ニコラス 第6章:覚醒する少女
導入
チームTRANSCENDAのアジトに突如として襲撃者が現れ、トリアが誘拐されてしまう。ロイから託された護衛の任務に失敗したニコラスは、キャシディと共にトリアの救出に向かう。
エニグマの教会に潜入した二人を待ち受けていたのは、強大な力を持つ幹部魔術師たちだった。絶体絶命の窮地の中、ニコラスは新たな力に目覚める。
仲間を守るため、そしてロイへの責任を果たすため、ニコラスは決死の戦いに挑む。
1. トリア誘拐
黄昏が街を包み込む頃、チームTRANSCENDAの拠点に不穏な空気が漂い始めた。
古びた壁の向こうから何かがやってくる。
窓際に立つニコラスは、微かに震える窓ガラスを睨みつける。
「来るぞ…!」
彼の警告が終わる前に、轟音が響き渡った。
爆発の衝撃で建物全体が揺れ、壁に亀裂が走り、砂埃が舞い散る。
黒煙の向こうから現れたのは、統制の取れた黒ずくめの精鋭部隊だった。
「傭兵部隊か…しかも上級クラスだな」
ニコラスは冷静に状況を分析しながら、背後のロイに声をかける。
「ロイ、魔術師も確認できる。援護陣形を組んでる」
「何人だ?」
ロイの声には緊張が滲む。
「傭兵が10、魔術師が5…魔術増幅装置も確認できる。準備万端ってところだな」
ニコラスは素早く数を数え、淡々と報告した。
ロイは歯をくいしばる。
「エニグマか。キャシディ襲撃が失敗したから、今度は正面から来たんだな」
突如、紫がかった光が空間を切り裂いた。
魔術師たちの詠唱が重なり、複数の攻撃魔法が放たれる。
ニコラスは瞬時に身を翻し、背後の壁が炎に包まれるのを見た。
「分散して迎撃する!魔術師を先に潰すぞ!」
ロイの指示が飛ぶ。
「了解!」
ニコラスが応じ、敵に突進していく。
だが、敵の動きは予想以上だった。
「くそっ、囲まれたか!」
ニコラスの拳が最も近い傭兵の顎を捉える。
最新の防護服で完全武装している相手だが、ニコラスの一撃は喉元の隙間を正確に突き、相手は呻き声を上げる間もなく崩れ落ちた。
「こいつら、相当の手練れだ。動きが違う」
別の傭兵が接近してくるのを見ながら、ニコラスは警戒を強める。
「あちらもなりふり構ってられないってことだな」
一方、ロイは別の一団と対峙していた。
彼の動きには無駄がない。
一瞬の隙を突き、敵の陣形を崩し、的確な打撃で次々と敵を倒していく。
「後ろ!」
その時、トリアの警告が響いた。
ロイは咄嗟に身をひねり、背後から襲いかかる傭兵の攻撃をかわす。
「サンキュー、トリア」
ロイは感謝の言葉を投げかける。
「だが、さっさとここから離れろ。早く避難を…」
その時、建物の別の場所から大きな衝撃音が響いた。
続いて、トリアの悲鳴が聞こえる。
振り向くと、傭兵たちにトリアが拘束されていた。
ニコラスの表情が一変した。
「包囲網の死角から別働隊が…!」
ロイが叫ぶ。
「陽動作戦か!」
「させるか!」
ニコラスは敵の包囲網に突進するが、魔術師たちの結界が彼の進路を遮る。
幾重にも重ねられた防御の壁が立ちはだかる。
「クソッ…!」
ニコラスは魔術の壁を殴りつける。
「この程度の結界で俺を止められると思うな!」
その時、キャシディが駆けつけた。
彼女の目には、普段の優しさからは想像もできない鋭い光が宿っている。
襲撃者との戦いで負った傷がまだ癒えていないはずだが、行動に迷いはなかった。
「私が行くわ」
彼女の声は静かだが、芯の通った力強さがあった。
「トリアちゃんは私の家族よ。エニグマに子供たちを奪わせない。必ず取り戻す」
キャシディは拳を強く握りしめ、強い決意を込めて続ける。
「今は私が、トリアちゃんを守る時だわ」
ニコラスは無言で頷き、二人は暗闇の中へと身を投じた。
背後では、ロイが敵の追撃を食い止めている。
「行ってこい!ここは任せろ!」
ロイの声が響く。
「トリアを…必ず連れ戻してくれ!」
「わかった」
ニコラスは振り返らずに答えた。
