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こんにちは!
関西で子育てと大家業に精を出す佐山 潤(さやま じゅん)です。
子どもの寝かしつけを終えて夜中にブログを書いています。
早朝の作業もかなり集中できますが、
夜中もなかなか静かでいいですね。
ただ、早く寝ないと明日が、、、というプレッシャーはそこかしこに感じるのが困ったもんですが。。

さて、月初から中旬にかけては保有物件の家賃が続々と入ってくる時期で、
元々前月からいついくら入ってくるか計算しているので、
新米大家の頃と比べてさほど感情が動く事はないのですが、
私が唯一持つ関東の物件についてはたまに小さなサプライズを起こしてくれます。

「あれ、今月4万弱程入金が多い、なんで?。。。あ、更新か。」

関西物件だと少なくとも、築古郊外単身者用、
と3拍子揃った物件に、更新料を求めることがほぼできなくなっています。
更新料どころか、敷金礼金も取れない事がほとんどです。
(これが、都会とかファミリー物件だとまだ取れますが。)

しかし、関東だと、同じく3拍子揃った物件でも、
更新料を頂くのは割と当たり前です。
これは普段サラリーマンで家賃保証の仕事をしていても、
基本東の地域では更新料が発生して、
それを入居者さんがすっかり忘れていて、
家賃の銀行引き落としの際、残高不足になり、それを立て替える。
という事がよくあり、関東圏での更新料習慣の根強さを感じます。

不動産には以前ご紹介した容積率の問題もそうですが、
関西と関東でこうした商習慣の違いが結構あります。
で、一番代表的なのが、売買の際の敷金をめぐるやり取りです。
個人的には関西方式の方がありがたかった思い出があります。

関東では敷金を預かったままその物件を売る場合、
預かった敷金を売買代金から値引きする。
というやり方を取ります。

例えば敷金預かりが、合計100万円で、物件を3500万円で売る、
となると、売買代金を3400万円で売る。(ちなみに簿価は3500万円)
買主は目先、得することになりますが、
もちろん後程敷金を入れている入居者が退去する際に、預かった敷金を返さないといけない。となります。
でも債務の履行を先延ばしにできる上に値引きもしてもらえるのは、
買主にとってはいい事ですね。

翻って関西ではこういった預り金を考慮せず、先の例で行くと、
3500万円はそのまま売買します。
これはどういう解釈かというと、
「物件の所有権移転に伴い、敷金の返還義務、という責任(債務)も
従前所有者(売主)から新所有者(買主)へ移転する」
という考えを持ちます。
(ちなみに簿価は敷金100万円が足され、3600万円となります)
これは売主にとってありがたく、
敷金の差引をしないので、その分売主の取り分を担保できる。
という事になります。

この前提、関西方式のつもりで売却後の利益計算をしていたら、
買主が関東の方だった、という場合、
「敷金は差し引いてしかるべきだろ!」
となったりすると、予定していた利益が取れない、ケースによっては、
百万単位で手残りが変わったりする事もあるので、結構大変です。
売買自体なくなることもあるかもしれませんね。

今は私は敷金を頂かない事が多いですが、
持っている物件の多くが築古物件なので、
数十年単位でずっと入居されている方もおり、当時は当たり前だった敷金を20~30万払われている方もいます。
なので、特に関西物件では敷金の支払い債務を見越したうえで物件を買わないといけない。となります。
逆にそういう長い入居者さんが出て行かないまま売却できると、
言い方があれなんですが、、
ババ抜きで勝ち抜けできたような気分を味わえます。

ともあれ戸数が多いと本当に敷金だけで百万円を超える事も多分にあるので、
どちらの方式で売買するのかは、たとえ関西人同氏であってもしっかり事前に確認しておかないと、利益が残せない、という事にもつながります。

これをまとめると個人的には
関東方式は買主に嬉しく、関西方式は売主に嬉しい。
んじゃないかと思います。

ところでこの習慣、境界線はどこなんでしょうね?
静岡、名古屋、三重、、、??
以前探偵!ナイトスクープが、
人の悪口を言うとき「あほ」か「バカ」かはどのあたりで切り替わるか、
という画期的な(?)調査をして、結果、確か三重あたりで境界線が引かれていたのを思い出してしまいました。笑

本日もお読み頂き、ありがとうございます。

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