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小さなカケラ vol.18 / どこまでも続くヒマワリ畑で カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

2024.10.31

気温が段々と下がってきましたが、皆さんお元気にしていらっしゃいますか?娘の学校では毎年、この時期から風邪が流行り出します。先日の夕方、空が薄暗くなる頃にクラスメート達とフットボール観戦に出掛けた娘は、グッと冷えた夜のスタジアムで薄着でいたせいか、その週末からコンコンと咳をするようになりました。そんな時に我が家で活躍するのがハチミツです。以前ア-ユルヴェ-ダを学んでいた時に、ハチミツは熱いものと合わせずにそのままスプーンで食べるのが良いと言われていることを知って、それ以来、疲れて調子が今ひとつ優れない時など朝夕にティースプーンで一杯ずつ摂るようにしているのですが、特に先日の娘のような咳をする時には特に効果があるのでハチミツは常備しとても重宝しています。

 ところで今夏の終わり、暑さが和らいできた夕方に娘と2人で近所のヒマワリ畑に行ってきました。夕方だったので人もほとんどいなく、大きなヒマワリの花がどこまでも続く景色はまるで映画の世界に迷い混んだようです。ヒマワリの花の香りはその見た目とは対照的で控えめなナッツのような爽やかな香りがするのですが、それが草や土の香りと共に優しい風に乗って空まで広がっていました。秋の始まりらしい小さな虫の音の大合唱の中、夕陽がヒマワリを照らす日暮れにウットリした私達は、しばらく大地に寝転んで空が暗くなるのを静かに見守りました。

そしてしばらくして、ジョシ-ユさんからとても素敵なボトルに詰められた、2種類のハチミツのギフトを頂きました。菜の花、そして何と、私達がちょうど気になっていた向日葵の蜂蜜。完全循環農法でミツバチを育てている遠藤ファームさんとのコラボレーションアイテムです。遠藤ファームは野菜を収穫した後に季節ごとの花の種を蒔き、そしてミツバチが蜜を集めた後に、枯れた花々は土に還り、また野菜をつくるという完全循環農法を行っているのだそうです。私達が行ったファ-ムもやはり野菜畑の後にヒマワリを育てるのだと言っていました。美しいだけではなく、ハチミツが採れたり土壌改良の緑肥としての役目もあるなんて素晴らしいですね。ところで、甘いものを食べると血糖値が急上昇して良くないと言われていますが、今回気になってちょっと調べてみたところ、はちみつが多く含んでいる単糖類の果糖はインスリンの作用を受けないため、血糖値上昇の直接の要因とはならないのだそう。はちみつは、砂糖など他の糖類よりも糖質の量やカロリーが低いうえに血糖値の上昇も穏やかなんて凄いなぁと改めて思いました。

 ミツバチ1匹の1日の採蜜量は多くても0.5gほどで、寿命1ヵ月のうち外で蜜を集める期間は約2週間ほどなので、1匹が一生に集められる蜂蜜はティースプーンでわずか一杯ほどなのだそう!何て貴重なのでしょうか。大切に味わって頂きたいですね。これからどんどん寒くなっていきますが、みなさま、どうぞ身体にお気をつけて元気でお過ごし下さい。

カヒミ カリィ
ミュージシャン、文筆家、フォトグラファー 。91年デビュー以降、国内外問わず数々の作品を発表。音楽活動の他、映画作品へのコメント執筆、字幕監修、翻訳など幅広く活躍。これまでカルチャー誌や文芸誌などで写真や執筆の連載多数。2012年よりアメリカ在住。
http://www.kahimi-karie.com


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