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ベルギー就活・就職記録

自己紹介

はじめまして。
ベルギー大学院(ビジネススクール)でSupply Chain Managementを専攻しているCarlです!

東京の私大を卒表後、新卒でいわゆるJTCで数年働いた後、海外就職を諦めきれずに退職。昨夏にベルギーのビジネススクールの1年の修士課程へ入学しました。

そして多くの方のサポートのおかげで、来夏より在ベルギーのグローバルメーカーより、Supply Chain職でのオファーを頂くことができました!

ヨーロッパで仕事を見つけること、生活していくことは夢でもあったので、自分の体験を残しておきたいなという思いがあり、また同じように海外での就職を夢見ていらっしゃる方もいるのではないかと思い、就活の記録をnoteに書き記してみることにしました。

昨年9月の入学から、オファーを頂いた今年3月までの行動を時系列で記載しています。


CV準備 (9-10月)

まずは履歴書に当たるCVの作成から始めました。

フォーマット等は特に定められた様式はないため、ネットにあるものの活用で良いかと思いますが、学校のキャリアセンターからはいくつか注意点をアナウンスされました。

バイアスに繋がるためCVには顔写真を載せないこと。そして代わりにLinkedinのURLやQRは必須です。またWordで作成し、PDFでは提出しないよう注意されました。理由としては人事関連の経験をお持ちの方には常識かもしれませんが、ATSの存在です。

殆どの企業が採用しているATS(Applicant Tracking Sysytem)では応募者の書類をWordで取り込んで求人のJob Decrciptionとの一致度等を判断しているため、そこで弾かれる可能性を低くする必要があります。

そして求人ポジションのJob Descriptionと自身のCVを一致させるには、以下のツール、Jobscanがオススメです。それぞれの内容をコピペすると、マッチ度や修正要箇所を診断してくれる優れモノで、書類作成時は重宝しました。

そして、ビザについて。
日本人が海外で働く上で最大の障壁となりますが、EUパスポート保持者でない限り、現地の労働ビザを得るには企業にスポンサーしてもらわなくてはいけません。
ただベルギーでは2021年以降、ドイツやフランスなどのように認可された教育機関を卒業後、求職ビザの受領→1年間の滞在延長が可能になりました。

この2点、①労働ビザ取得へスポンサーしてもらう必要があること、②卒業後は求職ビザで滞在をつなげること(労働ビザ認可前にこの求職ビザで働ける)、CVには記載しました。

求職ビザについては以下記事でまとめています。


Linkedin準備 (9-10月)

ヨーロッパ就活においてCV同様、またそれ以上に重要かもしれないのがLinkedinです。

企業側リクルーターとの連絡、後述するNetwork作り、求人探し/応募も私はすべてLinkedinで行いました。

細かい点ですが、写真はProfessionalに見えるものを使っているか、Connectionの数は一定以上あるか(200<)、前職の内容を記載しているか等ディテールも重要で、しっかりとしたLinkedinプロフィールを持っていない人は就活の土俵にも乗れないので、できるだけ早く作成する必要があると感じました。

Networking (11月-1月)

日本に比べるとベルギー(ヨーロッパ)の就活市場は圧倒的コネ社会です。現地労働ビザ無し、現地語能力無しの戦闘力でシンプルに求人に応募しても、基本的には引っ掛かりません。

そこで大事になるのがReferralを取ることです。要は内部推薦です。
Referralを取れた場合は一般選考とは別ルートになるため倍率が劇的に落ちます。また見たのか見てないのか分からないような書類落ちを避けることもできます。加えて、Referralから採用に繋がれば推薦者にもIncentiveが入るケースが多く、Win-Winのシステムです。外国人として就活をする以上、ここを攻めない手はありません。

ではどうやって、となりますが、私のとった方法は至ってシンプル。Linkedinで行きたい企業を検索して、そこにいるAlumni(OB/OG)を見つけ、以下の定型文で突撃して行きました。

Dear ---
Good morning!
I am ---, a master student in supply chain management at ---, and I see that you also went to ---! I am interested in your career and SCM work in ---, then I would love to connect with you.
Thank you in advance.

