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黒髪のテロリスト
思い出の備忘録として。
マッチングアプリって、たまに「え、本当にこんな人いるの?」ってくらい美人の写真に出会うことがあるじゃないですか。
まあ、大体加工だよね。分かってる。みなまで言うな。
でも今回、そんな美人から「会いませんか?」ときた。
半信半疑(いや半分以上の疑いで)でOKして、待ち合わせの場所へ向かったワケ。ひまだったし。
見惚れてしまう立ち姿
約束の時間、先に着いてキョロキョロしてたら、向こうから歩いてくるロングヘアの美女が見えた。
スタイル抜群、服装も上品、なのにちょっとセクシー。
あー、あんな人と仲良くなりたいなーと思いつつ、でもさすがに違うよなと。
アプリの写真より美人とかあり得ないでしょって思って、ついスルーして通り過ぎちゃった。
その瞬間、背後から声が。
「あのー…?」って。
振り返ったら、その美女がこっち見てニコニコしてる。
え、マジで? これ、あの子なの? 一瞬、世界がスローモーションになりました。
大袈裟だけど。
罪な女。いや、もはやテロリスト
カフェに入って、彼女の話を聞き始めただけど、まあエピソードがすごい。
大企業でバリバリ働いてて、周りの男性社員が戦々恐々としてるらしい。
何となくわかるぞ、男性社員たちよ。
「でも、仕事だけじゃつまらないから、こうやって気晴らしも必要かなって思って」とかサラッと言うんですよ。
その笑顔、完全に罪。
キラリと光る飾り
ただ、彼女の左手の薬指がキラリと光るのを見逃さなかった。
そう、既婚者です。
で、思わず「え、じゃあこれってどういう感じなんですかね?」と聞いたら、「うーん、まあ楽しい時間が大事じゃない?」って悪びれる様子もなく答える彼女。
願ったりかなったり。でも、この状況をどう処理したらいいんだ。
メッセージで、「お互いにあるなしあると思うからなかったらなしでお互い言おうね」と伝えていたので聞いてみた。
「私は宝くじに当たったと思ったよ。」
いや、むしろこっちは美人局に当たったと思っている。こわい。
話は楽しくて、気づいたら30分があっという間。
お互い了承のもと、歓楽街で致す。
だけど、歩いてる最中も心のどこかで「これって…美人局じゃないよな??」と警告音が鳴り響いてた。
解散のタイミングで「今日はありがとう!またね!」って爽やかに去る彼女を見送った。
帰り道で思わず「これは…無事だったのかな…?」とビルの隙間から空を見上げた。
その後も何度か会っている。
どうやら無事らしい。
おしまい。