藤原敏行朝臣が百人一首に残した作品は?
藤原敏行朝臣が百人一首に残した作品は?
─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆歌枕
☆序詞
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品
♪ 住の江の 岸による波
よるさへや
夢のかよひ路
人目よくらむ
です。
読みは、
♪ すみのえの
きしによるなみ
よるさえや
ゆめのかよいじ
ひとめよくらん
となります。
太字三カ所が変わります。
☆意味
住の江の (住の江の)
岸による波
(海岸に打ち寄せる波は)
よるさへや
(昼はもちろん、夜までも)
夢のかよひ路(夢の中で恋人のところへ通っていく路で)
人目よくらむ(人目をさけるのであろうか)
☆歌枕
1句:住の江
☆序詞
1句2句
「住の江の 岸によるなみ」が、次の「よる」を引き出す序詞
☆文法解説
3句:「さへ」添加の副助詞
「よるさへや」の句には「昼」という言葉は出てきませんが、「さへ」が、「その上、・・・までも」という意味なので「よるさへや」は、「昼はもちろん、夜までも」という意味になります。
5句:「人目よくらむ」
「よく」は、「避ける」
「らむ」は、推量の助動詞で「~のだろうか?」という意味です。
「人目を避けるのだろうか?」という意味になります。
☆鑑賞
当時、「夢」の中に思っている人が現れるという事は、
その人が自分のことを思っていてくれる、と信じられていました。
「住の江の 岸に寄る波は昼はもちろん夜でさえも」という具合に
「よるさへや」を引き出し、さらに、その「よるさへや」が、
「(あなたは)昼ばかりでなく
夜の夢の中でさえ、
人目をはばかって会って
くれない」
と、下の句を強調しています。全体を訳すと、
住の江の岸に寄る波は、
昼ばかりでなく夜でさえも
打ち寄せている
(それなのに)あなたは、
昼ばかりでなく夜の夢の中
でさえ、
人目をはばかって会って
くれない
となります。
会いたいと思っている恋の相手に対する恨み・憤りを表わし、嘆いているようにも感じられます。
昼間会うのは、人目をはばかったのかも知れませんが、せめて夢の中では会ってあげても良いのに、と感じました。
平安時代の貴族たちは、人目をはばかって、ひたすら忍ぶ恋をしていたのでしょうね。
☆出典
『古今集』恋・559
★関連動画
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【藤原敏行朝臣】
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