美術展「印象派・光の系譜」の感想
初めに
「印象派・光の系譜」は、2021年10月15日〜2022年1月16日まで、三菱一号美術館で開催されている美術展です。タイトルにもある通り、光の当て方にこだわった作品が多くあったように感じます。またモネ、ルノワール、シスレーといった、印象派を代表する画家の作品が多く展示されており、とても見応えのある展示でした(ここ数年で最も楽しめた)。
この記事では、素人ながらに見て感じたこと、気に入った作品などをつらつらとまてめていこうと思います。完全にメモであり、日記です。
なお、記事内の作品画像は一般公開データセット「wikiart」から拝借したものか、Google画像検索で拾ってきたものです。
もっとも印象に残った作品2つ
チャイルド・ハッサム「夏の陽光」
細かな影の使い方がうまい!全面白でステキな作品!
ほとんど全面白色にも関わらず、光の当て方によって主題となる女性の存在感が際立っているように感じた。左側は、光の当たらない岩によって暗い表現となり、一方右側は空いた空間を作ることによって、中央に目が行くように書かれているのだと思う。
(直接見た感じは、上記の画像よりも色の濃淡がはっきりし、白色もかなり際立っていました。)
また、手に持っている本と、ハットの鮮やかな色によって一層、女性が引き立っていると感じた。
レッサー・ユリィ「赤の絨毯」
これまで何回も美術展には足を運んだことがあったが、レッサーユリィを初めて認知した。そして、レッサー・ユリィの作品がものすごく好きになった。
まず、赤の絨毯。女性の衣装の黒にものすごく引き込まれた。おそらく絨毯の赤によって黒を引き立たせているのと、反対に窓の外は淡い色にして、さらに黒への吸引力を高めているのだと思う。また、窓から刺す光がほんの一部しか女性を照らしていないのが、物寂しさを演出しているように感じた。
ユリィの作品でもう一つ目を引いたのは、以下の「夜のポツダム広場」。圧倒的な鮮やかさ。色の使い方が本当にうますぎる。
雑な疑問(まだちゃんと調べていない)など
中心の木は何の意味があったのだろう。邪魔じゃないんかな。何かを分断してるとか、意味ありそう。
「本当にそのタイトルでええんか?主題をそんなに端っこで描く作品もあるんだな」と思った。どういう意図があったんだろう。
以下の二つの絵を見比べて、ゴッホはかなりコントラストが強めではっきりした色を使う。一方、モネは影がなくてコントラストが弱い絵を描くなぁと感じた。もちろん作品にもよるだろうけど。印象派(ポスト印象派)の中でも、表現のこだわりがあるのおもろいな。
その他、気になった作品
アルフレッド・シスレー「サン・マメス ロワン川のはしけ」
シスレーの絵は、やはり安定感がある。川(反射した空)と空で似たような色使い、描き方をしているのに、筆跡の方向が違うことでその違いをはっきりさせてるのが面白い。他の作品も見て思ったけど、水に反射して写った物を綺麗に描くなぁと感じた。
ゴッホ「アニエールのボワイエ・ダルジャンソン公園の入口」
これも画像だとあまり伝わらないが、影の使い方がうまいと感じた。大部分が影で覆われているのに対し、二人の女性にはしっかりと光があったている。木漏れ日の元に人を立たせて、広角でポートレートを撮る。今度やりたい!
カミーユ・ピサロ「ジャンヌの肖像」
日本人っぽいな!と思って印象に残っていた。どうやらカミーユ・ピサロが描く肖像画は貴重らしい(別の方が書いていたブログより)。
最後に
本展覧会、かなり見応えのある美術展だった。チャイルド・ハッサムとレッサー・ユリィをもう少し深掘りしたい!
また、光の入れ方と構図に関してはかなり勉強になった。今後、写真を撮るときにもこの気づきを生かしていきたい。