『イベルメクチンがー』さんに知っておいて欲しい事例

COVID-19にイベルメクチンが効くとして個人輸入を勧められる方も出ている昨今ですが、素人判断で使える薬じゃないことを示したいと思います。

【イべルメクチンの自己投与を始めたがために肝臓障害の症例が見られるようなった事例】

スイス : イベルメクチンによる急性肝障害
・2006年、スイスに住むカメルーン出身の20歳の女性が、イベルメクチンの単回投与により重篤な肝炎を発症した。
・彼女には肝臓疾患やウイルス性肝炎の既往歴はなく、飲酒もしておらず、他の薬や市販品、ハーブ類も服用してない。しかし、イベルメクチン15mgを単回投与してから1ヵ月後、彼女は腹痛を訴えた。
・肝生検を行ったところ、「急性肝細胞壊死、アポトーシス小体、リンパ球性小葉浸潤」が認められた。
・肝機能検査では、黄疸はなかったものの、血清アミノトランスフェラーゼが著明に上昇していた。
・運よく、彼女は3ヶ月以内に回復し肝機能も正常になった。
・彼女が受けた急性肝障害は、スイスで定期的なモニタリングを受けていたからこそ発見出来た。
・同様の定期的なモニタリングがなければ、イベルメクチンによるこのような肝障害は、単なる「腹痛」としてしか認識されなかった可能性が高い。

ブラジル : 肝臓移植+イベルメクチンによる肝臓障害
・イベルメクチンは、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領が大々的に宣伝したことで、ブラジルで多用されるようになった。
・しかし、ブラジルの専門家達は、ブラジルにおけるCOVID-19の治療や予防にイベルメクチンを使用することによる被害について発言している。
・2021年2月、サンパウロ肺組織学会(SPPT)の会長でもある肺病学者のフレデリコ・フェルナンデス氏は、イベルメクチン18mgを1週間毎日自己投与した結果、肝臓移植が必要になった若い患者のことを紹介した。

https://twitter.com/FredLAFernandes/status/1358174633187549191?s=20

・ブラジル肝臓学会の会長を務める肝臓学者のパウロ・ビッテンコート氏は、ブラジルにおける急性肝炎や劇症肝炎の27%は薬の影響で発生しており、イベルメクチンの無差別使用が原因である可能性が高いと述べている。
・イベルメクチン、クロロキン、アジスロマイシンを服用すると、急性肝炎になる可能性があると警告している。比較的まれなケースであっても、何百万人もの人が大規模に使用すれば、多くの肝炎患者が出ることになる。
・ビッテンコート自身、COVID-19を予防するためにイベルメクチンを15日ごとに使用した患者のことを語っている。イベルメクチンの使用を2週間に1回に制限しても、彼の患者は吐き気を催した。
・ブラジル北東部にあるバイア連邦大学の消化器肝臓学部長で、薬剤性肝障害の専門家であるレイムンド・パラナ氏は、ある患者が「イベルメクチン、ニトゾキサニド、ヒドロキシクロロキン」を服用した後、「肝酵素の値が高く、目が黄色くなり、尿が黒くなるという明らかな肝毒性の症状」で来院したことを紹介している。

南アフリカ : イベルメクチンを服用している人の90%が肝障害!
・南アフリカの代表的な肺専門医であるEmmanuel Taban博士は、最近、彼の病院に入院したCOVID-19患者の3人中2人がイベルメクチンを服用していたと書いている。
・自己判断でイベルメクチンを服用していたにも関わらず、症状が悪化して入院しなければならなくなった。
・更に心配だったのは、「この薬を使用した患者の90%が肝障害を呈していた」ということだ。
・具体的には、肝障害の兆候である「肝機能検査値の異常」が見られたそうだ。
・また、患者が入院して治療を受ける前に使用していたイベルメクチンの種類の例も紹介された。

BBCの日本語記事も参考に載せておきます。


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