ヘアモード誌上コンテスト【11月号_審査結果】テーマ/ショートレイヤ―
若手ヘアデザイナーの育成とスキルアップを目指し、厳しい視点での評価を行なっている「ヘアモード誌上コンテスト」。時代性、テーマ性、デザイン構成、モデルへの似合わせなど、投稿フォト作品をヘアモード編集部がさまざまな視点から厳正に審査する。
自分の基礎力を見つめ直したい、 力を試したいという方、ぜひ挑戦を!
【今月の課題】ショートレイヤー(ヘアモード2020年11月号)
【総評】全体的に相違工夫が見られたが、テーマをしっかり意識した作品が上位に!
依然、モデル確保が難しい状況下にも関わらず、バリエーション豊かなカットスタイルが揃いました。ご応募をいただき、ありがとうございました。
ショートレイヤーというテーマにおいては、軽さと動きをつくり出すレイヤーの特徴を生かすことが重要です。上位の作品についてはトップからレイヤーを入れており、カットでつくった動きに合わせてナチュラルなスタイリングができていました。またヘアカラーを用いるなど、デザインに試行錯誤が見られた点は良かったと思います。それに対して、下位の作品は、編集部が求めているヘアスタイルを出題文から十分に想像できていないように感じました。ショートレイヤーがテーマであるということは、丸ではなく、縦長のフォルムが求められていると意識するべきです。たとえ切り口がレイヤーだとしても、どのような意図で入れたのかが伝わらなければ、意味がありません。
レイヤースタイルにしたいお客さまが増えつつあります。いつものカットスタイルに、レイヤーを組み合わせるところから始めてみるのも良いと思います。
ヘアモード編集部 小林真紀、有本 彩、山田 翼
<佳作1位>
★★ 坂本朋広 VISAGE(千葉県市川市)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴16年)
とても目を引くデザインで、どの角度から見ても美しい作品です。ヘアスタイルとモデルの骨格とのマッチング、レイヤーの軽やかな毛流れ、ヘアカラーのデザイン、すべてが良かったです。(小林)
今回の応募作の中で、1番始めに目を引きました。トップのレイヤー感と、毛流れのスタイリング、ヘアカラーとやや白みがかったメイクなど、すべてがきれいにマッチしていました。(山田)
根元を濃いブルーで締めたアイスブルーのヘアカラー、長短を付けたレイヤー、バックへの毛流れ……すべての要素がマッチし、クールなモデルの魅力を引き立てています。素晴らしい!(有本)
<佳作2位>
藤牧 衛 VISAGE(東京都中央区)
中部美容専門学校卒(美容歴6年)
長さのあるレイヤーカットで、そのゆとりが女性らしさを感じさせます。ただ、動きや質感が少しかたく見えます。フィニッシュワーク次第で、もっとステキになったヘアデザインだったと思います。(小林)
潔いレイヤーカットで、軽さのある仕上がりが素敵。ともすると古い印象になりがちなところを、フォルムコントロールで今っぽくしてあるのが良いですね。髪の質感はあまりきれいに見えませんでした。(山田)
オーバーに長さを残した、女性らしさのあるオシャレなウルフスタイルですね。顔周りも遊び心があってステキですが、ヘビーサイドの前髪のデザインに少し無理があるように見えました。(有本)
<佳作3位>
石井秀明 資生堂美容室(神奈川県横浜市)
横浜商業高等学校別科卒(美容歴16年)
縦長シルエットを意識しつつ、バングや耳周りのつくり方に女性らしさがある、かわいいレイヤースタイルです。ただ、バングやトップの重い感じが気になりました。もう少し抜け感があると良かった。(小林)
全体的に、毛先のディテールにこだわった作品で、安心して見ていられます。フォルムバランスもすごく良いのですが、やや「ショートレイヤー」っぽさは控えめでしょうか。でも、かわいいです。(山田)
レイヤーの上から緩やかなウエーブがついているので、よりやわらかく見え、ピュアな雰囲気のモデルにも似合っています。とてもかわいいのですが、ハチ周りが重たく見えるのが残念でした。(有本)
<佳作4位>
★ 住吉沙耶香 資生堂美容室(東京都中央区)
資生堂美容技術専門学校卒(美容歴6年)
内側を締めて、表面を明るくしたヘアカラーデザインが目を引きました。レイヤーを生かしたスタイリングの工夫が欲しかったのと、バックスタイルがどうなっているのか気になりました。(小林)
タイトな仕上がりや、前髪のつくり方など、オリジナリティが光る作品。ヘアカラーもかわいいです。毛先の軽さもきれいにつくられています。正面付近ばかりで、明確な別角度がなかったのは残念。(山田)
ヘアカラーが個性的! シルバーの部分がウイッグなのでしょうか、少しなじみが悪いように思うのと、バックがタイトでレイヤーらしい動きを感じられなかったのが残念。シルエットも再考の余地ありです。(有本)
<佳作5位>
南舘麻衣 VISAGE(千葉県市川市)
山野美容専門学校卒(美容歴13年)
モデルのクセ毛を生かしたミニマムなショートレイヤーですね。頭のシルエットが美しく見えるようにカットされていると感じました。あともう少しデザインのスパイスがあると良かったです。(小林)
思い切ったベリーショートが、モデルに似合っています。もともとのクセをうまく生かしたのでしょうか? サロンでも活用しやすいスタイルですね。襟足付近がやや成り行きになっているように感じました。(山田)
