大阪桐蔭から学ぶ、選手育成の切り分け〜トーナメントで勝つだけでは選手は育たない〜
第2回 部活の育成とスポーツの育成
みなさん、ご存知のように、高校野球の大会は大きく3つあります。
秋季大会、春季大会、夏の選手権大会。
1年生大会や私学大会などを地区によっては開催しているところもあるみたいですが、実質、この3大会と見ていいのではないでしょうか。そして、その多くがトーナメント戦で開催されるほぼ「一発勝負」となっています。
地区予選に敗者復活があったり、新人大会というのを先にやったり、地区予選では少数のリーグ対抗もあると思いますが、実質、負けることができるのは1敗のみ。ほぼ負けることが許されない戦いをしなければいけません。
トーナメント=一発勝負です。
負けたら敗退です。次の試合に進めない。
この方式自体は悪くないと思います。高校野球に多くのドラマを生むのも、どんな強いチームでも、ちょっと間違えれば番狂わせを起こされてしまう。やってみないと分からないハラハラ感がトーナメント戦の良さではないでしょうか。
問題にしなければいけないのは3大会全てがトーナメント制であるということです。
トーナメント戦は大会の性質上、番狂わせを起こされないような試合をしようとしなければいけません。
それがどういうことかというと、初回からファーボールを連発する投手は起用しにくいですし、ダブルプレーで流れを失うのが怖いから、送りバントでまず走者を進めておこうと考えます。野手の起用法も、打つ選手より、守れる選手の方が試合の出場機会が増えるのではないでしょうか。
日頃の練習でも、その影響は出ると思います。
投手はコントロールを鍛えることが重視されますし、野手は送りバントに時間の多くを割き、進塁打を打つ意識を根付かせるようなことも多いのではないかと思います。
それ自体が良い悪いかの議論ではなく、トーナメントを勝つために必要なことは何かというと、そういうアプローチになると僕は思います。
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