まな板作りから学ぶ
先日、わが家に長く置かれたままの木材を使ってまな板を作ってみた。
コロナ禍はるか以前の話ですが、わが家では教室の生徒さんや日頃お世話になった人、また仕事でお世話になった人を集めて忘新年会を開催していました。
お稽古場がちょうどよい会場となり、そういえば台所も廊下を挟んですぐ横にあったので、イイ感じの使いやすさになっていたような気がします。
忘新年会では地元の食材もそうですが、青森から取り寄せた食材、また親せきから送られてきた食材を使って手作りしていました。
大人数相手の食事の用意にもなりますし、つまみとなる肴に刺身は不可欠。
また冬となれば鍋の主役はタラ。
大きなタラやサケ、ブリを捌くなんてのも母親がやってました。
そんな事情に合わせて道具もあちこちから差し入れられたりします。
出刃包丁と刺身包丁は九州から良いものが。
ヒノキの大きく厚みのあるまな板は三重から。
今も現役で使っていますが、まな板がかなり傷だらけになりました。
さすがに黒ずんでいる場所もあるし、そろそろ手入れをしなくてはと思っていたのはコロナ禍直前。
それから丸3年以上になるわけですが、作ってくれたひとのいる三重へはなかなか行く機会もありません。
自分でなんとかお手入れするしかないわけで、あれこれインターネットで調べてみたりしてお手入れ終了しました。
まな板の最適材はなんだろう?
まな板をきれいにならし削るカンナの刃の調整はどうやるんだろう?
カンナの種類もけっこうあるけど、うちのカンナはどれになる?
カンナの刃の研ぎ方は包丁と一緒なの?
最近は文章や画像だけでなく動画で解説しているものがあります。
とても役立ちました。
わたしはYouTube先生なんて呼んでますけど、ほんとにスマートフォン片手に集中すればある程度の技術は伝達できるんだと実感してます。
津軽三味線だって同じだと思いますね。
ある程度のところまでは自分で研究し、自分で体得してくる。
教室へ通うのはある程度まで行ってから。
熟練までの時間短縮は本人のお稽古時間のやりくり次第。
教室へ通うための経費削減にもなるし、国境が無いインターネット上なら世界へ伝達することが出来ます。
教える内容によっては演奏者間のこだわりが出てくるでしょうね。
わたしならこうやってる。
あいつのやっているこれは理屈に合わない。
なんていうやり取りもあっていいと思います。
選ぶのは覚えようとする人だから。
剥き出しの感情でやり取りした方がおもしろいですね。
真意が伝わるし、疑問を投げかけることが出来ます。
あなたならどうする?
最近、教室で教える事に関して考える時間が増えました。
舞台での演奏も同じ。
商売として、お金を稼ぐための活動を見直す時期になってきたんだと思います。
年齢的にも体力的にも演奏力のピークというものがあります。
あるところから落ちていくのが筋力と重さ。
あるところから増すのが表現力と思考力。
その境目が実力のピークだと私は思ってます。
今の技術を残すためにはどうしたらいいだろうか?
この技術を埋もれさせないためにはどうしたらいいだろうか?
答えは伝えればいいだけ、伝わればいいだけの話。
だれに伝わったかなんてのはどうでもいいのだ。
YouTube先生のおかげで徒弟制度の煩わしさが解消され、技術の純粋な伝達の一助になるのではなかろうかと思う。
これは考え時だぞ。
うん。
続きはまた…