龍と狐と晴れ男と雨女。

僕は晴れ男という自覚がある。

外で遊ぶ用事の日、雨が降ったという記憶がほぼない。しばらく前に友人を多く集めてBBQをした時なんか、二週間ずっと雨が続き、予定日からその先もずっと雨の予報だった。ところがいざ当日を迎えて見たらその日だけかんかん照り。梅雨の時期で若干肌寒い日が続いていたのにその日だけは真夏日だった。

 

他にも僕の住む東京が大雨の日なんかはちょうど旅行で別の場所に行っていた。その場所は晴れだったり、悪くても傘のいらない程度の小雨。

今年30ながら出かける時雨だった記憶がほとんどない。

 

晴れ男雨女などそれほど信じているわけではないが、大体友人と遊ぶ時でも天気予報など見ずに、どーせ晴れると思っていた。前から雨の予報だとしても晴れると思い込んでいて、実際に晴れてきていた。

 

ところが今の彼女は自称雨女とのこと。そんな女には過去何人も会ってきた。私雨女なんです〜って。だが実際に2人で出かける時に雨が降った記憶はない。だから今の彼女にも「あぁ、そのパターンね。」と流していた。

 

だが、これは僕にとってはかなり衝撃だったのだが、彼女と2人で長野にイチゴ狩りのバスツアーに行った時のことだ。

先月の3月21日。覚えている人もいるかもしれないが、3月にもかかわらず真冬日。東京でも雪が降った。そして僕はその日に長野に行ったのである。雨を通り越して大雪である。一週間前から天気予報は知っていたが、どうせズレると大して気にしていなかった。ところが大雪。これがかなり衝撃だったっ!

 

急にテンションが上がって驚いたかもしれないがそれぐらいの衝撃だったのである。完敗だ。僕は雨女に完敗したのだ。

 

 

「自信満々に晴れるだろ」と言っていた僕の晴れパワーは彼女の雨力にボコボコにされたのである。僕のささやかな自信は彼女の圧倒的なレイニーブルーによって跡形もなく打ち砕かれたのだ。

 

それからも彼女と会う時は決まって雨だ。ここ1ヶ月以上彼女と会う時は必ず雨。一昨日ご飯に行っても雨だったし、来週ディズニーに行く予定もあるのだが、現状その日だけ計ったかのように雨の予報だ。

 

晴れ男、雨女は本当なのか?

 

あまりにも彼女と遊ぶ時ばかり雨なのだ。今僕は雨女という存在を信じずにはいられない。

 

気になって晴れ男、雨女について調べて見た。

雨男や雨女は龍神系の存在に守護され、 晴れ男・晴れ女は、稲荷系に守護されてる。

●龍神系。 雨男や雨女。飲み物をたくさん飲む(水が恋しい?)、慌て者、気が強い、豪快だが、大雑把でずぼらでもある。気が向かないときは超テキトウ。白黒ハッキリさせたがる個性を持っている。結果を早く求めてしまうせっかちな所もある。勝負強く、気も強いのですが、妙な所で気持ちがブレてしまう欠点もある。

●稲荷系。 晴れ男や晴れ女。まじめだが飽きっぽい。手先が器用。悪ノリすることがある、嘘を付きやすい、おっちょこちょい、 人の上に立つのは苦手。女性は美女が多い。細かい所に目が届く器用な所がある。優柔不断で気の弱い所もあるのでリーダーには不向きなタイプ勤勉家ですが落ち着きが無く、飽きっぽい所があるのも特徴。

 

まさかの龍神と稲荷。面白半分で突ついて見たらとんでもない化け物が出てきてしまった気分。稲荷とはつまり狐の神様のことらしい。

 

龍と狐だ。そりゃあ負ける。僕は狐を担いで自信満々だったわけだ。要は僕は狐を担ぎ、今まで子供のような龍を倒してきたのだ。まだこれから大きくなるであろう龍の子供を僕の狐はボコボコにしてきたわけである。ただの弱いものいじめじゃないか。


そこにガチの龍神が現れたのである。最初は狐も自信満々だっただろう。

「お前のようなものに何ができる」

狐は今までの経験から龍は小さいもの。そう思い込みいつものように食べようとするだろう。

「お前とは…わしのことか…?」

そこに現れる龍神。その姿は神龍(シェンロン)さながら。

「え…」

怯える僕の稲荷。

 

「主人は雨を望んだ。お前ごときが邪魔をするのか?」

吠えるシェンロン。

 

「いや…あの…」

怯える僕の稲荷。

 

完敗です。僕の稲荷じゃ龍神には勝てません。そもそも龍に相対するのに狐って弱すぎませんか?龍はダメでしょ龍は。

 

あのレイニーブルー龍背負ってやがったのか。勝てません。勝負はもう終わっていました。私も今日はそっと雨です。

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