社会人が法科大学院に進学する際の給付金制度について

返済不要の給付金

 法科大学院にこれから進学することが決まっている社会人(特に雇用保険に加入している会社員)の方は、学費の半額に加えて、毎月、給料の6割程度の給付金(いずれも返済不要)がもらえる場合があります
 この制度は、前者が「専門実践教育訓練給付金」、後者が「教育訓練支援給付金」というものです。

 仮に授業料が年80万円、支援給付金の毎月受給額が12万円とすると、未修コースの場合は3年間で教育訓練給付金が120万円、支援給付金が432万円、合計で550万円を国から受けられることになります。
 大学院の授業料免除に通れば、仮に半額免除だったとしても、訓練給付を利用すれば学費の自己負担が年間20万円に抑えられることになります(厳密には、修了して一定の保険形態で再就職をした場合にはさらに給付をもらえます)。
 要するに、かなり資金繰りが楽になります。私も、この訓練給付と支援給付がなければ法科大学院進学はせず会社員を続けていたと思います。

 給付対象や給付額、申請手続などは年度によって変更があるようですが、制度そのものは続いているので、自身が給付対象なのか必ず確認した方が良いと思います。
 給付対象とわかった場合でも、手続きには一定の週数がかかります。申請期限に間に合わなくなる事態を避けるために早めに問い合わせをした方が良いでしょう。

ハローワークで確認を

 ただし、この制度は国が行なっている各種リスキリング支援制度の一種で、法科大学院進学者には無関係な制度とごった混ぜになってHPで解説されているため、ネットで調べて理解するには時間がかかります。
 そのため、まずは自身の居住地域を管轄するハローワークに「法科大学院に進学するが、専門実践教育訓練給付金や教育訓練支援給付金の対象なのか確認したい」と問い合わせてみるのが早くて的確だと思います。

手続きの流れ(例)

  参考までに、数年前に私が申請した際の流れの概要を記載しておきます。
(退職前)
1月中旬
 ハローワークへ。専門実践教育訓練給付金を受けたい旨を伝えると、制度の案内を受ける。いろいろな書面や、予約すべきサービスなどについて教えてもらう。
1月下旬
 ハローワーク。雑談形式で、「キャリアコンサルタント」という役職の担当者と面談し、支給申請に必要な書類を完成させる。
 そのままハローワークの給付申請窓口へ移動。受給資格の確認・申請書を記入。マイナンバーカードがあると手続きがスムーズ。また、教育訓練期間の指定番号を記入するところがあるので、事前に厚生労働省の検索ページで調べた方がいい。 後日
 教育訓練給付の受給資格票が郵送で届く。→ 入学後に手続きする
 ※私は3月末まで会社勤めし、4月に入学というパターンだったので、4月に申請しました。しかし、タイミングは人により異なります。仮に2月中に退職などの場合、入学前に教育訓練給付の申請が必要になります。
(退職、入学後)
4月〜6月

  月一回、失業給付の認定を受ける。
 ※4~6月までは給付制限期間なので、失業認定には行く必要あるが失業手当も教育訓練給付ももらえない
7月〜9月 →ここから失業手当を受けられるようになる
 月一回、 失業給付の申請を行い、大体一週間後に振り込まれる。
*次回、教育訓練”給付”制度(授業料補助のほう)の受講証明などを求められるので、大学側に連絡しておく。大学側から書類が3~4通発行される
10月 →ここから教育訓練給付金・支援給付金が受けられるようになる
 教育訓練給付と、訓練支援給付の支給申請。これも1週間ほどで振り込まれる
以降
 2ヶ月ごとに支援給付金の申請、半期ごとに訓練給付も合わせて行う。


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