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月明かりが照らす街並みを、二つの影が疾走していく。
エニグマの本拠地である大聖堂へ向かって──。
「キャシディ、大丈夫か?」
走りながらニコラスが声をかける。
キャシディは軽く頷いた。
「ええ、大丈夫。それより…」
彼女は前方に目を凝らす。
「エニグマは必ず迎撃部隊を配置しているはず。気を抜かないようにしましょう」
「ああ」
ニコラスは短く答え、さらに速度を上げた。
二人の表情には、トリアを救出する固い決意が刻まれている。
街の喧騒が遠ざかっていく中、大聖堂の尖塔が月明かりに浮かび上がった。
2. 月下の潜入
月光が冷たく降り注ぐ中、ニコラスとキャシディは密かに魔術師教会エニグマへと忍び込んでいた。
遠方からはマキシマスが術式を展開し、エニグマの結界を無効化しながら、二人の気配を消している。
大理石の床には複雑な幾何学模様が刻まれ、至る所に結界の痕跡が残されている。
壁に飾られた古の魔術師たちの肖像画が、廊下を進む二人をまるで非難するように見下ろしていた。
二人に与えられた時間は多くはない。
セレスティア覚醒の儀式完成が目前に迫っているのだ。
「儀式が始まっているな」
ニコラスが低い声で告げる。
彼の鋭い視線は、大聖堂から漏れる青白い光を捉えていた。
「思ったよりも早いわ…」
キャシディの表情が曇る。
「トリアちゃん…」
その名を口にした瞬間、キャシディの胸に鋭い痛みが走る。
彼女が守るべき娘は今まさに、敵に囚われて救いを待っている。
重厚な大聖堂の扉をゆっくりと開くと、広大な空間が二人を出迎えた。
床一面に描かれた巨大な魔法陣、その中心でトリアの体が宙に浮かんでいる。
魔法陣の周囲では、12人の上級魔術師が詠唱を続けていた。
「侵入者か」
長老らしき魔術師が冷徹な視線を向ける。
「愚か者め、セレスティアの再誕を止めることなどできるはずもない」
その言葉が終わる前に、ニコラスが動いた。
三歩で距離を詰め、魔術師の詠唱を腹への一撃で潰す。
さらに横から襲いかかってきた二人目の魔術師の手首を掴み、背後に捻り上げる。骨の軋む音が響いた。
「結界を張れ!守りを固めろ!」
右翼の魔術師が慌てて号令をかける。
床から光の壁が立ち上がり、二人を挟み込もうとする。
キャシディの短剣が一閃する。
刃は魔力を帯びた結界を紙のように裂き、術者の肩口を的確に捉える。倒れ込む魔術師の背後から別の術者が現れるが、彼女は既に動いていた。
回転しながら間合いを詰め、短剣で相手の詠唱を封じる。
だが、敵の防御は厚く、すぐに次の結界が張られる。
キャシディの動きは俊敏だが、攻撃を完全に捌くことは難しくなっていた。
「破壊の雷よ、我が敵を焼き尽くせ!」
魔術師たちの雷撃が走る中、ニコラスは蛇のようにその攻撃を躱す。
紫電は後方の壁を粉砕し、砕けた石材が雨のように降り注ぐ。
「キャシディ、大丈夫か!」
ニコラスが叫びながら、敵の陣形を突き崩そうと奮闘する。
だが、キャシディもまた一筋縄ではいかない敵を前に苦戦していた。
「平気よ、まだいける!」
キャシディの声は力強いものの、その動きには徐々に疲労の色が見え始めていた。
魔法陣の輝きが次第に強くなっていく。
トリアの髪が徐々に白銀へと変わりつつあり、儀式の完成が迫っていることを如実に物語っていた。
「残り8人…!」
キャシディが短剣を構え直し、焦りの滲む声を上げる。
「中央を突く」
ニコラスの声は冷静だが、緊迫した響きを帯びていた。
「援護を頼む」
二人は息を合わせ、再び魔術師たちの防衛線へと突進する。
ニコラスの豪雨のような打撃が術式を力で押し破る。
キャシディの短剣は敵の死角を縫うように動き、次々に詠唱を寸断していく。
しかし、魔術師たちの猛攻は苛烈を極めた。
魔法陣の光が一層強くなり、その圧力に二人の体が押し戻される。
「くそっ…!」
ニコラスの顎が強張る。
このままでは間に合わない――!
