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ニューヨーク・ブロードウェイとTシャツとわたし/高橋 龍

最終回 ブロードウェイミュージカルのモチーフ、注目度急上昇中!

 みなさんにとって秋は「何の秋」でしょうか? 食欲、読書……などいろいろありますが、最終回となる今回は、ブロードウェイミュージカルのTシャツを紹介したいと思います。

 ミュージカルTシャツは、劇場や、その周辺で販売されているスーベニアTシャツの一種ですが、「なぜ、いきなりブロードウェイ?」と、疑問に思う方もいるかもしれません。実は最近、このジャンルのTシャツに一気に注目が集まり始めているからです。ブロードウェイミュージカルと聞いて、大多数が一番に挙げるのが「オペラ座の怪人」ではないでしょうか。オペラ座の地下に住む怪人と歌姫の悲恋を描いたこのミュージカルは、上演が開始した1988年に、演劇界のアカデミー賞であるトニー賞を7部門で受賞する快挙を成し遂げました。未だに上演され続けている超ロングラン・ミュージカルです。さて、このオペラ座の怪人のTシャツを着て街をさっそうと歩いていたのが、カニエ・ウェスト。それを見たファッション好きや古着屋オーナーは、早速オペラ座の怪人のTシャツを掘り起こし始めています。手に入れるなら今かも?

 トニー賞を受賞したミュージカルで、日本人にも人気の高い演目が「レ・ミゼラブル」。2012年に公開された映画版は、日本で上映されたミュージカル映画としては歴代1位の興行収入を記録しました。フランス革命下の市民たちの苦悩、そして親子や恋人との愛や絆を描いた同作品。有名なイメージイラストは、主人公のジャン・ヴァルジャンが実の娘同然に育てたコゼットの、まだ彼に出会う前の貧しい幼少期を描いた「リトル・コゼット」です。これをモチーフにTシャツをつくったのが、おなじみSupreme。2015春夏にコラボして、即日完売しています。Tシャツはカジュアルなファッションアイテムですが、プリントされているイラストや写真がアートを感じさせるものだと、ぐっと品格が増して見えますね!

 さて、ブロードウェイがあるのはご存知ニューヨーク市。ニューヨーク市のスーベニアTシャツは以前取り上げましたが、ニューヨークの象徴的なモチーフがプリントされたTシャツを披露しそこなったので、この場を借りてご紹介します。そのモチーフとは「リンゴ」!ニューヨーク市の愛称が「Big apple」なのです。なぜ、そう言われるようになったかは諸説あるそうです……。そういえば、リンゴも秋が旬の果物だ!なんたる、偶然!

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秋でもお気に入りのTシャツをオシャレに重ね着しているオレの彼女、美術館に飾られたどんな絵画の中の女性より、尊い……!

[ニューヨーク・ブロードウェイ]Tシャツコレクション

一度は見ておきたい、2大ブロードウェイミュージカルのTシャツをご紹介!心揺さぶるストーリーを、まずはまとってみる?

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The Phantom of the Opera オペラ座の怪人
パリにあるオペラ座の地下に棲すみ、劇場の人々に恐怖を与え続ける醜い怪人の悲恋を描いた「オペラ座の怪人」。「キャッツ」などを手掛けた作曲家のアンドリュー・ロイド=ウェバーと、「ウエスト・サイド・ストーリー」などを監督した演出家のハロルド・プリンスがタッグを組んでミュージカル化。

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Les Miserables レ・ミゼラブル
フランス革命間際の混沌としたパリを舞台に、主人公の元囚人、ジャン・ヴァルジャンの苦悩や少女コゼットへの愛を描いた作品「レ・ミゼラブル」。政府軍に立ち向かう学生が勇ましく歌う「民衆の歌」や、コゼットの母・フォンテーヌが娼婦として生きる虚しさを歌った「夢やぶれて」など、劇中歌も魅力的。

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NY Souvenirs ニューヨーク・スーベニア
ニューヨークには、自由の女神やタイムズスクエアなどの名所が多く、それらがさまざまなデザインでプリントされたTシャツは、お土産の定番。ニューヨークの愛称である「Big apple」をモチーフにしたTシャツも人気。

ヴィンテージTシャツの豆知識 vol.10

秋冬のTシャツの着こなし方
秋にTシャツを着るときは、上から何か羽織る人も多いのではないだろうか? しかし高橋さんがおすすめするのが、Tシャツがメインに見えるように、Tシャツの下に長袖を重ねる着方。特に、スケーターに人気のTシャツ・オン・パーカー(イラストの男の子も実はこのコーディネイト)は、この秋イチ押しの着こなしなのだそう。

解説_高橋 龍
たかはし・りゅう/映画、音楽、アートのヴィンテージTと90sカルチャーを感じさせる古着を専門に扱う「anytee」のオーナー。
instagram : anyteeshop

イラスト_Mizmaru Kawahara

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※本記事は、『ヘアモード』2019年12月号で掲載した記事を転載しました