部活に力を入れる学校経営者が考えるべきこと。
こんにちは氏原です。
センバツ出場が決まり、プロ野球はキャンプが始まりました。WBCに臨む日本代表も発表されましたし、少しずつ春の訪れがやってきています。
僕は今、選手名鑑の校正作業のお手伝いをさせていただいています。
非常に勉強になる時間をいただいています。
これを終えると、即刻、宮崎へ飛んで、侍ジャパンの候補合宿の取材に行き、WBCモードに入ります。3大会連続の取材になるので、非常にワクワクとしております。
そんな中ではありますが、先日、僕の記事がYahooトピックスに取り上げられました。ヤフトピに上がったのは下記の方ですが、この企画が持ち上がった本当の狙いについて、少しお話ししますね。学校経営者は参考になるかもしれません。
世代交代でミスる学校の特徴
この企画はもともと『名門校の代替わり。新世代が野球界を変える?』というものでした。今回、取り上げた東北高校だけでなく、全国で代替わりに成功した学校、うまくいなかった学校を取り上げるというものです。
全ての企画が通ったわけではなく、今回は「東北高校の記事の評判を見てから」ということで実現しました。(まぁ、現実としては企画に興味はないけど東北には興味あるという返答です)
この先、続くかは未定ですが、僕は高校野球界の問題点、「甲子園の病」(書籍とは違う)の一つとして、最近、名前を聞かなくなった伝統校やかつての名門校には似たような問題があるではないかと感じてきました。
それは代替わり。わかりやすい言葉で言うと「世代交代」です。
これ、実はかなり厄介で、足の引っ張り合いみたいなことが行われてしまうんですね。
例えば、前任が名監督であった場合、少し結果が出ていないと、その名監督さんが周囲にあれこれという「これは〇〇の野球じゃない(○には高校名)」。それが評判となり、今いる監督が思い切ったことができなくなっていくという。
あるいは、その名門校には過去の監督の派閥があって、その主導権争いをしている。A派の教え子が監督をしていて、それをよく思わないB派が現監督の批判をしてしまうとか。
また、あるいは、かつて、どこかの学校で結果を残した監督を連れてきて、全権を預けたのはいいが、それまでの監督を否定するかのような真逆のことをやってしまい、結果が出ない。(真逆のことをやるのが悪いのではなく、同じことをやりたくないと思ってします)
▽悪い例についての配信
結局、ここで、何が大事かというと、何をすれば子供のためになるかを考えられていないんですね。
新しい若い監督を認めたくない名将や主導権争いなどは、本当に、誰のための野球かを考えればわかると思うのですが、その観点がなく、ただ、ただ、自分の私利私欲によって、野球部を活用している。
学校経営者としては「勝ってほしい」「甲子園に出て知名度を上げてほしい」と思うならば、子供達のためになる野球部を作ることから始めるべきなんですよね。
それをすることは時間がかかりそうに思いますが、むしろ、足の引っ張り合いをしている方が時間がかかる。
参考になる東北高校の例
早くにチームを強くしようと思ったら有名な監督を呼ぶことが一番でしょう。
なぜなら、人が集まってきやすいからです。
「甲子園○勝」「○○選手を育てた」などの実績があると、確かに、早くに結果は残せそうです。
でも、大事なことは、その実績があってもいいし、なくてもいいんです。その指導者が時代に即しているか、子どもたちのことを第一に考えられるか、それに尽きるとも思うんです。
自分の私利私欲に動いてしまう人たちは、子どもたちにとてよくないことをします。強制的なことを敷いたり、無理を子供達に押し付けます。勝ったら自分の手柄のようにいい、負けたら「選手たちがいうことを聞かない」「いい選手が取れない」など、押し付けたりします。
それって、学校という教育現場に必要な人材なのでしょうか。
勝つことがあっても、その後によくない影響を及ぼすのではないでしょうか。
今一度、考えてもらいたいです。
なぜ、部活動に力を入れるのか。「甲子園の力を借りて、知名度を上げたい」。その気持ちは大いにわかりますし、悪いことではありません。
でも、あり方を一歩間違えると、部活動に力を入れることが学校にとって大きなマイナスを引き起こすことになります。
東北高校の例は、大きなメッセージだと思うんですよね。
どんな取り組みをしたかも大事ですが、監督は佐藤洋さんという元プロ野球選手ですが、誰もが知っている方ではありません。しかし、現役を引退してから「このままではいけない」と野球界に警鐘を鳴らして、活動をしてきた方でした。
60歳で決して若くはない。
若くはないけれど、むしろ、ベテランであることが、子どもたちを温かく見守るという術を熟知していて、非常に雰囲気の良い野球部を作り上げました。監督に就任してから数ヶ月の間で。
正直に言いますけど、東北高校のようなチームは全国にゴマンとあります。
ここ最近の東北高校がそうであったように、良い選手がいるのに、それらを生かしきれていないというチームです。
なぜ、そういうことが起きているか。
それがここまでに書いてきたようなことが起きているからです。
絶対、東北高校のように、勝てる部活動に力を入れているチームはあります。
しかし、みんな残念ながら、方向性が間違っているのです。
子どもたちは磨けば光る原石です。
それを生かすのか、殺すのか。
経営者の方針、どんな指導者を呼んでくるのか。
もっともっと真剣に、考えてみてはいかがでしょうか。
本日は以上です。
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