キャシディもまた、限界に近づいていた。
「どうにかして中央を…!」
二人は何度も攻め込もうとするが、魔術師たちの結界と攻撃に阻まれ、前進することができない。
不気味な静寂と光が大聖堂を支配する中、二人の足が止まった。
「ニコラス、まだいけるかしら…?」
キャシディが息を整えながら問う。
「ああ、最後までやる」
ニコラスは短く答え、拳を握り直した。
二人は再び攻撃を開始するが、儀式の進行は止められず、敵の防御もさらに硬化していく。
最後の突破を試みようとする中、トリアを包む魔力が次第に膨張し始め、大聖堂全体を青白い光が覆い始めていた――。
3. 覚醒する少女
大聖堂の中央祭壇で、魔力の渦が巻き上がった。
長老を中心に、上級魔術師たちが円を描くように立ち並び、古代語で詠唱を繰り返す声が重なり合う。
その中心には、魔法陣の上で横たわるトリアの姿があった。
刻一刻と輝きを増す魔法陣の光が、少女の青白い頬を照らしている。
「ああ…覚醒が始まってしまったのね…」
キャシディは震える声で呟いた。
セレスティア覚醒の儀式が完遂されれば、トリアは二度と戻らない。
エニグマの手によって、彼女の記憶も、笑顔も、全てが消え去ってしまう。
幼い頃のトリアの思い出が、走馬灯のように駆け巡る。
初めて歩けた日の嬉しそうな表情。
転んで膝を擦りむいた時の涙顔。
料理を手伝おうとして失敗した時の申し訳なさそうな笑顔。
全て、全てが消えてしまう。
代わりに宿るのは、知らない聖女の意識。
それはもう、彼女の知るトリアではない。
「そうよ…この儀式は、トリアを殺すのと同じこと」
キャシディの拳が震えた。
儀式が進むにつれ、トリアの体から人間らしい温もりが徐々に失われていくのが分かった。
その代わりに、聖女セレスティアの冷たい魔力が満ちていく。
「トリアを、私の大切な娘を…絶対に守らないと!」
キャシディは一歩前に踏み出した。
魔法は使えなくとも、母として、トリアを守り抜く覚悟が彼女の瞳に宿っていた。
祭壇の周囲では、長老を筆頭に、幹部と上級魔術師たちが厳かに儀式を執り行っていた。
彼らの詠唱は次第に強さを増し、魔法陣からの光が大聖堂全体に満ちていく。
その声は歪んだ和音となり、大聖堂に不気味な反響を生み出していた。
トリアの意識が徐々にセレスティアへと書き換えられていく音なのだと、キャシディには分かった。
「くそっ!」
ニコラスは上級魔術師たちの放つ魔法攻撃を必死に受け流しながら、歯を食いしばる。
既に両腕には無数の傷が刻まれ、赤い血が滴り落ちていた。
「このままじゃ、トリアが…!」
突然、大聖堂全体が激しく揺れ始めた。
トリアの体が宙に浮かび、魔法陣が眩しさを増していく。
天井のステンドグラスを通して差し込む月明かりまでもが、異様な輝きを帯びていた。
「セレスティアの力が目覚める…我々の悲願が、ついに」
長老が高らかに告げる。
その声には陶酔めいた響きがあった。
「人の子トリアは消え、我らが求める聖女が降臨する」
「違うわ!」キャシディが叫ぶ。
「トリアはトリアよ!あの子の心まで奪うなんて…許せない!」
その時、予想外の出来事が起きた。
トリアの閉じられた瞳から、一筋の涙が流れ落ちる。
その瞬間、彼女の体から放たれる光が変質し始めた。
それは単なる魔力の発露ではなく、まるで意思を持つかのように揺らめいていた。
「…守りたい」
かすかな声が、トリアの唇から漏れる。
まだ、彼女の意識は完全には消えていなかった。
「大切な人たちを…みんなを…守りたい」
その瞬間、トリアの願いが直接ニコラスの心に響いてきた。
突如として、彼の体の中で眠っていた力が目覚める。
「これは…?」
全身に力が満ちていくのを感じる。
まるで体の芯から沸き上がってくるような温かな感覚。
それは聖女の冷たい力とは異なる、人の心の温もりに似ていた。
特殊能力「POWER FIGHTER」の覚醒。
ニコラスの筋肉が瞬時に増強され、全身から青白い光が放たれる。
なぜトリアと自分がこのように共鳴したのか、理解することはできない。
しかし、この力が二人の間にある何かによって引き出されたことは確かだった。
「トリアを…返せ!」
ニコラスは地面を蹴る。
その瞬間、床面が陥没するほどの力が解放された。
「BLITZ PUNCH!」
渾身の一撃が、幹部たちの展開していた結界を粉砕。
衝撃波が大聖堂内を駆け巡り、魔術師たちの陣形が崩れる。
大理石の床には蜘蛛の巣状のひびが広がり、祭壇の柱が軋むような音を立てた。
「な…何故だ!?セレスティアの力が、何故このような下郎と共鳴する!?」
長老が驚愕の声を上げる。
その隙を見逃さず、キャシディは武術の訓練で培った身のこなしを活かし、混乱する魔術師たちの間を縫うように駆け抜けた。
