『ガリレオのやかん』ショートショート小説
私の名前は、ガリレオガリレイ。
周りから天才だと言われている。
そんな私には秘密にしていることがある。
実は、ちょっと前まで普通の人だったということは誰も知るまい。
大学で勉強がはかどらず、コーヒーでも飲もうかと思い、お湯を沸かした。そしたら、びっくりするくらいに何でも分かった。
夢中になって、問題を解きまくった。しかし、しばらくするといつも通りに戻ってしまった。
やかんを見ると水が全部沸騰し終わって、水がなくなっていた。
いろいろ試していくうちに、このやかんでお湯を沸かすと水が沸騰している間は、天才になることが分かった。
ある時、ふとコペルニクスの地動説という本を読んだこれは誰も信じられていない地球が太陽の周りを回っているのではないかという説だった。
これは衝撃だった。
早速、お湯を沸かして読んで考えたら、今、信じられている太陽が地球を回っているという説は間違っていて、地動説が正しいことを証明することができるということに気づいた。
それを公表しようと考えていた。
この地動説のことを友達とかにも話していくうちに噂が広まっていった。
ある日、街を歩いている時、
「ちょっといいか?」
とごつい体の人に呼び止められた。
「何だ」
と言った
その数秒後、強そうな人たちに囲まれて、連れてこられたところは、ローマ教皇がいた。
カトリック教会のお偉いさん達がたくさんいる。
一体何が始まるというのだ。
ローマ教皇は言った。
「天動説は間違っている。地球が太陽の周りを回っているに決まっている」
それに対して
「地球が太陽の周りを回っている!」
と反論した。
「ここで証明して見せろ」
とローマ教皇は言った。
まずい、あのやかんでお湯を沸かせなければならない。
「すぐ戻ってくるので、ちょっと待ってくれ」
と言った。
「絶対すぐに戻って来いよ」
と言われた。
急いで戻って慌ててやかんに水を入れてお湯を沸かした。
すぐに戻り
「戻ったぞ、今から証明して見せる!!」
と言った。
よしこれで認められぞ、と活き込んだが、おかしいおかしい、全然頭が回らない、、、、
だんだん焦ってきた。
どうしよどうしよ、、、
何でお湯を沸かしてきたのに、、、
ガリレオは知らなかった。
やかんに火がついていなかったことに、、
急ぐあまりに扉を閉め忘れ、風で火がすぐに消えてしまっていたのだった。
ガリレオに終身刑が言い渡された。
監獄の中でガリレオは言った。
「それでも地球は回っている」と