ボーイッシュなベリーショートスタイルで、目を引きました。ただ、ミニマムなスタイルは、毛量の操作が重要。トップが、レイヤーとクセ毛のような曲線と相まって、膨らんで見えます。(有本)
<準佳作>
寺田祐子 SHISEIDO(東京都港区)
中部ビューティ・デザインカレッジ卒(美容歴10年)
バングがうざく目にかかるデザインは今っぽいですが、そのウエーブの重なり方が作為的で不自然な印象です。また、襟足の残し方に違和感がありました。(小林)
中川まどか SHISEIDO(東京都港区)
高津理容美容専門学校卒(美容歴11 年)
オシャレなマッシュウルフですね。前髪とフロントサイドを独立してデザインした点に中川さんのセンスを感じました。レイヤースタイルというには重いかも?(有本)
★ 吉川達朗 ANNABEL(京都府京都市)
関西美容専門学校卒(美容歴15年)
アッシュ系のヘアカラーをうまく使って、やわらかな質感のレイヤーを入れたのが、モデルにマッチしています。トップのつくり方が少し雑に見えました。(山田)
澤田純希 VISAGE(千葉県柏市)
国際理容美容専門学校卒(美容歴14年)
とても美しいショートレイヤーです! 髪のやわらかな質感も伝わってきます。でもカットで長短つけるなど、もうひと工夫あると良かったです。
(小林)
鈴木麻希 Well(福島県福島市)
山野美容専門学校卒(美容歴10年)
顔周りの前上がりレイヤーや前髪の束感がオシャレ! ただ、正面から見たときにシルエットが四角く見えるので、レイヤーの構成を再考してみてください。(有本)
橋之口芙美 VISAGE(東京都中央区)
北海道美容専門学校卒(美容歴4年)
パサパサっとした毛先と、やや暖色系のブラウンがオシャレだと思いました。右サイドのつくりはもう少していねいに。正面からのボリューム感もやや不自然でした。(山田)
永嶋恵美子 資生堂美容室(東京都立川市)
資生堂美容技術専門学校卒(美容歴7年)
トップから上手にレイヤーに切れていますね。もっとこのモデルの魅力を引き出す顔周りのデザインがありそうです。サイド~バックショットも見たかった。(小林)
小市匡也 VISAGE(千葉県市川市)
早稲田美容専門学校卒(美容歴14年)
ウエイトの重量感がしっかり感じられるので、テーマを盛り込めているかが疑問です。また、かなりクラシカルなショートなので、もう少し今っぽさがほしかった。(有本)
高瀬祐希 VISAGE(東京都中央区)
北海道美容専門学校卒(美容歴7年)
しっかり毛束を動かしてレイヤー感を出そうとした心意気が良いです。でも、リッジが強すぎて、これは「ショートレイヤー」なのか否か、わからなくなりました。(山田)
【2021年2月号テーマ】顔周りをマッシュラインにしたスタイル(応募締切 11月17日(火)必着)
マッシュルームスタイルとは、文字通りきのこのようなかたちのヘアスタイルのことで、丸いフォルムとフェイスライン~サイドのラウンドしたラインがポイントです。
今回は、「顔周りをラウンドさせたマッシュライン」とし、レングスやバックスタイルは問いません。その上で、軽さや動き、ウエーブ、ヘアカラーなどの工夫を加え、レトロの再現ではなく、時代性のあるヘアデザインをお待ちしています。
誌上コンテストへの応募要項と応募方法
■応募資格 美容師免許を取得した方。
■システム
ヘアモード編集部による厳正な審査の結果、お送りいただいた作品のうち優秀と認められたものは、誌面にて寸評とともに掲載する。
12カ月を通して、月間賞を3回獲得された方は、年間最優秀賞受賞者として表彰する。なお、各月間賞の年間賞に対する有効期限は1年間。たとえば、2020年11月号で獲得した月間賞は、2021年10月号まで有効。
※応募者の名前の横についている★マークは、その方の月間賞獲得回数
※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、既に月間賞を受賞している方の★の有効期限を2カ月延長します
■特典
年間最優秀賞受賞者は、新人ヘアデザイナーとして企画「THE DEBUT!」をはじめ、「ヘアモード」誌での活躍の場が優先的に設けられる。
■応募方法
1.モデルは女性に限る。
2.作品はバストから上を写し、服は写さない。ピアス、イヤリングなどの装飾品は使用不可。
3.写真はカラーに限る。また、背景は白か灰色で撮影する。
4.1作品につき、3枚以上。正面と左、右など、アングルに明確な差をつけ、髪がしっかり見えるものを。
◎紙焼きの場合
作品をキャビネットサイズ(2Lサイズ)にプリントし、①テーマ名 ②氏名・サロン名 ③住所 ④電話番号 ⑤卒業学校名(正式名称を明記)⑥美容歴(現在)を記入した別紙とともに郵送。
【宛先】〒107-0062 東京都港区南青山5-15-9-201
(株)女性モード社 ヘアモード誌上コンテスト係
◎データの場合
「紙焼きの場合」と同様の①~⑥を明記の上、作品データ(タテ2200ピクセル以上×ヨコ1800ピクセル以上)をzipファイルにまとめてメールに添付し送付。件名は「HM1 誌上コンテスト_(テーマ名)/作品送付/氏名(サロン名)」とする。
【宛先】mezase-gekkansyo@j-mode.co.jp