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ひとつの木になった恋人の物語 2部

ひとつの木になった恋人の物語/オリジナル小説の続きです。

第2章 おばあちゃんの過去

アリーはおばあちゃんの書斎が大好きで朝ご飯を食べると走って屋根裏部屋の書斎に行って一日中、本をあさっては読み、また元の場所に戻しては新しい冒険に出るのだった。アリーはファンタジーが大好きで時々自分は魔法使いなのではないかと期待とワクワクがアリーを励まし慰めていたのである。
アリーは両親がいなかったわけではない。ただ思い出すと辛くなってしまう、痛い過去も持っていた。
そんなアリーは普段、目に留めることがないような題名の本がアリーを呼んだ。
「 記憶があなたを待っている。」
なんだ、これは。どういう意味。
アリーの心をつかんでしまったのだ。完全に心を持っていかれたアリーはその本を手に取り表紙をみたら、たくさんの天使が描かれたそれは…、それは美しい本だった。作者は不明、発行された日も何も目印になるようなことはなにもないから、余計に気にとまり1ページを深呼吸して広げた。そこには直接ペンで、
「セリーヌへ。愛をこめてジェンセンより、P.s. I  love YOU …」

と書かれていた。
セリーヌ、その名を持っているアリーの知るものは世界でひとり、おばあちゃんしか居なかった。
アリーは直感的にこの本は読まなければ、とおもった。
本は無数の手紙の束を紡いで本にしている不思議な仕組みで出来上がった1冊の本だった。
それはあるひとが見たらただの日記帳にもみえるし、ある人から見たら、まだ若いライターがオリジナルで作った本だろうと。でもアリーは
「隠された宝物を見つけた。」と強く感じたのだ。

今日は一旦ここまで。
オリジナル小説第一部を読んでくれて、そしてまた2部も読んでくださってありがとう。
第二部は長くなりそうですが辛抱強く見守ってください。

いつもおつかれさま。この物語の1節が、あなたを支え導き励ますものであるように願いながら。

また会いましょう。わたしたち。


一歩、その一歩はすっごく小さいけれど確かのものだよ。

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