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隠語はいつの世も洒落が多いですね。

こんにちは。
関西で大家業と子育てに精を出す佐山 潤(さやま じゅん)です。

最近の融資事情について銀行や不動産屋さんと話していると、
一割は手差し。
というのがずいぶん当たり前になってしまいました。
つまり、7000万の物件であれば700万は自分で出し、
残りの6500万円を融資してもらう。
もちろん買い主の費用負担はこれにとどまらず、
・火災保険
・登記費用
・仲介手数料
・不動産取得税
等々、支払いが結構あります。
こうした初期費用は大体物件価格の7%くらいといわれます。
なので、7000万の物件を買うなら全部で1200万弱の支払いが必要。
ということになります。

なかなかこれから大家さんになりたい方にとって難しい時代になりました。
以前はフルローンは結構当たり前でした。
なので、7000万の物件なら500万弱用意すれば買える。という具合です。

それに輪をかけて「オーバーローン」まで出ていたこともあります。
先ほど書いた大体7%の初期費用分まで出す。というものです。
こうなってくるとほとんど自分で出すものがない。

でもこれ、どうやって出ていたのか?
銀行は物件に対して融資を行うので、諸費用までは出せません。
となると、もちろん嘘をつく。ということになります。
売買契約上の土地の値段を実際よりも高く書く、
売買金額を実際よりも高く書く等々。
なので、売買契約書が2枚存在することになります。
こうして、「銀行用」とか言って用意した契約書を銀行側には、
売買契約書として見せるので、銀行はそれに対してフルローンを出す。
で、実際はもっと安くでやり取りしているので、
結果、オーバーローンとなる。という具合です。

これは、ばれたら一巻の終わりもあり得ます。
即時全額返済を迫られても、契約違反は大家さんの方なので、
どうしようもない。
この手法自体は銀行の手続き厳格化ですっかり下火みたいですが、
これから大家さんになる方は手を出さないようにされた方がいいかと思います。

ちなみに、特に関西では実際の金額よりも「盛った」見積もりや、
契約書の事を「天丼」とか「天ぷら」と言ったりしますが、
あれはおそらく、見積もりや契約書中の数字を盛って「書き上げる」ので、
書き上げ→かき揚げ→天丼→天ぷらとなった。
もしくは実際の金額よりも「上げる」ので、
上げる→揚げる→天ぷら→天丼となった。

の両方に由来するんでは、というのがいろんな人から聞いた有力説です。笑

さておき。
そうはいっても確かにここ最近の自己資金を必ず求める風潮は、
ごもっとも。という所でしょう。
天丼だか天ぷらだかさておき、これは不正融資に他なりません。
これが横行して起こったのが、かつて話題となった
「かぼちゃの馬車事件」です。
詳しくは不正融資だけの問題ではないので、
また機会があれば書きたいとは思いますが、
要はこういったフルローン、オーバーローンが横行してしまったので、
家賃収入に比べて銀行返済が大変に大きくなり、
かぼちゃの馬車だけでなく、債務不履行に陥ってしまった大家さんが
多数出てしまったので、昨今の銀行の引き締めにつながった。
という所でしょうか。これはたくさん物件を買っていきたい人には、
ちょっと逆風かもしれませんが、
確かに間違った物件を買って破産するよりはいい。

銀行側も
「本気で不動産賃貸業をするなら、一割は自分で出して、覚悟を見せてもらわないと」
みたいな気分でいるんでしょうか。笑

すこし厳しい時代に入ったのかもしれませんが、
裏を返せば、1割出して買った物件はキャッシュフロー上も余裕が出て、
運営しやすい、という意味ではこちらの方がいいのかもしれません。
売る時も値段の部分である程度指値に応じれる余地も出る。
何より、いい物件を見つけること。これにつきますね。
引き続き頑張ってやっていきたいと思います。

それはさておき、
書いていたら海老天とビールで一杯やりたくなってきました。笑

本日もお読みくださり、ありがとうございます。

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