【佐賀唐津の菊農家】農家嫁がビジネスの世界に飛び込んだ理由_女性社長コラム#9
女性社長.net編集部です。
女性社長コラムでは、女性社長.net会員様に執筆していただいたコラムをお届けしていきます。
第9弾となる「女性社長コラム」は、千喜田花卉園/千紫万紅の千喜田 樹理さん。結婚、出産、そして地方暮らし。目まぐるしく変化するライフステージの中で、自分のやりたいことを諦めてしまう人も少なくないのではないでしょうか。しかし、千喜田さんは、変化をきっかけにビジネスの世界へ飛び込み、新たな道を切り開きました。農家の嫁から花職人へ。千喜田さんの挑戦は、同じように悩み、葛藤を抱える方の心に響き、希望を与えてくれるのではないでしょうか。
それでは、どうぞ !
はじめまして、千喜田樹理と申します。
佐賀県唐津市で3人の子供を育てながら、主人の菊農家で働いています。2024年4月には、染め菊の生産販売部門「千紫万紅」という屋号で個人事業を立ち上げました。農家嫁としての経験を活かし、ビジネスの世界に飛び込むことになった背景についてお話しします。
花農家という未知の世界で味わった
孤独と悔しさ
私は7年前に主人と結婚し、それからというもの花農家の嫁として佐賀県唐津市で暮らしています。結婚と同時に農家の生活が始まるという図式に最初は戸惑いもありましたが、軽い気持ちでこの道を選びました。
しかし、現実は想像以上に厳しいものでした。
最初に直面したのは、知り合いが全くいないことでした。福岡市から唐津市へ引っ越し、同年代の友人もおらず、周囲にも話す相手が限られていました。営業職をしていた私にとってそれは強い孤独感でした。
さらに、農家の仕事は私にとって全く未知の世界。日々新しいことの連続で、わからないことの連続でした。朝から晩までフルタイムで働きながらも、「旦那さんの仕事を手伝って偉いね」という言葉を何度も聞きました。同じ時間を費やしているのに、自分の働きが十分に認められない悔しさがありました。
私らしく生きていきたい!染め菊との出会い
農家の嫁としての日々を送っていた中、私は染め菊という花と出会いました。主人が白い菊を色鮮やかに染める姿を見て、「これはすごい!」と感動。その美しさに魅了され、多くの人に知ってもらいたいと強く思いました。
主人と話し合いを重ねた結果、3年前に農園の新しい事業(6次化産業)として染め菊の栽培販売を始めました。農家の枠にとらわれない新たなビジネス展開を考え、今年4月には「千紫万紅」という名でこの事業を個人事業主として独立。初めはわからないことだらけの新規事業展開でしたが、多くの人に支えられながら一歩ずつ前進しています。
伝統を否定せず新たな可能性を広げたい
菊は伝統的に仏花として重要な存在ですが、その背景には花の持ちの良さやさまざまな理由があります。
これは菊が築き上げてきた誇るべき伝統であり、歴史の一部であると私は考えています。この事業を通して仏花だけでなくお祝い事・日常など人生に寄り添いそばにいる花にしたいと考えています。
私を支えてくれる家族の存在
今の私がここにいるのは、主人が私の個性を尊重し、仕事のパートナーとして認めてくれるからです。そして家族全員が私の挑戦を応援してくれています。
私の事業を通して、子供たちに好きなことを頑張る事、自分らしく生きていくことの大切さを伝えていきたいです。
また、同じように農家のお嫁さんとして生活する女性たちにも、私の経験を共有し、「こんなことやってる人がいるんだ!じゃぁ自分にもなにかできるかな?」と少しでも思ってもらえたら嬉しいです。
最後に:自分を元気にする言葉
編集部:千喜田さんより、ご自身を元気にする言葉をいただきましたので紹介します。
突破 するっきゃないっショ
千喜田さん:私が好きな作品の一つ「弱虫ペダル」にでてくるキャラクター巻島裕介が主人公で後輩の小野田坂道に言ったセリフです。何か障害が立ちはだかったとき、それが自分にとって不利なことだったとしても諦めず前に進む、しかも「あえて」自分の得意分野で勝負していく。
何故なら、それが一番自信をもって前に進んでいけることを教えてくれた言葉です。
女性社長.netよりひとこと
千喜田さん、この度はお忙しい中、コラム執筆をありがとうございました。
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