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量子共産主義と人生二段階革命論
この夏、外山恒一氏が主宰する革命塾に招かれて、量子共産主義と人生二段階革命論の話をしました。その時の模様を記録した動画と、当日、配ったレジュメをここに貼っておきますので、興味のある方は、ご覧ください。
○量子共産主義の動画
●量子共産主義のレジュメ
科学とはなんぞや 量子共産主義の課題と任務
○マルクス以来、共産主義者は「科学的」であろうとしてきた。
・『空想から科学へ』(エンゲルス)
・科学的社会主義(日本共産党)
マルクス主義者の「科学的」な姿勢は多くの若者の心をとらえた。知的かつクールでカッコよく見えたのだ。
○科学を「真理」としたのは左翼だけではなかった。
「明治以来、今日にいたるまで、「新しい科学の発見と技術の改良は、生産の増大と経済の成長、それにともなう人間生活の改善をもたらし、社会の発展と文明の進歩を牽引する」という命題は、階級的立場を問わず思想信条を問わず、疑われることはなかったのである。」(山本義隆)
○ところが、ソ連崩壊後、社会批判から科学は消え、政敵は「バカか悪魔」という非科学的な言説がまかり通るようになった。
○量子力学を用いて革命を考える量子共産主義は、この馬鹿げた状況を正すものとして登場した。
○一般に量子力学は「常識が通用しない」「一般の感覚からかけ離れている」などと言われるが、革命運動とは親和性が高い。
・量子共産主義は「人民は粒であり波である。デモ隊は行列であり波である」と全てを波として把握するが、昔からデモやストは「一波、二波」とカウントしていた。
・量子力学の特徴の一つに非局所性があるが、世界同時革命は非局所性の理論である。
・量子力学では因果律が破れるが、運動の世界でも、つねに結果が先にあり、原因はいつも後付け。
・量子は確定的ではなく確率的に存在するが、公安やスパイも確率的に存在する。
・量子の世界に時間はない。「共産主義に終電はない」(旭凡太郎)
・シンクロニシティ(意味のある偶然の一致)がよく起きる。
○同時期に生まれた相対性理論が科学的な科学であるのに対し、量子力学は科学っぽくない科学である。学界の主流派(コペンハーゲン学派)の発言には科学者のものとは思えないものが多い。
「電子の実体が何であるかを議論するのは物理学的に無意味であり、理論では観測結果だけを扱うべきだ」(ハイゼンベルク)
「人間の知的能力には限界があり、物理現象の本質を直感的に見抜くことはできない」(ボーア)
「黙って計算しろ。意味など考えるな」「不思議なものは不思議なものとして受け入れろ」「古代インド哲学を学べ」「全ての答えは般若心経にある」
○これに対して非主流派は、
「神はサイコロを振らない」「隠れた変数があるはずだ」(アインシュタイン)
「不思議なものなどない」「科学が全てを明らかにする」
と、科学者らしい姿勢を堅持している。しかし、そこから生まれた理論は、多世界解釈(マルチバース理論)、シミュレーション仮説など、「SF作家を目指したほうがいいんじゃないの?」と思えるものばかり。
量子力学の現状は「スピリチュアルvs.トンデモ」の様相を呈している。
○21世紀の最先端科学に遺伝子操作を中心とする「合成生物学」がある。デザイナーベイビーなどは序の口で、臓器移植用に人間と同じDNAをもつ豚を作ったり、人とトカゲを掛け合わせて爬虫類人を作ったりする、生命倫理の一線を超えた科学である。
○合成生物学を推進しているのは国家(軍部)、資本(医療・製薬)、アカデミズム、ビル・ゲイツ。これに対抗する革命運動、反体制運動は、当然、反科学、反医学、反知性主義を軸としたものになる。
・反グローバリズム、反パンデミック条約の世界的な盛り上がり
・宗教右派の台頭
・「奇跡のリンゴ」の世界的なヒット
○「科学」っぽくない量子力学、生命倫理的に問題のある合成生物学という二つの「科学」を前にして、「科学的である」とはどういうことなのかが問われている。
○このような状況の中、山本義隆先生の科学史研究が決定的な意味を持つ。
以上
○人生二段階革命論の動画
●人生二段階革命論のレジュメ
超高齢社会を救う 人生二段階革命論
○「超高齢社会」となる2025年を前に
人口の年齢別比率が劇的に変化して「超高齢社会」が到来する2025年を前に行われた東京都知事選では、全候補者が「若者問題」を取り上げた。
若者問題が焦点化したのは、高齢問題と若者問題がコインの表裏の関係にあるからである。増大する高齢層をどうするかという問題と、高齢社会の重圧、社会負担の増大から若者をどう解放するかという問題はセットで考えなければならない。
人生二段階革命論は「増大する高齢層をどうするか」と「若者をどう解放するか」の2つの問題を同時に解決するものとして発案された。
○世代間負担から同世代負担へ
現在の年金制度は、現役世代が高齢者を支える世代間負担を基本としている。しかし、超高齢社会では、世代間負担は現役世代に多大な負担を押し付けるもので、世代間に埋めがたい不公平をもたらす。
世代間の不平等をなくすには同世代負担へと移行するしかない。つまり、高齢者が高齢者を支える形にするのである。
○人生二段階、一国二制度
高齢者が高齢者を支える同世代負担は、高齢者が私有財産を放棄し、同世代間の共用資産として平等に分配する、つまり、資本主義的生活から社会主義的生活に移行することで実現する。人生二段階の意はここにある。64歳までは資本主義、65歳からは社会主義という人生二段階、一国二制度こそが、若者の負担をなくし、社会を持続可能なものとする唯一の道である。
○革命政党募集
人生二段階革命を政策として実現してくれる革命政党、革命家を募集しています。
「人生二段階革命をやりたい!」という革命政党、革命家はご応募ください。
※「人生二段階革命論」は、2024年7月18日に行われたトーキングボックスでのイベント中、年金制度をめぐる議論の中から生まれた革命理論です。
以上
追記
このほか、「マルクスの階級闘争史観を超えた」といわれる分派人類学、保守系活動家のための共産主義理論「サムライ・コミュニズム」、東アジア反日武装戦線の爆弾闘争を理解するためのコンバイン理論、配役理論など、さまざまな思想、理論をご用意しております。話を聞きたいという方は、外山恒一さんにリクエストしてください。
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