【投稿意図不明】動画は中国・重慶のライト・レール・システムであり、日本の鉄道線路を示している訳ではありません。

線路の切り替えを撮影した動画が1000回以上もシェアされ、日本の鉄道技術が紹介されているというデマが拡散されてしまっています。実際は、中国南西部の重慶の鉄道インフラを映したものでした。

線路が自動的に切り替わり、様々な都市部を走る列車の22秒間のクリップは、2024年12月4日にX上でシェアされていたものです。

「日本の都市鉄道」と、投稿には書かれていました。

12月17日に取得されたデマ投稿のスクリーンショット

同様の動画まとめは、FacebookInstagramThreadsだけでなく、X上の他の場所でもシェアされていました。

しかしながら、Googleで画像を逆検索した結果、同じ動画を共有した2024年6月29日のX上の投稿に辿り着き、そこには中国南西部の四川省にある重慶の線路が写っていると書かれていました(アーカイブリンク)

Xの投稿のスクリーンショット

その後、TikTokの姉妹アプリ《Douyin》でキーワード検索を行なった結果、中国国営メディアBRTVが運営するアカウントが投稿した「重慶ライト・レール(the amazing Chongqing light rail)」と題された線路の切り替えを撮影した同様の動画が見つかりました(アーカイブリンク)。

AFP通信は、映像の背景に見える「福強飯店」と書かれた看板から、動画の9秒の地点で重慶の位置を特定することが出来ました。

更にキーワードを検索した結果、トラックは重慶市九龍坡区にある塘瑞福強ホテルの近くにあることが判明しました(アーカイブリンク)。

ホテルの外観とオレンジ色の建物は、旅行サイトTripに投稿された写真(アーカイブリンク)で見ることが出来ます。

以下は、偽の投稿の動画(左)とTripに掲載されたホテルの写真(右)とをスクリーンショットで比較したもので、対応する要素にはAFPによるマークが付けられています:

デマ投稿の動画(左)とTripに掲載されたホテルの写真(右)とのスクリーンショット比較。
対応要素に対する印付けはAFP通信による。

AFP通信はまた、映像の19秒のところに見える波状の屋根を持つ建物を、重慶の江北国際空港に近いBijin駅だと特定しました(アーカイブリンク)。

映像中の線路の配置は、Google Earthアーカイブリンク)で見ることが可能な空港付近の線路に対応しています。

以下は、デマ投稿の映像(左)、Google Earthで見た列車の線路(中央)、Baidu Mapsのストリートビューで見た空港の建物(右)のスクリーンショット比較で、対応する要素にはAFP通信により印を付けています:

デマ投稿の動画(左)、Google Earthで見た線路(中央)、
Baidu Mapsのストリートビューで見た空港ビル(右)のスクリーンショット比較。

他の動画のクリップでは、重慶で使用されているものに対応する塗装や広告などの特徴が示されており、旅行サイト業界レポート、市内のライト・レール網に関する動画で見ることが出来ます(アーカイブリンクはこちらこちらこちら)。

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