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ファクトリー探訪(縫製) : 有限会社クラスター_岩手県
有限会社クラスター
会社住所:岩手県宮古市千徳第13地割50
電話番号:0193-64-4535
ジャンル:レディース・メンズ縫製
Instagram:https://www.instagram.com/hayachinemade/
※住所などの情報は、Googleの掲載情報から引用しています。
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ダウンジャケットを生産する数少ない国内工場
ファッション好きな人が選ぶダウンジャケットといえば、カナダグースやモンクレールなど一定の海外メーカーが想像されますが、日本でも水沢ダウンを始めたとした素晴らしいダウンアウターの縫製工場があります。
ここで紹介しますのは、岩手県宮古市にあります(有)クラスター様です。
訪問してみると、何十年も前から海外で活躍する誰もが知るブランドから、若手のコレクションブランドまで、多くの製品の仕掛かり品が所狭しと置かれていました。
ダウンの縫製の特徴として、通常の服では2枚の生地(表と裏)とで縫い合わせるところ、ダウンでは羽毛の入る構造となるため、前身と後身を縫い合わせる前にパーツとしての縫い合わせ縫製が発生します。
その時点で通常の服より工程の手数が多くなり、また異素材との重ね縫いは高度な技術を要します。
個人的に興味を持ったのは、一定の仕様で縫製できるところは、ガイドなどをオリジナルで活用して技術のバラつきが起きぬようにし、効率化に繋がるよう工夫をされていました。
ダウンでは高機能な生地の採用が表立って表現されますが、縫製技術自体も
高機能ということがよく分かります。
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「Hayachine made」
そんなクラスター様は、OEMを中心とした運営を行う中で、様々なコレクションブランドと取り組んできたノウハウを活かし、「Hayachine Made」という大きな試みをされています。
内部だけでは中々難しいディレクションを、盛岡を中心に活躍されているデザイナーの金谷さんに委託し、社長の小林さんと二人三脚で運営されています。
コロナ禍をきっかけに生まれたブランドは、期ごとに新たな試みを続け、クラウドファンディングでも成功を重ねられてきました。
そんな中で今回も新作を引っ提げ、東京ビックサイトで行われたギフトショーに出展をされることを教えて頂き、会場へお邪魔させて頂きました。
新作も含め、「Hayachine Made」の最も面白い取り組みは、生地を投入するだけでダウンアイテムへと昇華出来るコラボレーションを展開できるところ。
生地産地やメーカーが自社で製品を作るとなると、シンプルなトートバッグやシンプルな形の衣類へ展開になりがちなのを、クラスター様へ生地投入することで、立派なダウンジャケットへと一気に飛び越えた昇華が可能となります。
型は限定されますが、様々な生地に対応出来るようにするために、あえて仕様限定されていて、その分スピード感もある対応が望めるのです。
何より中間業者を挟まない生産となるので、消費者としても驚くほど手頃な金額で購入が可能となります。(海外ブランド愛用者は相当ビックリすると思います)
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地元での周知に向けた運動
小林社長と話すと、いつも笑顔で物腰も柔らかく、オープンに商品や会社のことを話して下さります。(写真1枚目の方です)
しかしながら笑顔な目の奥には、いつも会社としての今後を案じている真剣な眼差しがあります。
昨今業界では人材の高齢化が進み技術継承が難しい状況に陥っており、クラスター様でも同様のことが懸念されています。
特に海産がメインである宮古では立地の関係もあり、中々人が集まりにくい難しい環境にあると感じます。
そんな中で、小林社長と金谷さんは宮古市でトークショーの機会を作ったりと、現在の取り組みをオープンにして、周辺地域の周知や指針に繋げる活動も積極的にしていくと聞きました。こういった機会を通して、少しでもアパレルで働く楽しみや、やりがいが地域の人たちに伝わっていってほしいのです。
それではまたっ!
訪問日:2022.5.27
2023.1.18 じょうろ 秋田 匠
WEB:https://www.jorro.net
Instagram:https://www.instagram.com/jorro_planning/