保守派が反移民陰謀論を推し進める中、偽のアトランティック誌の見出しが拡散されています。
基記事はこちら。
ドナルド・トランプと共和党支持者が、オハイオ州の小さな町で移民が他の住民のペットを盗み食いしているというデマを拡散し、反移民のレトリックを増幅させている中、SNSユーザーは、アトランティック誌が見出しでそのような行為を称賛していると主張しています。しかしながら、頻繁に偽情報の標的となる同誌は、そのような記事を掲載しておらず、広報担当者はAFP通信に対し、ネット上で広まっているスクリーンショットは偽物だと語っています。
「移民が猫を食べるのは良いことかもしれない」と、2024年9月14日にXでシェアされたThe Atlanticの見出しのようなものが掲載されています。
この記事の副題には、「編集部」とクレジットされており、次のように書かれています: 「保守派はハイチ伝統料理の文化的重要性を理解していない」
このスクリーンショットとされる写真はXで拡散され、ユーザー達はこの雑誌が人様のペットを食べることを 「正当化」しようとしていると非難しました。
「私が言わなかっただろうか?数日前、スプリングフィールドで我々のペットを食べることを正当化すると言わなかったか?左翼が私に激怒した」と2024年9月15日の投稿に書かれています。「さて、我々はここにいる。これが現実なのだ。これはアメリカでは決して普通のことではなく、受け入れられることでもない。私の犬に近づけば、私が守る。不法入国者は全員強制送還しろ」
この投稿は、共和党がオハイオ州スプリングフィールドのハイチ系移民が人々の犬や 猫その他のペットを食べているというような陰謀論を喧伝している最中に行なわれたもので、地元当局者は根拠がないと繰り返し述べています。トランプは、自身のプラットフォームTruth Socialで、またカマラ・ハリス氏との2024年9月10日の討論会でも、この主張を強調しています。
「スプリングフィールドでは、彼らは犬を食べている。彼らは猫を食べている」と、彼はABCの討論会で述べています。「彼らはそこに住む人々のペットを食べている。これが私達の国で起こっていることなのです」
AFP通信の調査によりますと、このでたらめな噂は、関連性のない犯罪報告書、脈絡のない画像、根拠のない主張が混在しているとのことです。しかしながら、これらの噂はこの地域のハイチ人の心に傷を負わせ、そのうちの何人かは命の危険を感じている、とAFPに対して語っています。何十件もの爆破予告が町を標的にしており、複数の学校が避難を余儀なくされているということです。
一方、The Atlantic紙は、移民のペット食を 「良いこと 」と断定する見出しは掲載していません。
「これは偽物です」と、同誌のコミュニケーション担当上級副社長、Anna Bross氏は9月17日付の電子メールで述べています。「実際のアトランティックの記事のスクリーンショットではありません。私達はそのようなものを発表していません」
Bross 氏はAFP通信に対し、同誌はこの画像を偽物であり、商標侵害であると報告していると語っています。彼女は、見出しが本物かどうかを確認したいSNSユーザーは、いつでもウェブサイトを参照することが出来ます、と付け加えました。
「何かが本物かどうかを確認するのは、アトランティック誌にアクセスしてサイトを検索すれば、驚くほど簡単です」
ウェブサイトを検索しても、でっち上げられた見出しと一致する結果は見当たりませんでした(アーカイブはこちら)。また、Googleの詳細検索(アーカイブはこちら)でもヒットしませんでした。