで100万回以上再生された、午前中の乳製品を避けるよう促す動画に反して、栄養学者らは牛乳は健康的であり、一日のどの時間帯でも飲むことが出来ると述べています。この投稿はまた、牛乳を飲むと関節炎や心臓病を引き起こす可能性があると警告していますが、健康専門家はこの主張を裏付ける十分な証拠はないと述べています。

「なんてこった、もう朝から牛乳は飲めないのか!」2024年4月11日に共有されて以来、140万回以上再生されているタガログ語のFacebookのリールにはそう書かれています。

動画には、ある男性が視聴者に向けて「朝は牛乳のような特定の食品を避けるように」と伝えている様子が映し出されています。右側では、プランテン(→調理用バナナ)の無関係なクリップが再生さ れます。

名前も知らない研究結果を引用し、牛乳は「丈夫な骨を作らない」「関節炎や心臓病を促進する」と主張しています。

そして、牛乳の代用品として大豆パウダーを勧め、関節炎対策にもなると言っています。

この動画ではまた、「パーム油の含有量が多い」ことを理由にスプレッドを食べることや、砂糖たっぷりのスーパーのジュースを飲むことを視聴者に勧めています。

2024/04/29に取得された偽のFacebookのリールのスクリーンショット

同じ動画がFacebookのリール(こちらこちらこちら)でシェアされました。

しかしながら、健康の専門家らは、スプレッドやスーパーマーケットのジュースは適量を飲むべきだという点では同意するものの、朝に牛乳を飲んでも殆どの人に悪影響は及ぼさないと太鼓判を押し、一般消費者に安心させるコメントを発表しています。

食品を 「悪者扱い」するのは有益ではない

フィリピンの登録栄養士であるMary Claire Lopez氏は、牛乳は一日中いつでも飲むことが出来ると述べています(アーカイブリンク)。

「牛乳に含まれる乳糖が胃の不快感を引き起こす可能性があるため、胃酸過多のような腸の問題がない限り、朝に牛乳を摂取しても健康に悪影響はありません」と彼女は4月29日、AFP通信に語っています。

フィリピンの登録栄養士Jana Ocampo氏も、牛乳は「体に悪いものではない」とし、カリウム、カルシウム、ビタミンD、タンパク質といった必須栄養素を含んでいると述べています(アーカイブリンク)。

「牛乳のような食品を悪者にすることは、何の役にも立ちません」と彼女は28日、AFP通信に語っています。「牛乳を完全に断ってしまう方がよほど有害です」。

フィリピンの食品栄養研究所は、20歳から39歳の成人が毎日コップ1杯の牛乳を飲むことを推奨していますアーカイブリンク)。

OcampoとLopezの両氏は、牛乳が関節炎や心臓病に繋がる可能性があるという主張に反論しています。

「牛乳摂取と関節炎との関連は、まだ研究によって確認されていません」とOcampo氏は述べています。

Lopez 氏は、生活習慣、食生活、病歴といった要因が心臓病のリスクに寄与すると述べています。

国連食糧農業機関は、牛乳を飲むことと冠状動脈性心臓病、脳卒中、高血圧といった心臓病との関連を示唆する研究は「結論が出ておりません」と述べていますアーカイブリンク)。

大豆はカルシウムが不足気味

ルソン島を拠点とする登録栄養士Riem Dante氏は、大豆は「良質な植物性タンパク源」であるが、体に吸収されにくいと述べています(アーカイブリンク)。

「また、カルシウムの含有量も牛乳には及びません」と、28日付のAFP通信に語っています。

登録栄養士のKaryne Simon氏は、大豆には抗炎症作用があるものの、「関節炎の緩和」のために牛乳を大豆パウダーに置き換えるべき「科学的根拠はない」と付け加えています(アーカイブリンク)。

一方で、栄養士らは、スプレッドやスーパーマーケットで売られているジュース(高脂肪・高糖分)は、適度に摂取するのがベストであると認めています。

「悪い食べ物はありませんが、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼします」とロペス氏は述べています。

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