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bonvina810
東京タワーは遠くから見たい
久しぶりに家に早く帰ったので、何も情報を入れてなかったからNHKを見たくてテレビをつけた。
明日の天気予報は、肌寒いみたいだ。冬が近づいてくる感覚に、なんだかどっと疲れる。
そのジングルと共に、東京の夜景が映った。チラチラとオレンジ色の東京タワーが見えてわぁっとなる。
あー、やっぱり東京タワーって最高ね。あったかい色。
なんて。いつもと同じ言葉が口をついて出た。
私は雪国の出身で、灰色の空が多くなってくる季節。空は広いけれど、何もない。
今は何もないところになんでもある、という考えもできるけれど、私はやはり、都会が好きなのだ。
都会という環境は、人を変えるポテンシャルがある。私はきっと、田舎にいた頃の自分とは表面的には違う自分になっていて。
田舎にいた自分のタネはあるかもしれないけど、都会にまみれている。そして、それでよかったと思う自分もいるのだ。
いつの間にか、東京で働いている時間の方が、田舎で生活していたそれより多くなった。
自分を作ることが上手くなり、たまにそのギャップに苦しむ。
田舎のコミュニティで自由に暮らしていたけれど、そんな自分ももういない。逆に、都会に慣れた自分を出すことが、日常になっていた。
これを、大人になった、と言うのだろうか。
最近コロナになってから遠出もしていないし、田舎に興味がなくなった。いや、多分あっちも嫌なんじゃないかって思うから。
地元は置いておいて、知らない人が多い地方に行く勇気は、まずない。
結局、東京タワーがあるこの東京に癒しを求めて彷徨っている。
狭い空の下でも、見上げれば月がある。そして、田舎の空には敵わないけど、みんなで同じ夜空を見上げることができる。
そんな場所を探している自分がいる。
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