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「保証会社」は賃貸契約を解除できる?

こんにちは。
今日は朝から夕方まで電話に出っぱなしで、
電池が切れたのでブログを書くことにした、
関西で大家業と子育てに精を出す佐山 潤(さやま じゅん)です。

一年以上前の事ですが、2022年12月に、
家賃保証業界を一瞬震撼させた出来事がありました。

家賃滞納による明け渡しは不当!

として、フォーシーズという保証会社が敗訴したのです。

初めて聞いた時、「え!?」
となった記憶があります。
商売あがったり、、、すわ、転職か!?とか。

私は普段サラリーマンとして家賃保証会社に勤務していますが、
以前のブログにもある通り、
家賃保証には限度額があり、家賃の24カ月分とか定めがありますが、
毎回そこまで深刻な滞納者さんの分を保証していては身が持たない。
そこで、「大家さんに」事態の深刻さをわかってもらい、
契約に応じて明け渡し裁判の手続きを取るため、
「大家さん」から「弁護士」へ法的手続きの委任をしてもらう。

という事を行います。
この後、弁護士が行う法的手続きに伴い、契約解除を通知。
それでも滞納者さんが支払いしなければ、
最終的に裁判所の判決を得て、建物を明け渡す、、、
一瞬、これがダメだと思ったのです。
ですが、よくよく見てみると、そうではなく、

なんとこの会社の保証契約書に
①保証会社は、賃借人が支払いを怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3ヵ月以上に達した時は、無催告にて原契約(賃貸人と賃借人との間の賃貸借契約)を解除できるものとする。
②賃借人が賃料等の支払いを2ヵ月以上怠った場合 、保証会社が合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡が取れない状況にあった場合 、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から建物を相当期間利用していないと認められた場合 、建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存在する場合、賃借人が明示的に意義を述べない場合 保証会社は、建物の明け渡しがあったものとみなすことが出来る。

要約すると
①は保証会社の「独断」で賃借人(滞納者さん)へ
「大家さんと滞納者さんの」賃貸契約を解除できるとし、
②は保証会社が滞納者さんに連絡が取れなくて、かつ、
生活の痕跡がないと判断すれば建物を明け渡したとみなして、
保証会社の判断で「保証おしまい」とできる。

という意味合いかと思います。

、、、これは一般的に考えてもおかしな話です。
前提として、大家さんは賃借人と建物等賃貸借契約、
保証会社は大家さんと保証契約、賃借人と保証委託契約を結びます。
つまり、保証会社は賃貸借契約には出てこないので、この契約に関わることについて、どうのこうのすることはできないのです。

それで行くと、そもそも物件の所有者は
「保証会社」ではなく「大家さん」です。
持ち主の判断でその使用者と信頼関係を維持できない為、
権利を制限する、使わせないようにする、
という事に異論の余地はありません。
それを、持ち主でもない、かつ、賃貸契約に関係のない保証会社が、
勝手に判断して賃借人に契約解除を迫る。
連絡つかず、住んでる形跡もないと「判断すれば」明け渡したとみなす。

これがどれだけめちゃくちゃかは、言わずもがな、かと思います。
逆に最高裁まで争ったのがすごい。苦笑

佐山の職場からは
「こりゃ当たり前やろ!」「そらそうやわ!」
という声がちらほら上がっていました。
それにしてもずいぶん強行突破な文言を契約書に盛り込んでいたものです。
リーガルチェックしなかったのかな?

これ、もし私の保有する物件で、保証会社に勝手にこんなことされたら、
、、、怒っちゃうなあ。。。怒りたくないけどなあ。笑

本日もお読みいただきありがとうございます。

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