カイエン・ペッパーは最も強力な血液サラサラ剤ではありません。
カイエン・ペッパーは「最強の血液サラサラ剤」なのですか?いいえ、そんなことはありません: 心臓専門医がLead Storiesに語ったところによりますと、カイエン・ペッパーは最強の血液サラサラ剤ではなく、科学者達がテストし、大勢の人々に効果があることが実証された薬よりも効果的であるという証拠もないとのことです。
この主張は、2023年8月7日、Facebook上の動画(アーカイブはこちら)で登場しました。冒頭、男性のナレーターが一連の映像の中で語りかけます:
カイエン・ペッパーを使い始めましょう。カイエン・ペッパーは人類が知っている中で最も癒しをもたらす刺激物です。
記事執筆時のフェイスブックでの投稿は以下のようなものでした:
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動画はまた、カイエン・ペッパーがあらゆる出血を封じることが出来ると主張しています。その主張を立証する証拠は何も提示されていません。この動画をFacebookに投稿した人物は、プロフィールの「概要」欄によりますと、医師免許は持っていません。
2023年8月16日の電話で、ミシガン大学医療システムの心臓専門医で血管医学の専門家であるGeoffrey Barnes医師は、この主張を論破しました。それを裏付ける証拠はないということです:
カイエン・ペッパーは最も強力な血液サラサラ薬ではありません。カイエン・ペッパーではそのようなテストはされておりません。カイエン・ペッパーが我々のテストした薬と同じくらい効くという証拠はありません。
テストされ、効果が証明された血液をサラサラにする薬の例としては、アピキサバン、ダビガトラン、エドキサバン、リバーロキサバンがあります、とBarnes氏は述べています。
Barnes氏は、カイエン・ペッパーが血液をサラサラにし、出血を止めることが出来るという主張は矛盾していると付け加えました:
医学の世界では、血液をサラサラにする薬のことを抗凝固薬と呼びます。カイエン・ペッパーが出血を止めると同時に血液をサラサラにするという主張は矛盾しています。出血を止めさせる作用があるのなら、血液をサラサラにする作用とは相反します。互いに矛盾しています。これらの主張は意味を成しません。
ニューヨークのマウントサイナイ病院によりますと、カイエン・ペッパーを摂取する利点は、減量、鎮痛、乾癬による痒みの軽減等ですが、血液をサラサラにするわけではないとのことです。マウントサイナイ病院は、トウガラシを辛くする成分カプサイシンが、クマジンやプラビックス等の血液をサラサラにする薬や、ショウガやニンニク等のハーブに伴う出血のリスクを高める可能性があると指摘しています。
カイエンペッパーに関するLead Storiesのファクトチェックは、こちらでもご覧頂けます。