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それでも家賃を払わないとどうなるか

おはようございます。
関西で大家業と子育てに精を出す、佐山 潤(さやま じゅん)です。

前回(コチラ↓)に引き続き今回も家賃保証の話をしていきます。

悪質な家賃滞納者さん、この場合悪質とは3ヵ月以上の滞納を言います。
それにしても「悪質」はなんか響きがアレなんで、
「気合の入った」とでも呼びましょう。笑
気合の入った家賃滞納者はどうなるのか?

前回同様、本来7月末までに払う8月分を滞納しているという前提です。

簡単に流れを書くと
①明け渡し裁判を行う弁護士への委任のため、委任状を大家さんに送る 

②大家さんは送られてきた委任状に捺印する

③委任状が返ってくると、弁護士は賃借人に最後通告となる「契約解除通知」を送る

④それでも支払いがなければ契約解除実行。賃借人は建物を不法に占拠しているとして、建物明け渡しの裁判が行われる

⑤ほぼ確実に明渡命令が出される

⑥裁判所の指定した日に、裁判所の人が物品の撤去業者とともに賃借人の住む契約物件に訪れ、強制退去を断行する

⑦鍵を交換して新規募集

という流れになります。

以下詳細です。

保証会社は滞納3か月目である10月に入った時点で、
弁護士を使って建物明け渡し訴訟を起こす準備を始めます。
まず、原告である大家さんに委任状を送って、
弁護士に全権委任させる手筈を整えます。
委任状が大家さんから返ってくると、賃借人に対し、
弁護士と連携し、弁護士の名前で「契約解除通知」を送ります。

たまに勘違いされますが、保証会社が原告とはなりません。
物件の持ち主は大家さんなので、
「大家さんが賃借人を訴える、その手続きを弁護士に委任する」
という事をあくまで徹底します。
また、この間も保証会社は問題の賃借人に電話連絡や、
物件への訪問などを通じて督促行為を行い、
裁判へ発展しないように努力を続けます。なぜか?

裁判にかかる費用は全て保証会社が持つからです。


この一事をもってだけでも現存する大家さんは、すべての賃借人に対し、
保証会社への加入を義務付けていいと思います。
通常は弁護士費用や裁判費用、その他経費考えると50万はかかり、
強制退去迄長ければ1年かかってしまう強制退去を

無料で、3か月から半年程度

で終える事の出来る保証会社を使わない手はありません。
ちなみにここは保証会社によりますが、今回のケースで言うと、
11月分に当たる家賃からはしばらくの間、家賃保証が止まります。

これは、大家さんに対し、支払を一旦止めることで、
実際に大家さんにも損害が出ている、
という状況をあえて作る事で、退去をより確実にする、
という意図からです。
なので、裁判が終われば留め置きしていた家賃は全て支払われます。

こういった事情から保証会社としても、裁判をするのは避けたいのが本音です。
(督促の現場の人の中には今までさんざんもめた入居者を成敗できると息巻く人も、まあいますが。w)
多くの方は腹をくくって支払いしないか、そもそも連絡に応じなかったり、
すでに逃げて行方不明、という方もいますが、
中には「連絡にも応じるし、この状況何とかしたい、けど金がない」
という人もいます。こういう方にはどうするか?
なんと、

引っ越し費用を持つから早めに退去を促す


という事迄します。
これは私が保証会社に入って一番驚きました。
それ親切過ぎひん??
ですが、裁判にかかる費用50万と掛かっても10万ちょいの引っ越し代を
天秤にかけると、確かにこの提案はアリ、ということになります。🐜

で、退去後の支払いは?
もちろん督促が続きますが、入居中の時よりも、断然督促の手は緩みます。
しかも入居中は応じなかった分割払いにも応じるようになります。
要するに、保証会社としても「少し面倒」な部類に位置付けられます。
で、最終的には連絡取れない方も多数いるので、
サービサー(債権回収会社)に残った債権を二束三文で売り渡し、
おしまい。

となります。

ひょっとしたら気づいた方もいるかもしれませんが、
・引越提案してもらうまで滞納続けて、
・その後、督促の連絡は無視
するとどうなるか?

多分どうもなりません。
そうです。圧倒的に滞納者が得します。
最近つくづく思いますが、
借金はある一定のラインを超えると、、、具体的には、
差し押さえられるものがなければ、
差し押さえれるものに気づかれなければ

借金は貸した者より、借りた者の方が強い


という事です。
引っ越した後の新住所は、聞き取りのみで、確かめませんし、
職場は契約時に聞き取りしますが、転職してそれについて債務者がだんまりを決め込めば、それ以上は追えません。
賃貸物件に住んでいる方なので、不動産を所有している、
という事もほとんどありません。というかそこまでそもそも追求しません。
なんせ数が多いので。

ここまでの一連を金銭的負担含め、大家一人でできるわけない、
もっと言えば保証会社で取れない家賃債務は、誰も取ることができない。
この辺考えると、保証会社が大家にとって、
もはや外せない選択肢であるのが改めてわかります。

書いていて、自分でも勉強になりました。

本日もお読みいただき、ありがとうございます。

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