【あたおかの難癖に対する判断の誤解】ビル・ゲイツ氏がオランダで起訴(=刑事告訴)された事実はありません。

COVID-19ワクチンに関するビル・ゲイツ氏に対する民事請求を審理する管轄権を有するというオランダの裁判所の判決が、SNS上でゲイツ氏がオランダで「起訴(=刑事告訴)」されたと誤報されています。

一部のSNS上の投稿では、ブログサイトに掲載された文書にある10月16日のオランダ裁判所の判決を指していますが、いずれもゲイツ氏に対する刑事告発や起訴には触れていません

あるFacebook上の投稿では次のように書かれていました:「ビル・ゲイツはCOVID-19ワクチンについて国民を欺いたとしてオランダで起訴され、裁判を受けるよう命じられた」

画像提供:ロイター通信

この話は、10月23日にジョージア州で開催されたドナルド・トランプ氏の集会でのロバート・F・ケネディ・ジュニアの発言に由来するもので、彼はゲイツ氏が「COVID-19ワクチンについて国民に嘘をついたとしてオランダで起訴された」と述べていました。

しかしながら、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の広報担当者は、ゲイツ氏はオランダでは起訴されていません、と電子メールで回答しています。

投稿にリンクされている英文の裁判管轄決定文書の事件概要によりますと、この話は7人のオランダ人原告が起こした民事裁判のことであり、彼らはゲイツ氏らが個人として、或いは集団として、COVID-19ワクチンの安全性と有効性について故意に誤解を与えたと主張しています。

ゲイツ氏の弁護士は、ゲイツ氏がオランダに居住していないことを理由に、オランダの裁判所の管轄権を争っていました。原告側は、管轄権の主張は棄却されるべきであると主張していました。

裁判管轄権に関する正式な決定はオランダ語の裁判所のウェブサイトに掲載されており、それによりますと、裁判所はX(というアメリカ発のSNSのこと)を 「アメリカ人の共同被告 」(と見做し、それ)に対して国際裁判管轄権を有すると判断したとのことです。

オンラインで共有されている英語の文書の内容は、ゲイツ氏の名前を挙げており、裁判所のウェブサイトの決定と一致しています。

北オランダ裁判所の広報担当者のロイターに対する電子メール回答の内容によりますと、判決はゲイツ氏に関するものだということです。

同裁判所は被告の1人を管轄しており、ゲイツ氏が参加しているグループによる不法行為の疑いがあるため、同裁判所はゲイツ氏も管轄していると、オランダの民事訴訟法を引用して判決を述べました。

裁判所はゲイツ氏側の訴えを棄却し、関連する訴訟費用の支払いを命じ、主訴は今後前進する可能性があると付け加えています。

ロバート・F・ケネディJr.の広報官はコメントの要請に応じておりません。

【評定:誤りです】

  • ビル・ゲイツ氏はオランダで起訴されていません。

  • SNS上の投稿は、ゲイツ氏に対する民事請求を審理する管轄権を有するとしたオランダの裁判所の判決に言及しているものです。

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