トランプ氏集会での狙撃犯を誤認させる投稿がなされています。
【主張】
ドナルド・トランプ氏暗殺未遂事件の犯人は、Thomas Matthew Crooksではなかった。
【評定:デマ】
CrooksはFBIによって犯人と特定されました。
【レビュー】
AAP FACTCHECK ➡ ドナルド・トランプ氏暗殺未遂事件を巡る誤った情報がSNS上で広く拡散し、犯人の身元に関する主張が多く飛び交っています。
FBIが関係者は20歳のThomas Matthew Crooksであると公表する前から、ネット上では誤った非難や混乱が出回り始めました。
前米大統領は週末にペンシルベニア州で開かれた集会で演説中に右耳を負傷し、観客1人が死亡しました。
数多くのSNSユーザーが、犯人がCrooksであることを否定しています。
「ペンシルベニア州での集会での狙撃犯の実際の身元はMaxwell Yearickのようだ」と、あるFacebookの投稿は述べています。
「Thomas Matthew Crooksは銃撃犯ではなく、2016年にピッツバーグでの反トランプ抗議デモに参加して逮捕されたANTIFAに所属する男であることが報告されています......彼の名前はMaxwell Yearickです」と別のユーザーは主張しています。
いくつかの投稿には、茶色の長髪で耳にピアスをした男、Maxwell Yearickの写真が掲載されていますが、この男は2016年、ピッツバーグでトランプ大統領の訪問に抗議していた際に警察と口論になり逮捕され、暴行の罪を認めて3カ月から12カ月の刑を言い渡されました。
しかしながら、Yearickは暗殺未遂事件とは無関係であり、彼の写真は逮捕当時の報道から辿ることが可能です。
他のユーザーは、青いTシャツを着て長いブロンドの髪をした人物の写真と動画を共有し、これらが狙撃犯を描いたものだと主張しました。
動画の中で、その人物は次のように語っています:「私の名前はThomas Matthew Crooksだそうな。共和党が嫌いだ。トランプが嫌いだ。何が起こったと思う?人違いだよ」
この主張の発信元はXのユーザー@jewgazingで、彼は明らかに荒らそうとして投稿したものでした。
写真は次のようなキャプション付きでシェアされました: 「速報:トランプの狙撃犯が特定された」
その後、このユーザーは冗談だと言い、アカウントの設定を非公開に変更したものの、多くの人が本物の犯人だと言って画像をシェアし続けました。
別の人違いものとしては、バトラー市警が犯人は反ファシスト(antifa)活動家のMark Violetsであると発表したとユーザーが主張しました。
多くの人が、黒っぽい服を着てサングラスをかけた男の写真を掲載しました。
実はこの写真はMarco Violi氏というイタリア人で、真夜中にSNSの通知で起こされた、と語っています。
Instagramの投稿で、Violi氏は関与を強く否定しています: 「私は、このフェイクニュースを作り出したXのアカウントと、フェイクニュースを広めた全てのニュースヘッドラインに対して告訴状を提出するつもりだ」とイタリア語で書いています。
「2006年以来ジャーナリストである私は、怪物と思われる人物を一面に載せる前に、全ての情報源を確認する必要があることをよく知っています」
この主張は、イタリアのXユーザーから発信され、その後、以前にも虚偽の主張をシェアしたことのあるアカウント@WallStreetSilvによって繰り返された模様です。
バトラー市警のBob O'Neill署長は、ファクトチェックサイトLead Storiesに対し、犯人の身元について同署は一切明言していないとコメントしました。
「この事件はバトラー市で発生したものではありません。我々の管轄地域を取り囲む町で起きた事件です」、と彼は述べ、「シークレットサービスは全ての報道関連資料を公表しています」と付け加えました。
SNSの別の場所では、トランプ氏の集会の狙撃犯はカリフォルニア在住の32歳、Hank Peckerであると主張されていました。
投稿には、ライフルを構えた男の画像が含まれていました。
逆画像検索によると、この写真はTwitchストリーマーのHasan Piker氏によって2022年2月にInstagram上にアップロードされたものであることが判明しました。
Dote Sportsによりますと、Hank Peckerとは、Mr.Hasanがビデオゲームのライブストリーミング中に演じたキャラクターの名前だそうです。
【評定:誤り】
この主張は不正確です。