ファクトリー探訪(学校) : 大阪文化服装学院_大阪府
大阪文化服装学院
会社住所:〒532-0005 大阪府大阪市淀川区三国本町3丁目35−8
ジャンル:ファッション専門学校
※住所などの情報は、Googleの掲載情報から引用しています。
関西を代表するファッション専門学校の一つ「大阪文化服装学院」
大阪文化服装学院(以下OIF)への見学の機会を頂きました。
1946年に創立された大阪文化服装学院(以下OIF)は2023年をもって77年の歴史を誇り、多くの学生を社会に送り出されてきました。
校内の建物はコの字になって並んでおり、中庭を数多くの教室で囲んだ形になっていて、廊下が中庭に面していることもあり、中庭越しに向こう側の教室が見えるようになっていて、学生同士で交流を図りやすい開放的な作りになっています。
あいにく伺ったタイミングが卒業と入学の間だったこともあり、学生はほぼ不在でしたが、現在も1年から4年生で約700人の生徒を抱えており、日常での校内の活気を容易に想像することが出来ます。
世界に通用する人材の輩出のために新設された、専門学校では珍しい、4年制の学科「スーパーデザイナー学科」
さてOIFの一つ大きな特徴に挙げられるのは、スーパーデザイナー学科という4年制の学科を2008年が新設されたこと。
世界に通用するデザイナーを育てるために、3年制等で取り入れられる基本カリキュラムをより短期間で習得しつつ、より実践的且つ、自分の個性と向き合えるような凝縮したカリキュラムを取り入れられています。
そんなスーパーデザイナー学科が出来た理由の一つには、2000年に入って始まったイタリアにあるポリモーダ校との取り組みが大きい。そこの学生と当校の学生の服に対する向き合い方。そして出来上がってくる服のクオリティに大きな違いを感じ、学校としても変わっていく必要性を感じる大事な機会となったと、OIFの経営企画本部本部長兼サステナビリティ・ディレクターである加藤さまはおっしゃいます。
※トリモーダ校は1986年、フィレンツェ市とプラトー市、業界諸団体からの援助、FITの協力のもと設立。
現学長はサルヴァトーレ フェラガモ会長のフェルッチオ・フェラガモ氏。
※スーパーデザイナー学科が出来た経緯など詳しい内容については、下記リンクが分かりやすいです。
https://www.fashionsnap.com/article/2022-04-27/oif-superdesigner/
実際に話を伺いながら、校内の展示作品を拝見させてもらったことで、その功績や実力を知ることが出来ましたが(偉そうにすみません)、
学科とは別に個人的に素敵だなと感じたのは、進級のタイミングで3年制の学科に転科することが可能な点でした。
学生ごとの能力やモチベーションに寄り添った、学科とコースのバリエーション
リンクにも書かれている通り、高校を卒業して大学や専門学校へ進むタイミングでは、まだ自分自身に合ったコースであるかは分かりません。
3年制ではまた違った理念やコース(カリキュラム)が組まれるので、4年制から3年制に転科することは決してネガティブなことではなく、新しい可能性や、良さを伸ばすことが出来るとポジティブに捉えて受け入れられるのです。
過去は3年制のファッション・クリエイター学科と2年制のファッション・ビジネス学科のシンプルな学科構成から、今では多くの種類の学科やコースが作られ、学生の興味やモチベーションの変化。そしてその子にあった能力を活かせる場を用意し、転科の可能性を残すことで、学生の変化を受け入れる土壌がここにはありました。
企業との積極的な産学協同取り組み
そんな学生それぞれの個性を拾い上げて活かし、そして社会にどう役立たせてもらうかを考えていくために、OIFでは企業との取り組みに対して積極的なのも特徴的です。
例として、クリエイティブコースでは、学生がデザインを手がけ、工場と一緒にブランド(@uo_unbornoutfit)を立ち上げるといったモノづくりをおこなったり。
ビジネスに関連した学科でも有名セレクトショップとの産学協同や、コンセプトの立案、企画、バイイング、店舗演出、接客、PR、売上管理、決算まで、学生がすべてを手がけるショップ運営の実践など、それぞれの学科に合った社会実践教育がカリキュラムとして組み込まれています。
これまでに伺った学校様も含め、これまで内でしか学べなかったことを、今では外の空気を積極的に取り込みながら、学びを得ることがこれから重要な要素であると感じ取ることが出来ます。
最後に色々な話を聞く中で、ファッション・アパレルもきっとこれまで以上に業種は増えていく可能性が高い。
無論社会に出て業界を盛り上げてもらえる人材を輩出するファッション専門学校の役割は変わらずも、ここで学んだことを糧にアパレルに限らず、他の業界にも活かしてもらいたいと、今よりその先を見据えた考えや仕組みを持って、社会に学生を送り出すことが大事と話されていたことが印象的でした。
多様化という言葉が先行する世の中で、以前より学校内としての多様化の定義を考え、厳しさもありつつ、優しさと柔軟さを兼ね備えていることに、ここを巣立つ学生の活躍が想像出来るのでした。
それではまたっ!
訪問日:2023.3.7
2023.3.28 じょうろ 秋田 匠
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