動画は、小児性愛や臓器売買のために「 人身売買される準備の出来た」子供達を満載した車を映したものではありません。
ウズベキスタンで25人の児童を乗せたセダンを運転していた児童人身売買業者が捕まったという話題の動画が公開されていますか?いいえ、そんなことはありません: 地元警察と地元報道によりますと、交通取り締まりの理由は危険運転であり、誘拐や 児童奴隷化、なんらかの闇医療取引への関与が疑われたわけではないとのことです。Lead Storiesの取材に対し、この地域に精通し、適切な言語能力を持つ学識経験者は、この映像が児童売買について論じていないことを保証してくれました。
この話は、2023年12月22日にInstagram上で公開された投稿(アーカイブはこちら)に掲載されています。冒頭は次のようなものでした:
#Repost from @djbigxatl(⇦ページ削除済)
ウズベキスタンで25人の児童を運んでいた不審な運転手が拘束された。彼は結局、児童が性的目的と臓器摘出のために売られる予定だったことを認めた。ただ消えるだけではない。
私が問題にしているのは、誰も何も言わずに、どうやってこれだけの数の児童を積み込んだのかということだ。コメントを残してね。
記事執筆時のInstagramでの投稿は以下のようなものでした:
![](https://assets.st-note.com/img/1703677883830-JxVI1AXf6w.png?width=1200)
映像には、運転手が運ぼうとした乗客の数とサイズが明らかに不釣り合いな過密状態の車から、警官が児童を脱出させる様子が映っていました。何人かの児童は動揺しているように見えましたが、身体的には無傷のようでした。
この動画は、ウズベキスタン内務省交通安全局のTelegramアカウントが2023年9月16日に投稿したものです(アーカイブはこちら)。Googleによって自動翻訳された字幕には次のように書かれています:
25人の幼児を車に乗せた男性運転手の違反について、近隣の一般市民が参加して協議されました。
最初の見出しで 「男性」という表現が使われているのは、自動翻訳の不正確さのように思われます。その後の調査の結果、運転手は男性ではなく、女性であることが判明しました。
同日、同局のYouTubeチャンネル(アーカイブはこちら)に、Chromeで翻訳したタイトルで動画のロングバージョンが投稿されました:
25人の幼児を車に乗せた運転手の身元が判明。
ウズベキスタン(アーカイブはこちら)は中央アジアにある国家で、1991年のソビエト連邦解体後に独立しました。ウズベク語のほか、ロシア語、タジク語が話されます。
事件はブハラ地方で発生し、映像はウズベク語で記録されています。
中央アジア研究の学識経験を持つウズベク語を話す人物が、Lead Stories社から映像の確認を依頼されました。映像や音声には、この事件が児童人身売買に関係していることを示唆するような記述は一切なかったとのことです。彼によりますと、停車した際、女性運転手は「ちょっとの距離の移動だから」と言ったそうです。それに対し、カメラが高速道路をパンすると、警官は幹線道路であることを強調し、どうしてそんな方法で子供を運ぼうと考えるのかと女性に質問しました。
Chromeによって翻訳された地元のニュース報道(アーカイブはこちら)によりますと、運転手は私立幼稚園の先生で、児童の送り迎えの問題を解決しようとしていました:
...交通警察官と住民の参加を得て、この事件についての話し合いが開かれました。
この事件を報じた同局の広報は、幼稚園までの往復の送迎が出来なかったことを、園児達の親の責任として非難しました。
運転手が幼稚園から自宅まで大勢の子供を輸送するケースは以前にも発生しています(このトピックに関する資料を参照)。通常、この目的ではDamas社のマイクロバンが使用さ れます。
その半年ほど前、ウズベキスタンの別の地域でも同様の事件が起きていました:Damas社のマイクロバンの運転手が、25人の園児達を乗せて送迎していたのです。交通安全局のTelegramチャンネル(アーカイブはこちら)によりますと、このような違反は罰金が科せられるとのことです(Chromeによる翻訳):
📘 規則により、12歳未満の子供を特別なシートベルト無しで車両の前部座席に乗せることは禁止されています。また、輸送される乗客の人数は、車両の仕様書に記載されている人数を超えてはなりません。
📗ウズベキスタン共和国刑法第128条により、人の輸送に関する規則に違反した運転手には、基本計算額の2分の1の罰金が科せられます。
Lead Storiesは、この事件を誘拐事件や人身売買事件として言及している一次資料は見あたりませんでした。
以前、ロイター通信(アーカイブはこちら)は、ブハラ事件の映像に絡む同じ主張を論破しました。同通信はまた、その映像は「女性が園児を家まで送っている」様子を映したものであり、人身売買の様子を映したものではないと結論づけています。
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