返答率としては意外に高く、70%程だったでしょうか。
Onlineでお会いした方も含めると、20名近くの方とCoffee Chatをしたと思います。*当然会社やポジションのリサーチ等の事前準備は必要です。
このCoffee Chatは非常に有意義で、その会社やポジションのことはもちろん、労働ビザ周り、また関係性が深くなればサラリーについての情報もゲットできます。

実際に今回採用された会社の方ともLinkedin経由で出会いました。たまたまその方が数年前に日本に住んでいたという幸運も手伝って私に興味を持ってくれ、自身の経験等を話す中でReferralを出してくれる運びとなったのです。

応募→面接 (1月-3月)

昨年内に書類作成を片付け、Networkを広げた後、年明けから多くの会社に応募を開始しました。スケジュール感としては年明けにはもう応募を始めた方が良いです。ただそれでも厳しく、70社超応募して面接に辿り着けたのは片手で数えるほどです。

面接は以下のように3回に渡って行われるケースが多い印象です。
1st Round (HR)

2nd Round (Potential manager)

3rd Round (General manager)
*幸運なことに、採用された会社はReferralを出してもらっていたので1st Roundを免除してもらいました。

1st RoundではGeneralな質問、2nd Roundでは上司になる方と応募ポジションや過去の職務経験についてのSkill面、Technicalな質問、3rd Roundは上役の方から2nd Roundと同じような質問がされました。面接に関してはAluminiからどのようなことが聞かれるか情報を仕入れ、準備することで対応を楽にすることができます。

ただ、ひとつトリッキーな質問があります。What is your salary expectation?というものです。このケースでは具体的な数字を述べることは極力避けるべきとのことでした。仮に給与Range外である場合はその場でNG候補になってしまいますし、Range内でも先にこちらの数字を与えてしまうことは、後の給与交渉でも不利になります。Alumniから情報をもらっていれば別ですが、ない場合に、先に数字を与えてしまうことはリスキーです。

最善策はTurn around, 聞き返してしまうことです。May I ask salary range for this responsibility? 実際これで会社側から先にPotentialな提示をしてもらうことで、のちの給与交渉も有利になります。

この点、以下の動画に登場するHR SpecialistのSonal Bahlは学校にも来てセミナーを開いてくれましたが、彼女のアドバイスは的確ですのでオススメです!


オファー&給与交渉 (3月)

最終面接を終えて約3日後、HRの方からオファーを出したい旨連絡があり、Proposal面談を受けました。給与をはじめとして、福利厚生や社用車、保険等のパッケージについての説明がありました。

そして、ここからは給与交渉になります。外資系で働いたことも転職経験も無かった私には未体験ゾーンでしたが、こちらの動画が参考になりました。

給与交渉はたとえダメもとでも絶対にやるべきです。
オファーまで到達できた以上、ここで候補者に逃げられることは会社側にもここまでかけた採用コストと時間が飛んでしまうことになります。
またHRも交渉を前提とした額でInitial Offerを提示してくるケースが多いため、多少無理があってもトライすべきだなと個人的には感じました。

実際私も交渉後に+100€/Month で、卒業後入社でサインに至ることができました。


最後に

以上長々と読んで頂きありがとうございます。ヨーロッパでの就活を経験し、以下の重要性を強く感じました。

・Referralを取ること
上述した通り、労働ビザなし×現地語なし×コネなしでオファーを取ることは至難の業です。ただ、コネは作ることができます。実際に学外で色々なAlumniとお話しすることは多くの学びがありました。Referralを出して頂けるかは相手次第な部分もありますが、絶対にチャレンジすべきだと思いました。

・恥を捨てて飛び込む
ビザを出してもらえない以上働けないので、ヨーロッパでの就活においてInternational talentにオープンな会社であるかどうかは最重要ファクターです。ポリコレ上あまりよろしくないかもしれませんが、Linkedinの社員欄にズラリと白人の方しかいない場合、残念ですがそこには暗黙の了解があり、厳しい戦いになります。

学校主催のキャリアセミナーであるベルギー企業と面談した際は、私を見るなり顔をしかめられ、オランダ語で自己紹介をするよう言われました。拙いオランダ語で話したのち、彼女らは顔を見合わせてクスクスと笑われるという正直言ってRacismを感じるような出来事もありました。他の会社でもHRとのヒアリング面談中に、You can check our website for further informationと京都人ぶぶづけアタックを食らったこともあります。

ただチャンスは行動した者にしか訪れないことは当然であり、メンタル的にきつい出来事があっても、愚直にやり続けることはやっぱり大事だなと感じました。

以上が約半年、ベルギーで経験した就活体験記になります。
少しでもどなたかのお役に立てば幸いです。最後までお付き合いいただきありがとうございました!!



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