ティッシュ
先日、紅白歌合戦を実家で見ていた時の話。
缶ビールから缶チューハイに切り替えた辺りのタイミングで、坂本冬美さんが「夜桜お七」を歌っていた。メロディとサビ自体は以前聴いたことがあったので、油断していたのだが2番の冒頭でこんなフレーズが登場した。
“口紅をつけて ティッシュをくわえたら”
それからというものその後2,3曲の間、ずっとこのフレーズに取り憑かれていた。なぜ、演歌というジャンルにおいて“ティッシュ”という外来語を登場させたのだろう。お世辞にも語感がいいとは言えない“ティッシュ”というフレーズを使用した意図はなんだろう。この疑問を解消すべくネット検索をしてみると、同様の疑問を持っている人が一定数存在した。結論、答えはまだ出ていないようだった。(恐らく、作詞家本人が言及していない。)
自分なりの代替案としては、「ちり紙」「はな紙」辺りではないかと考えている。また「ちり紙」にすることによってこの曲一連の“儚い恋”を「ちり(散り)紙」で表現できるため、いいのではないかと考えた。ただ、やや曲全体の情緒感というか勢いにそぐわない(品位にかける)表現である点において、65点の代替案になっている気がして悩ましい。きっとこのレベルの思索については作詞家の林あまり先生は既に検討済みだろう。
いろいろ試案してみたが結果として「ティッシュ」がベストであるという考えに落ち着いた。結論としてはこうだ。
曲のテーマとしても取り上げられている「桜」はピンク色を。その外堀を埋める形で「燃える」「血」などのフレーズでは赤色を、「おぼろ月夜」は黒い空に霞む白を表現している。その他にも色を想起されるフレーズが多々出てきている。それに付随する形で「ティッシュ」は白をイメージ表現しているという説である。「桜」というフレーズをより際立たせるために、周りのフレーズにも彩色を取り入れ、対比としての美しさを表現しているのではないだろうか。(全然違ったらすみません。)
そんなことを考えていたら、年を越してしまっていた。人生は自分が思っているより長くはない。2024年はもっと有意義に時間を使うことを目標に生きていきたいと思えた。