伊勢が百人一首に残した作品は?
伊勢が百人一首に残した作品は?
─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆歌枕
☆序詞
☆掛詞
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
☆本当に「短い」の?
☆恋の相手「藤原仲平」
★関連動画
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☆作品
♪ 難波潟
みじかき蘆の
ふしの間も
逢はでこの世を
過ぐしてよとや
です。
読みは、
♪ なにわがた
みじかきあしの
ふしのまも
あわでこのよを
すぐしてよとや
となります。
太字一カ所が変わります。
☆意味
難波潟 (難波潟の)
みじかき蘆の (短い蘆の)
ふしの間も
(節と節の間のような
短い時間でさえも)
逢はでこの世を
(逢わないで、この世を)
過ぐしてよとや
(過ごせと
おっしゃるのですか?)
☆歌枕
難波潟とは、現在の大阪湾の古い呼び方です。
☆序詞
1句2句が、3句「ふし」を
引き出す
☆掛詞
「ふし」
この歌は、恋愛関係にあった藤原仲平(ふじわらのなかひら)が
なかなか逢ってくれなかったために詠んだ歌だそうです。
大阪湾に生えている蘆の草
その節と節の間が、とても短い。
そのように短い時間でさえも、あなたは逢わないで過ごせとおっしゃるのですか?
ここは、掛詞です。
次の記事の17.です。
☆文法解説
4句:《で》接続助詞
5句:過ぐしてよとや
「てよ」
完了の助動詞「つ」の
命令形
「と」引用の格助詞
「や」疑問の係助詞
☆鑑賞
藤原仲平は、伊勢の他にも交際している女性がいたようです。
そして伊勢に対しては
言い訳をして逢わないようになってしまったそうです。
伊勢は、逢えないのがつらく、蘆の草の節と節のあいだのようなほんの短い時間でも良いから逢いたいと願っていたのです。
けれど藤原仲平は逢ってくれません。
そこで、
「逢はでこの世を
過ぐしてよとや」
「逢わないでこの世を過ごせとおっしゃるの?」
と、半ば恨み節になっています。
可愛そうな伊勢。
よほど逢いたかったのでしょうね。
☆出典
★新古今和歌集
恋一・1049
☆本当に「短い」の?
☆恋の相手「藤原仲平」
藤原忠平の父です。
☆関連動画
【恋歌の名手と言われた三十六歌仙・伊勢の歌を読む】
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