CDCは、COVID-19ワクチン展開により118,000人の子供、若年成人が「突然死」したことを「こっそりと」公表していたわけではありません。

CDCは2022年末、COVID-19のワクチン展開以降、米国で少なくとも11万8000人の子供と若年層が「突然死」したと「こっそり」認めたのでしょうか?いいえ、それは事実ではありません:専門家がLead Storiesに語ったところによりますと、2020年3月にCOVID-19がパンデミックと宣言されて以来ずっと、CDCによって超過死亡データが公に発表されているそうです。このデータは、「突然死」を立証するものではありません。

また、FDAが2020年12月にCOVID-19ワクチンを緊急使用許可したタイミングとの関連も確立されていません。2020年3月のパンデミック開始以降、超過死亡が増加しているのは事実ですが、専門家は、ウイルスそのものは別として、コロナウイルス・デルタ変種の出現や他の医学的要因も含めて、他の原因を指摘しています。

この主張は、2022年11月30日にThe Exposéが発表した「米国においてCOVID-19ワクチンの展開以降、少なくとも11万8千人の子供と若者が『突然死』したことをCDCが密かに認めた」という見出しの記事(アーカイブはこちら)が発端となっています。この記事は、経済協力開発機構(OECD)(記事中ではOECと間違って表記されている)のデータを再掲載しています。記事の一部を紹介します:

CDCが秘かに発表した公式の数字によると、米国で食品医薬品局がCOVID-19ワクチンの緊急使用許可を初めて出して以来、50万人近くの子供や若者が死亡していることが確認された。

これは悲しいことに、2015年から2019年の平均と比較して、約118,000人の過剰な死亡をもたらした。

https://expose-news.com/2022/11/30/usa-118k-children-died-suddenly-covid-vaccine/ 

以下は、執筆時の記事の様子です:

(出典: 2022/12/12 月曜日 12:15 UTCに取得されたThe Exposéのスクリーンショット)

記事に含まれる数字は、米国の週間超過死亡数、つまりパンデミック以前のデータに基づいて予想される死亡数と発生した死亡数との差を示したものです。The Exposéの記事に含まれるデータは、本物のCDCのデータと一致しています。しかしながら、COVID-19ワクチンの緊急時使用許可(EUA)と過剰死亡の増加との間の関連性を証明するものではありません。

加えて、この記事では、「子供と若年成人」を「0-44歳」と定義していますが、若年成人とは一般に18歳から25歳までの人とされています

OECD広報担当のSpencer Wilson氏は、2022年12月14日にLead Storiesにメールで、「この数字は、各週に予想される平均値と比較して記録された追加死亡数--突然死とその他の両方の全ての原因によるもの--を示しています」と述べています。

2020年3月11日のCOVIDパンデミック宣言後、CDCは米国における毎週の推定超過死亡者数のデータを公開し始めました。最初の超過死亡の急増(下の赤い十字で示す)は、2020年3月28日で終わる利用可能なデータの最初の週のもので、FDAがPfizer-BioNTech(2020年12月11日)ワクチン及びModerna(2020年12月18日)のワクチンの最初のEUAを発表する9か月前のものです。

以下、毎週の死亡数と過去の傾向を比較して、死亡数が予想より大幅に多いかどうかを確認します。

(出典:CDC提供の2022年12月14日時点のデータ)

CDC国立保健統計センター(NCHS)の主席死亡統計学者Robert Anderson氏は2022年12月14日、Lead Storiesに対し、超過死亡データでは「突然死」かどうかは確定されないことを電子メールで明かしてくれました。

NCHSがLead Storiesに提供したデータによりますと、2021年から2022年12月14日までの間に、0歳から44歳までの死亡者数は合計50万人近くいたことが分かりました。しかしながら、これらの死亡とFDAのEUAとの関連性は「はっきり言って弱い」とAnderson氏は述べています。0歳から44歳までの総死亡者数は以下の通りです:

2018: 200,125
2019: 202,029
2020: 242,526
2021年:275,231人(暫定値)
2022年:212,078人(暫定値、かつ、部分値)

Anderson氏はLead Storiesに対し、2020年のデータは、COVID-19ワクチンが普及する前のパンデミック時代の超過死亡の基準値となる数値であると述べています。2020年の0歳から44歳までの超過死亡数は45,680人、次いで2021年は80,142人、2022年12月14日時点では43,941人となっています。(2022年の数値はデータが揃えばもっと高くなる可能性が高いです。)

「この年齢層における2021年の超過死亡の大きなこぶは、若年層により実質的な影響を与えたデルタ変種の出現と対応していることは注目に値します」とAnderson氏は記し、この上昇にはロックダウン措置の影響を受けた医療要因も関係していると付け加えています。

「この年齢層の超過死亡のかなりの割合はCOVID-19による死亡ですが、2020年以降、事故死(主に薬物の過剰摂取)、自殺、殺人、心臓病、肝臓病、糖尿病についても増加が見られます」と書いています。

Lead Storiesは、COVID-19ワクチンに関連する数十の主張を論破してきました。それらのファクトチェックはこちらからご覧頂けます。

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