儀式の詠唱が完全に途切れた瞬間、魔法陣の輝きが急速に収束していく。
トリアの体が静かに祭壇へと降り立った。
「ありがとう…みんな」
トリアは、か細いながらも確かな声で告げた。
それは間違いなく、彼女自身の声だった。
大聖堂に静寂が戻り、月明かりだけが祭壇を照らしていた。
キャシディはトリアに駆け寄り、その温もりを確かめるように強く抱きしめる。
まだそこには、彼女の知るトリアの体温があった。
ニコラスは静かに二人を見守りながら、自らの拳をじっと見つめていた。
自分の中に確かに残る、力の余韻を感じていた。
トリアとの間に生まれた不思議な共鳴は、謎として残されたままだった。
しかし、それは確かに二人の間に特別な絆が存在することの証だった。
4. チームへの帰還
大聖堂はまるで崩壊したかのような静けさに包まれていた。
ニコラスは祭壇の中心で光に包まれるトリアの姿をじっと見つめていた。
鋭い目に一瞬の安堵の色が浮かんだが、それを表情に出すことはなかった。
「行くぞ、トリア」
短く言い放ち、冷静に次の行動を指示する。
キャシディもそれに応えるように、周囲を警戒しつつ足早にトリアの横に立った。
「ニコラスさん、キャシディさん、ありがとう…本当に…」
トリアの声は震えていた。
か細く弱々しい声だったが、その中には本物の感謝が宿っていた。
「礼を言うのは後だ」
ニコラスはぶっきらぼうに言いながら、前方を睨みつけた。
キャシディは微かに微笑みながら彼の言葉を引き継ぐ。
「そうね、まずはここを脱出しないと。歩けるかしら?」
「…はい、大丈夫です」
トリアは小さく頷き、ふらつきながらも立ち上がった。
三人は迅速に行動を開始した。
ニコラスが先頭に立ち、キャシディが後衛を固め、トリアを守る形で進む。
廊下には戦闘の名残が生々しく残されていた。焦げた床、崩れた柱、どこかから漂う鉄の匂いが、緊張感を際立たせる。
「騒ぎを聞きつけた奴らが来るぞ」
ニコラスが鋭い声で警告した。
その言葉通り、暗闇の向こうから重い足音が響く。
敵の衛兵たちが増援に現れたのだ。
「こんな時に…!」
キャシディが短剣を抜きながら低く呟く。
だがその時――
「援護する!」
遠方からマキシマスの術式が展開された。
眩しい光の壁が現れ、追っ手をさえぎる。
光の波が敵陣を混乱させる中、ニコラスたちはその隙を逃さず一気に駆け抜けた。
「マキシマスがやってくれたわ」
キャシディが短く言い、安堵の息を吐く。
「助かった」
ニコラスも頷き、さらに足を早めた。
冷たい夜風が頬を打ち、彼らはついに教会の外へと脱出した。
その先には、シルヴェスターとマキシマスの姿があった。
「キャシディ!」
マキシマスが駆け寄り、大きな腕で彼女を抱きしめる。
その声には安堵と喜びが溢れていた。
「無事でよかった…本当に…」
彼は震える声で呟きながら、彼女の髪を撫でた。
キャシディも微笑みながら感謝の言葉を口にした。
「ありがとう、マキシマス。あなたがいなければ、ここまで来られなかったわ」
シルヴェスターは少し離れた場所から静かにその光景を見守っていた。
彼の表情には大きな感情は見られないが、その目にはほのかな安堵が浮かんでいた。
ニコラスは一歩離れた場所で周囲を警戒していたが、ふと背後の気配に気づいて振り返った。
そこにはロイの姿があった。
「よくやった、ニコラス」
ロイは軽く頷き、彼を労うように笑みを浮かべた。
「お前のおかげで、トリアを無事に連れ戻せた。本当に感謝している」
「ロイの命令だ。俺はそれを遂行しただけだ」
ニコラスはぶっきらぼうに答えたが、ロイはその言葉に微笑むだけだった。
トリアが涙を浮かべながらニコラスの方へ駆け寄った。
「ニコラスさん…本当にありがとうございました…!」
震える声でそう言いながら、彼女の瞳には感謝の色が溢れていた。
「お前が無事なら、それでいい」
ニコラスは短く言うと、不器用にトリアの髪をくしゃくしゃと撫でた。
その仕草には、彼なりの優しさが込められていた。
キャシディもトリアの肩に手を置き、静かに微笑んだ。
「本当に頑張ったわね、トリア。あなたが無事でいてくれて、それだけで十分よ」
言葉を紡ぐ彼女の瞳にも、涙が浮かんでいた。
「もう、大丈夫だ。お前はよく耐えた」
マキシマスも彼女に優しく声をかけた。
その言葉に、トリアは目を見開き、そして小さく頷いた。
「行くぞ」
最後に短く言い放ったのはニコラスだった。
感情を表に出すことなく、再び警戒を怠らない姿勢で歩き始める。
ニコラスの背中を見つめるトリアは、彼がどれほど大きな存在であるかを改めて実感していた。
彼女にとって、そしてこのチームにとって、ニコラスは確かにかけがえのない存在だった。