ファクトリー探訪(縫製) : 大林縫製 有限会社_大阪府
大林縫製有限会社
会社住所:大阪市生野区小路東2-9-21
電話番号:06-6752-1476
ジャンル:レディース縫製
Instagram:https://www.instagram.com/oobayashihousei/?hl=ja
※Google掲載情報から引用しています。
縫製工場の運営について
日本の縫製工場では、土地の広さや会社の規模など、地域の特性によっても縫製会社としての運営の在り方が違います。
例えとして東北地方のような土地の広い場所にあるアパレル会社では、社内に多くの従業員を抱えながら、裁断から縫製仕上げといった服作りの工程を一つの建物の中で完結させるのに対して、大阪など比較的土地の広さに限界のある場所で運営される多くの会社は、マザーファクトリーとして作業機能を持った上で、近隣や地方の縫製職人の方々と連携を取りながら商品を作り上げていく形が多くあります。
訪問の機会を頂いた大林縫製さんは、大阪で75年続く縫製会社で、現在大林兄弟とそのお母様にパートの方を加えた主に4名で会社を運営されています。
また前述の後者のような形で運営をされており、中には40年以上の付き合いもあるような近隣地域の縫製職人や、地方の縫製場の方々と、まるで家族のような関係を築きながら長きに渡り洋服を仕立てて下さっています。
移りゆくファッションアパレルの流れの中で、お父様でもある先代社長から長男の英介さんが社長を務めてからは、地方の10人~20人の縫製工場にも依頼しながら100枚~200枚のロットに対応出来るようにしてきたとのこと。
近隣の協力先はいわゆる夫婦二人三脚でされていることが多く、目も届きやすく品質は確かでありつつも、100,200枚と数が多くなると、品質が整いづらくなる傾向がある為に、メーカーの様々なニーズに合わせるために依頼する縫製場を府外にも広げ、多い時は20件ほどの縫製工場や職人と関わりながら仕事をされてきました。
そんな最中に起きたコロナ感染拡大を境に、受注数の減少や市内の高齢化。地方では実習生の帰国による影響を受け、ずっとキープしていた依頼先が激減することになります。
作りたくても作れない状況に陥ってしまったのです。
自社で企画・開発を行う縫製会社への転換
大林縫製さんはそういった状況を鑑みて、これまで一本にしていたOEMだけでなく、自社で企画、生産販売を行うD2Cを積極的に始めました。
自社で企画をしたものは、クラウドファンディングによる在庫リスクを軽減した受注販売とECサイトを併用することで、作ることは出来るけど販売ができない工場の在り方(レッテル)から脱却し、一縫製会社の枠組みを超えて、企画開発を行う縫製会社として新しい姿を作り上げようとされています。
自社で考える商品は、流行を追ったアパレルや技術力を前面に出した商品というよりも、日常生活にあったらいいなと思える機能を持ちえたファッションプロダクトを中心に、企画力を強みとし、何より自社範囲で完結することに重きを置いて考えていらっしゃいます。
(一つのきっかけにもなったという布マスクも、コロナ以前に着目されていたことで、流行する時点で速やかに販売し当時は特に喜ばれたようです。※詳しくはインスタグラムにて)
マスクを始めとして、幾度の商品企画とクラウドファンディングを経て、
今回訪問した際には3ネックウォーマーの商品を紹介頂きました。
ちょうど現在Makuakeにて発信されています。(写真はバラクラバという首に被るもの)
元々デザインを従事していた弟さんの存在もあって、商品の内容も全て自社で考えられており、調べに尽くされた説明が書かれています。
そういった説得力も、自社で自分達でやることに徹底されているからだと感じます。
すでに応援購入総額も達成されており、日数も残りわずかですが、受注はまだ受け付けていますので、興味のある方はMakuakeを是非ご覧になってください。
最後に
大林縫製様は今回初めてInstagramのDMをきっかけに足を運んだアパレル会社でした。
本業であるOEMとしても、これまで大阪の船場や本町のアパレルメーカーとの仕事が主だったのが、自社企画の発信やインスタグラムでの発信をきっかけに東京との仕事が増えてきているとのこと。
SNSがコミュニケーションの取っ掛かりとして凄く有効な手段だと感じた2022年。
まず連絡してみるということの大事さを今回の訪問からも感じた時間となったのでした。
それではまたっ!
訪問日:2022.12.2
2023.1.11 じょうろ 秋田 匠
WEB:https://www.jorro.net
Instagram:https://www.instagram.com/jorro_planning/