世界一キモい僕がモテるためにした事

高校生2年ぐらいまで僕は自分が世界一キモい男だと思っていた。
女性とすれ違う度に顔を伏せ、相手と目を合わせないようにしていた。

なぜならキモいと思われるからだ。僕は本気でそう思っていた。

高校生と言えば恋愛的には生まれたての子鹿である。自我を覚えたばかりのひよっこである。自分が人からどう思われるかを気にする割に自分を客観視なんてできるわけがない。キャッカンシってなんですか?飛影か蔵馬辺りの必殺技かな?中二病全開である。

だから僕は理由なく自分はキモいに違いないという確信を持っていた。

そもそもカッコイイの基準なんてわからなかった。そのくせに一端の性欲はあったのである。まさに猿である。猿の性欲。どうすれば好かれるかでなく、どうすればヤレるかばかりを考えていた。

その頃の猿こと僕はカタクリXという自作オナホールの作り方を覚えたところだ。片栗粉を水で溶いてレンジでチンすると簡易オナホールになるんだが、最初は熱すぎてモノをやけどした。何度も繰り返し試行錯誤をし、最適な温度を見つけ出していた。カタクリXに飽きたら逆にお手軽に風呂場の椅子の穴にモノをぶち込んでよがっていたのである。文明を覚えた猿である。

何故この猿がそこまで自分がキモいと信じていたのかは、高校が男子校だったというのが大きかった。更に言えば高校でできた友達が、一人残らずキモかったのである。だから僕もキモい。それもコイツらより遥かに。そう思い込んでいたのである。

当然と言えば当然だが、この頃は女子の友達すら一人もおらず、父が棚に隠したVHSのAVで自分を満たしていたのである。しばらくしたらその棚には南京錠がかかるようになった。

遊びを禁じられた猿である。


高校2年の冬にオシャレデビュー!

急に高校オシャレデビューした!と思ったかもしれないが、高校2年の冬まで、マジで何もなかったからである。今思い返しても本当に何もなかったのである。学校に行って、家に帰る。ただそれだけである。まさに虚無の猿である。シュレディンガーの猿である。そこに存在すると思えばいる。いないと思えばいない猿なのである。

シュレディンガーの猿だった僕は高校三年を前に、ようやく立ち上がったのである。なぜなら女子高生を抱きたい!と思ったからである。大学生になって高校生を抱いたら犯罪だが高校生同士なら大丈夫だと思った。

このままではいけない!このままでは虚無の高校生活。女子高生の彼女をゲットするべく一念発起したのである。

こうして僕はただの猿だった時代から人間へと進化を遂げたのである。


モテるために見た目を改善!

まず僕が行ったことは見た目を変えることだった。これが高校2年の冬休みである。モテる人が高校デビューで行うことをようやく意識したのである。何を隠そう僕はこの時まで【カッコつけることはカッコ悪い】と思っていた。なぜならカッコいい人はだいたいカッコつけていないと思っていた。例えば悟空はカッコつけることをしない。自然体そのものだ。自然体がカッコいい。それが一番かっこいいと思っていたのだ。

今考えるとそれは漫画の話で、現実でカッコつけてないのにカッコいい人はいない。現代の人はみんなかっこつけているあ。もし自然体が1番カッコいいといまだに信じている猿以下のマントヒヒ野郎はホームレスでも見ればいい。

具体的には髪にワックスを付け妹が使っていたストレートアイロンを使うようになり、服もマルイに行きファッション誌の真似をするようにした。

それまではほぼ兄貴のお下がりを着ていた。

こうして僕は虚無の猿から衣類を着た猿に進化したのである。この変化は僕の中ではかなり大きかったが、周りの反応は大して変わらなかった。唯一反応があったのは妹から「まぁマシになったんじゃない?」と言われたぐらいだ。女子に話しかけられることも特にない。そもそも高校は男子校だったので女子と会う機会がなかったのである。つまり表面上は何も変わらなかったのである。だが大きく変わったことが一つあった。
それは自分に少し自信を持てたのである。もちろん他の人が普通に持つ自信とはまだまだ差があったが、ようやく顔を上げて歩くことができるようになった。

周りの反応は変わらなくても自分はオシャレをしているという事実だけで少し強くなれたのである。だがまだまだ人間とは言えない。これではまだオシャレを求愛行動にする動物。せいぜい孔雀である。

孔雀というとカッコ良すぎるから他の着飾る求愛行動を探したのだけどいなかった。

だから僕は孔雀だ。猿から孔雀に進化した。突然変異である。

結局のところ見た目を変えても周りの反応に変化は何もなかった。だが確実に変わった。それは自分自身だった。猿から孔雀に突然変異したところで高校時代は終わった。

次回、世界一キモい男ギャル男に憧れる。


#モテる #キモい #体験談


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